更新日:2024年5月21日
「ごみ屋敷」や「孤独死」の原因の一つとも言われる「セルフネグレクト」をご存じでしょうか。
セルフネグレクトは一般的に60~70代の老年期によくみられますが、若い人にも増えている現代病です。
「どの年代」でも「誰にでも」なり得る可能性があり、いつ自分や家族が当事者になるかもしれません。
この記事ではセルフネグレクトについて詳しく解説するとともに、ごみ屋敷や孤独死との関連についてもまとめています。
目次
セルフネグレクトとは
セルフネグレクトとは「セルフ=自分」と「ネグレクト=放任」を合わせた言葉で、『自己放任』という意味を表します。
「ネグレクト」と聞くと育児放棄などの虐待のイメージがある方も多いと思いますが、ネグレクトという言葉には「放置」「ないがしろにする」などの意味があり、セルフネグレクトはこれらの行為を自分自身に行います。
セルフネグレクトの特徴
セルフネグレクトであるかどうかを判断するには以下の2点が重要になります。
- 日常生活を維持する意欲がない
- 自分の健康や安全が損なわれている
ただ単に「やる気がでない」ということとは違い、生活に必要な一切の行動をしなくなる生活が長引いた場合はセルフネグレクトである可能性が高くなります。
例えば「引きこもり」はセルフネグレクトにも似ていますが、トイレや入浴、食事は行うことがほとんどです。
「生活に問題がない」状態であればセルフネグレクトとは言えません。
また、ほとんどのセルフネグレクトの人は「ごみ屋敷」や「汚部屋」に住んでいる傾向にあります。
掃除や片付けを行わずに生活しているため、当然家の中は散らかったままです。
そして、このような環境下であっても改善しようという意思や気力もなく、周囲に助けを求めようともしないことも特徴の一つで、家族や周囲の人が気付いたときには手遅れとなってしまい、死に至ることも。
このことからセルフネグレクトと孤独死に深い関係があることが伺えます。
セルフネグレクトになる背景
セルフネグレクトになってしまう理由は人それぞれですが、主な背景は次のようになっています。
- 頼れる人がいない
- 認知症を患っている
- 身体機能が低下している
- 精神的に大きなダメージを受けた
- 経済的な困窮がある
セルフネグレクトの人の多くは「独居」で、内閣府の調査によるとその割合は約7割とのことです。
一人暮らしであることで身近に家族や友人がいない、誰かに頼る機会が少ないことも背景にあるとされています。
特に高齢者のセルフネグレクトの場合、多くは身体機能の低下や認知症を抱えていますが、周囲に頼る人がいないと「困っている状態」であっても気付かれにくいでしょう。
「目が見えにくくなった」や「足腰が弱くなった」など、些細なことでも生活がおろそかになり、セルフネグレクトにまで進行してしまうのです。
さらに認知症になると認知能力が低下するため、適切な判断ができなくなってしまいます。
生活環境が悪化しても本人がそれに気づかず、周囲に助けを求めたり相談したりすることもないでしょう。
高齢者に限らず、若い人のセルフネグレクトも増えていますが、それには「精神的なダメージ」や「経済的な困窮」も関係しています。
「会社で嫌がらせを受けている」や「家族が亡くなった」というような、精神的に大きなダメージがある場合、何もかもやる気が起きない「うつ」のような状態に陥ることも。
実際に精神疾患を患い、それが引き金となってセルフネグレクトになるケースもあります。
また、経済的に困窮していると「おかしい」と思っても病院へ行けなかったり、質の良い食事を取れなかったりして状況が悪化してしまいます。
こうして心身共に不健康となり、セルフネグレクトになってしまうというわけです。
セルフネグレクトになってしまうのは「孤独」が大きい
セルフネグレクトに陥る原因は人によってさまざまですが、その根本にあるのは「孤独」や「孤立」だと言われています。
特に精神的にダメージを受けた場合には注意が必要で、「家族との別れ」や「仕事などでの大きな失敗」などがきっかけとなることもあります。
セルフネグレクトのきっかけになる環境を以下にあげてみました。
- 離婚
- 家族の死
- 転職や退職
- 収入の大幅減少
- 病気
- 老化による体力低下
- コミュニケーション不足
- 精神的な苦痛がある
- 経済的に生活が苦しい
セルフネグレクトの精神状態は「うつ病」に似ています。
何もやる気が起きない、動きたくない、というような状態になることがほとんどで、食事や水分も取らずに汚れた部屋でただ横たわる…という人が多くなります。
このような特殊な精神状態になってしまうということは、心が疲れていたり弱っていたりする状態なのかもしれません。
近年では若い人のセルフネグレクトも増えており、その原因はコロナ禍によるコミュニケーション不足、社会からの孤立が理由だとも言われています。
リモートワークで人と接する機会が減った、外出する機会が減ったというストレスや不安から、セルフネグレクトになってしまうケースもあるのです。
セルフネグレクトは誰でもなる可能性がある
はじめにお伝えしたように、セルフネグレクトは誰にでもなる可能性があります。
普段から「何でも物を積み重ねてしまう」「入浴や歯磨きをサボる」「好きな物しか食べない」という行動が多い人は要注意です。
しかし、疲れているときや人目がないときには「食事は適当でいいや」「掃除や片付けは面倒だからやらない」という人も多いと思います。
このような気持ちは誰しもが持っていることで、決して特別というわけではありません。
「めんどくさい」という感情は誰にでもあるものですが、環境次第では常にめんどくさい、気力が湧かないという状態になってしまう可能性があり、セルフネグレクトに陥ってしまうことがあるということです。
セルフネグレクトの診断方法とは
セルフネグレクトの診断は専門家がおこないますが、診断の際にチェックリストが使用されることもあります。
以下のチェックリストはセルフネグレクトの兆候や問題の大きさを判断するのに役立ちますが、自分自身が状態や問題に気付くきっかけにもなりるため、参考にしてみてください。
セルフネグレクトチェックリスト
5つ以上当てはまる方は注意が必要です。
- 郵便ポストの中を確認しない。あるいは、郵便物やチラシ等で郵便ポストがパンパンになっている
- お風呂に入るのが面倒で、気を抜くと数日入らないことがある
- ゴミ出しが面倒で、かなり溜まっている
- 部屋ではベッドやこたつ等、横になれる場所で殆どの時間を過ごしている。トイレに行く以外はほとんど立ち上がらない
- 休日でも買い物や用事を済ませに行かず、家でゴロゴロ過ごしてしまう
- 身体に不調を来していても病院に行くのが億劫で、あまり行かない
- ごみ箱までごみを捨てにいくのが面倒で、とりあえず適当な場所にごみを置いてしまう
- 歯磨きも気が進まないので、日によっては全くしない
- 役所の手続きや請求書の支払いなど、やらなくてはいけないことがなかなかできない
- スマホの通知を見るのが嫌で、返事をしなくてはと思いつつ、数日放置してしまう
- 動きたくないので、ご飯を食べない。もしくは栄養を考えずに適当に宅配やインスタントで済ませてしまう
- 昼夜逆転や1日中寝ているなど、生活のリズムが乱れている
- 掃除らしい掃除を最後にしたのがいつか思い出せない
周囲の状況で判断
家族や身近な人がセルフネグレクトになっているかも?と思ったら、周囲の環境や状況の様子で判断することもできます。
セルフネグレクトに陥った場合は以下の言動が多く見られるため、チェックしてみましょう。
- ごみを捨てず、生活に支障をきたすほど溜め込んでいる
- 窓や壁に穴が開いていることがある、生活が不便だと感じる環境に住み続けている
- いつも同じ服を着ている、または汚れても服を着替えない
- 失禁しても放置している
- 病気があっても治療や介護を拒否する
- 人との関わりを拒否する
これに当てはまる項目が一つでもあれば要注意です。
セルフネグレクトになっている可能性が精神疾患や病気である可能性もあるため、専門医に見てもらうのがよいでしょう。
「緩やかな自殺」とも言われる「セルフネグレクト」
セルフネグレクトが「緩やかな自殺」と言われる理由は、「生きていくために必要な行為をしない」ということがあげられます。
セルフネグレクトの人は「食事を取らない」「入浴をしない」「洗濯をしない」「歯を磨かない」「ごみ出しをしない」「体調が悪くても病院へ行かない」など、通常であれば誰もが行っている『自己管理』ができません。
このことから、家が汚部屋やごみ屋敷になっていたり、十分な食事や医療を受けれなかったりして、孤独死する8割がセルフネグレクトの人だとも言われているのです。
独居が多いことで孤独死リスクが高まる
「セルフネグレクトになる背景」のところでも紹介したように、内閣府が平成23年に調査したアンケートによると、セルフネグレクトの人の約7割が一人暮らしであるということがわかりました。
一人暮らしであることが原因でセルフネグレクトになることはよくあるケースです。
セルフネグレクトになる人は社会から孤立していたり、家族や友人など頼る人が周囲にいなかったりするため、ちょっとした兆候や変化に気付かれにくい環境にいます。
ただでさえ不衛生な環境や不健康な暮らしになっているセルフネグレクトの人は、病気になりやすく、命に危険が及ぶ可能性が高いと言えるでしょう。
そんな中、一人暮らしでいることは孤独死のリスクが高く、年齢に関係なく対策が重要だとされています。
若い人の孤独死の多くはセルフネグレクトによるもの
高齢者の孤独死は、発作などの病死や転倒などによる事故が原因となることがほとんどですが、若い人たちの孤独死の原因のほとんどは「セルフネグレクト」や「自殺」によるものだと言われています。
『日本少額短期保険協会』の調査によると、20代~40代の若い世代の孤独死は増加しており、全体数のおよそ4割が60歳未満だということ。
これを見ると、いかに現役世代の孤独死が多いかがわかります。
近年は昔とは違って核家族や単身世帯が増え、人とのコミュニケーションが希薄になっている、近くに頼れる人がいない、という人が増えています。
コロナ禍における環境の変化や、インターネット上で何でもできてしまうということもあり、社会との関わりが減った人も多いでしょう。
65歳以上の高齢者であれば、介護保険などの福祉サービスを受けることができるのに対し、若い人たちは社会から気付いてもらえず、自分からも助けを求めることができないケースがほとんどです。
このような環境の中、些細なことがきっかけでセルフネグレクトになったとしても周りには気付いてもらえず、孤独死となってしまう…というわけです。
ごみ屋敷は孤独死を招く
お伝えしたように、セルフネグレクトの人の家は「ごみ屋敷」となっていることがほとんどです。
「生きていくために必要な行為」をしないのですから、掃除や片付けをしなくなるのは当然のことだと言えます。
そしてこのごみ屋敷となってしまうことが、孤独死を招く原因の一つだと言われています。
なぜ孤独死になってしまうのか、原因を以下にあげてみました。
- 不衛生な環境下で過ごすことによって病気や感染症を発症する
- 転倒などのケガのリスクが高い
- 火災が起きやすい
不衛生な環境下で過ごすことによって病気や感染症を発症する
ごみ屋敷と聞くと物やごみで部屋がいっぱいになっている…そんなイメージを抱く方が多いと思いますが、実際はさらに悲惨な状態である場合もあります。
例えば夏場に生ごみを放置すれば、普通の家庭でもハエが湧くことが多いでしょう。
それが何週間もごみを放置している家となれば、ハエやゴキブリだけでなく、チャタテムシといった聞きなれない害虫も大量に発生します。
ごみの周辺だけでなく、壁にも黒い塊になって虫がびっしり…ということもあるのです。
そして長年掃除をしていない部屋には埃やカビが溜まり、何かわからない液体がこぼれていたり、鼻をつくような異臭がすることもあります。
このような環境で生活をすれば当然、身体には悪影響があり、病気や感染症だけでなく、食中毒やアレルギーを引き起こすとも言われています。
転倒などのケガのリスクが高い
家の中でごみや物につまづいて転倒する…なかなか考えにくいことですが、ごみ屋敷ではこのようなケガがつきものです。
特に高齢者であれば転倒が原因でのケガや骨折が増え、実際に救急搬送されるケースも増えています。
セルフネグレクトになってしまった場合は、天井まで届くほどごみが山積みとなっていることも多く、転倒した拍子にごみに埋もれて身動きが取れなくなるケースまであるほどです。
また、地震が起きた際にも物やごみに埋もれる可能性があり、身動きが取れないことで避難ができない、助けを呼べないというリスクもあります。
火災が起きやすい
ごみ屋敷は火災のリスクも高くなります。
家の中に燃えやすいごみや物が多いのですから当然です。
夏であれば蚊取り線香の火から、冬はストーブなどから近くのものに燃え移り、可燃物が多いことからあっという間に家が全焼する、ということも。
コンセントに埃がたまっている状態であればそこから火がつく「トラッキング現象」も起こり得ます。
また、家の外にもごみや物を置いている場合は、そこに火をつけられてしまう「放火」の恐れもあります。
放火による火事は火災全体の中でも件数が多く、ごみ屋敷は放火のターゲットになりやすいと言われています。
もし家の前や庭などにも物が溢れていたら、すぐに家の中に入れるようにしましょう。
セルフネグレクトの人が孤独死するまでの時間は長くない
ごみ屋敷には身体へのリスクがさまざまありますが、さらにセルフネグレクトの人であれば孤独死するまでの時間は長くないとも言われています。
セルフネグレクトの人は食事すら取らないケースも多く、最終的には餓死してしまうということに至ります。
また、セルフネグレクトの特徴として「人に助けを求めない」ということがあり、動けないほどの栄養失調であってもSOSを出すことができません。
深刻な状況だと気付けずに助けはいらないと感じたり、人に頼ってはいけないと自分を追い込んだりすることで命を失うまでになってしまうのです。
孤独死の現場は壮絶
人が亡くなると、1週間~2週間で悪臭が周りに広がります。
夏場では2・3日で腐敗して、隣に住む人はご飯も食べられないくらい独特の死臭が漂うのです。
さらに、体からは赤茶色の腐敗液が染み出してきて、畳や床に染み込んでいきます。
放置された期間が長いと、気付いたときには床下や梁、階下の天井まで汚染してしまうことも。
そうなると、構造物自体を変える修繕工事が必要になるため、特殊清掃の2~3倍の費用がかかってしまいます。
なぜこのような状態になってしまうのか。
それには孤独死の発見までの日数が関係しています。
実は孤独死が3日以内に発見できるのは、わずか4割程度だと言われています。
故人に関わりのある親族や友人が少ないことや、社会との繋がりがないことから、亡くなっているという事実に誰も気付けないのです。
特にセルフネグレクトの人は、社会と繋がりを持つことを避ける傾向にあります。
すると判断力が低下し、自分が危険な状態にある、死ぬかもしれないという事実にさえ気付けないのです。
セルフネグレクトの治療法・対処法とは
お伝えしてきたように、セルフネグレクトの原因は人によってさまざまです。
状況によって最適な対処方法が異なるため、以下の点に注意してください。
現状を理解する・本人に自覚してもらう
セルフネグレクトになっている人のほとんどは、自分の今の状況を把握していません。
まず大切なことは、自分が不衛生な環境にいることや、命の危険があることなど、現状を理解してもらうことです。
現状を理解できていないと本人に対策をする気持ちが起きず、周囲が手を差し伸べても拒否される場合があります。
本人に現状を自覚してもらってから初めて、なぜ今の状況になってしまったのかや今後どのように対策をしていけばよいかという、改善策を取ることができるでしょう。
病気や認知症などがないか確認
セルフネグレクトになってしまった人の中には、精神疾患や病気を抱えている人も多くいます。
また、ケガや加齢によって身体が不自由な状態の人もいるでしょう。
そのような場合、まずは病院で適切な治療を受けるようにしなければなりません。
認知症のように、完全に治療できる場合でなくても、医師に相談すれば進行を遅らせたり緩和させたりすることもできます。
「どうせ治らないから」と病院に行かないのではなく、まずは専門医へ相談してみるのがよいでしょう。
行政サービスの利用
セルフネグレクトを一人で解決するのは困難です。
家族や友人が身近にいない場合でも、行政サービスを利用すれば第三者のサポートを受けられます。
✔地域包括支援センター セルフネグレクト相談窓口
地域包括支援センターは高齢者やその家族が安心して生活していけるよう、保健・医療・福祉の関係機関と連携をとりながら、福祉の相談・福祉サービスの調整などの支援をおこなうための施設です。
全国の自治体にあり、ネットで「地域名+地域包括支援センター」で検索すると、お近くの支援センターを探すことができます。
ここで相談することで、在籍する社会福祉士や保険師、ケアマネージャーなどが必要なサービスへとつないでくれます。
また、要介護認定の申請も地域包括支援センターが代行することが可能です。
✔介護サービスの利用
介護認定が下りている方は、訪問介護や訪問入浴介護、デイサービス(通所介護)などのサービスを受けることができます。
介護保険を使うことで原則1割の自己負担で済むため(収入によって2割・3割負担となる)、民間のサービスを利用するよりも安く利用できるでしょう。
セルフネグレクト状態にある人は、入浴をしていないことが多く、なかには身体的な理由から自力で入浴ができないこともあります。
こうした場合、介護によって入浴ができるだけでも大きな変化となるでしょう。
ただし介護サービスには、部屋の大がかりな清掃や片付けは含まれないことがほとんどです。
部屋がひどく汚れていたりごみがたくさん溜まっていたりと、簡単に清掃できない場合は業者を頼るのがおすすめです。
住環境を改善する
セルフネグレクトになると部屋の掃除や片付けができなくなってしまうため、家が汚部屋やごみ屋敷になっていることも多くあります。
そのような環境下では健康被害や近隣住民とのトラブルが起きる可能性が高いため、早めに対処しなければなりません。
とはいえ、部屋にごみや物が大量に溜め込んであるといった場合もあり、セルフネグレクトの人が自力で部屋を片付けるのは難しいでしょう。
もし家族や友人など、周囲に手伝ってくれる人がいる場合は協力して片付けるようにします。
また、本人や周囲にそのような余裕がない場合や、自分たちでは難しいと思ったときには、ごみ屋敷の片付け業者へ頼むのがおすすめです。
業者へ依頼すれば、大量のごみの処分、部屋の清掃、消臭や除菌などを短時間で済ますことができるため、すぐに新しい環境で生活をスタートできます。
業者へ依頼する際には必ず「事前見積もり」を何社かでおこない、見積もり内容や対応を比較して、納得した業者へ依頼するようにしてください。
セルフネグレクトを予防する方法は
セルフネグレクトは自分では自覚していない場合がほとんどです。
周りが気付いたときには命に危険が迫っていたり、改善するにはかなり時間を要するまで悪化していることもあります。
それでも気付いてもらえるならまだラッキーで、セルフネグレクトになっている状況を誰にも知られずに亡くなってしまうことも。
セルフネグレクトを防ぐにはどうすればよいのでしょうか。
- 現状を把握する
- 環境を変えてみる
- ストレスや悩みを一人で抱え込まない
現状を把握する
「日常生活がめんどくさい…」そんな風に感じる人もいるのではないでしょうか。
仕事が忙しかったり、悲しいことやショッキングなことが起きたら、何もかもがめんどくさい…と思うことは誰しも起こり得ます。
しかし、何日も入浴や歯磨きをしていない、食事を取っていないということがあれば危険信号です。
そのまま放置していると、部屋が汚れ、ごみが増えていき、心がますます疲弊していきます。
エスカレートしていく前に、「私はセルフネグレクトかもしれない」と考えてみてください。
環境を変えてみる
もし、セルフネグレクトかも…セルフネグレクトになってしまうかもしれないと思ったら、環境を変えてみるのも良い方法です。
例えば、外出する機会がない場合は少しでも外へ出る時間を作る、人と会う機会を増やすなど、意識的に行動してみましょう。
人と会わなくなったり外へ出る機会がなくなると、身だしなみがどうでもよくなり、歯磨きや入浴をしないということにも繋がります。
また、誰かと話すことで自分の不安や孤独を和らげることもあるかもしれません。
身近に親しい人がいない場合は、区役所等の行政に相談をすることもできます。
ストレスや悩みを一人で抱え込まない
セルフネグレクトになってしまう原因は、悩みや不安、ストレスの増加、人間関係の希薄化などと言われています。
これらを抱えていても、誰にも相談できない、こんなことを人に相談したくない、などと考えて周りに助けを求めることができないのも特徴の一つです。
周囲に助けを求めることを「悪」だと思わずに、「自分には助けが必要なんだ」と自覚することが大切です。
もし自分はセルフネグレクトの傾向にあるかもしれないと感じたら、専門医のいる精神科や心療内科を受診してみるのもいいでしょう。
まとめ
セルフネグレクトは誰にでもなる可能性があります。
きっかけは家族との別れや仕事での失敗など、はっきりしたものもあれば、「なんとなく疲れが溜まっていたから」という理由から自分に関心が無くなってしまうケースもあります。
ほかにも経済的に困窮していることが原因となっているケースもあり、「生活にお金を使わなくなったこと」によって食事を取らない、入浴をしなくなるという切羽詰まった状況の人もいます。
なかには「原因がわからない」「覚えていない」という人も全体の2割程度いて、その場合は改善する手立てが見つけにくいことも。
このように、セルフネグレクトの背景はさまざまです。
しかし、どの場合でもセルフネグレクトの人に共通しているのは「孤立」ということです。
一人暮らしで周囲との関りが少ないという人がほとんどで、深刻な状況にあっても周りに助けを求めることができません。
もし、身近に思い当たる人がいれば普段から気にかけてみる、連絡を取るなどをして、些細なことから行動に起こしてみましょう。
当社『ラクタス』では、ごみ屋敷や汚部屋などの清掃から孤独死の現場まで、さまざまな清掃をおこなっています。
また、不用品の処分、部屋の現状回復、除菌・消臭など、状況に合わせて最適なプランをご提案。
家の掃除に関してお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
2024-05-21