更新日:2024年5月28日
突然思い立ったように、部屋の物を捨てたくなった経験はありますか?
物を捨てたいという衝動は、心理的な変化や精神疾患が関係しているといわれています。
一般的な片付けや断捨離は良いことですが、度が過ぎると「依存症」になり生活に支障をきたすことも。
逆に、心の病気が原因となり、物を捨てられなくなることもあるため、注意が必要です。
そこで、この記事では物を捨てたくなる心理の裏側や、うつ病との関係性などを詳しく掘り下げて紹介します。
部屋を整えて、心身共に健康に過ごしましょう!
目次
物を捨てたくなる心理的な背景
通常の整理整頓以上に、部屋の物を捨てたいという気持ちになるのは、どのような心理が影響しているのでしょうか?
物を捨てたくなる背景には、主に3つの心理があります。
- 価値観が変化した
- 過去を忘れて前向きになりたい
- ストレスや不安を解消したい
それぞれについて解説していきます。
価値観が変化した
物を捨てたくなる心理的な背景には、価値観の変化が大きく関わっていると考えられます。
- 趣味や流行の変化
- ライフスタイルの変化(引っ越し、結婚など)
- 震災や事故など大きな出来事
こうしたことをきっかけに、「物を必要最低限にしたい」「一度整理整頓をしたい」と思うことは正常な反応といえます。しかし、無力感や自分自身の対する諦めなど深刻な心理状態が、物欲の低下を招くこともあるようです。
過去を忘れて前向きになりたい
物を捨てたくなるのは、過去の出来事を手放して、前を向きたいという想いの象徴です。
きっかけはさまざまですが、下記のようなものが挙げられます。
- 引っ越し:新しい環境に不要な物を捨てたい
- 失恋:別れた恋人との関連品を捨てたい
- 転職:退職する職場関連の物を捨てたい
思い出と結びついた物を捨てることで一時的な解放感を得られるかもしれませんが、自分自身の感情が整理されていないと、心身のバランスを崩す原因になります。過去からの学びを未来に活かすためにも、本当に必要なのか捨てても良いのかしっかりと検討することが大切です。
ストレスや不安を解消したい
物を捨てたいという衝動は、ストレスや不安が蓄積されていることを示しています。
帰宅時に物で溢れた部屋を見て、情報過多による疲労感やイライラを経験したことのある人は多いのではないでしょうか?物を捨てることで心がスッキリするのは、片付けをするとドーパミンと呼ばれる快楽物質が分泌されるからだといわれています。
しかし、ストレスや不安が強い場合、判断能力が低下して捨てる物の判別を誤る恐れも。物を捨てる際は、心理状態を客観視して慎重に行動することが重要です。
物を捨てたくなる心理状態とうつとの関係
物を捨てたくなるという心理とは逆に、うつ病を患うと物を捨てることが難しくなる可能性があります。
ここでは、片付けとうつ病の関係性やリスクについて詳しく解説します。
うつは無気力になる心の病
うつ病とは、脳の神経伝達物質であるノルアドレナリンやセロトニンが減少し、無気力状態になる精神疾患です。主な症状として、下記のようなものが挙げられます。
- 何もする気が起きない
- 異様に眠くなる、または眠れない
- 常に気分がふさがっている
- 疲れやすい
- 物事を判断できない
- イライラする など
このような心身の症状から、物を捨てること以外にも食事の用意や片付けなど日常生活に対して意欲・関心が薄れることが多いです。
参照:厚生労働省│うつ病
うつが悪化するとセルフネグレクトになる恐れがある
うつ病は、日本人の約15人に1人が経験するといわれており、決して珍しい病気ではありません。その一方で、うつ病が進行するとセルフネグレクトを引き起こす可能性があるので、早期に治療することが大切です。
セルフネグレクトとは、身の周りのことに無頓着になる状態を指し、家の中の衛生状態が悪化したり、基本的な身だしなみができなくなったりする状態を表します。
うつ病になっていなくても、長時間労働や対人関係の悩みなど蓄積したストレスがセルフネグレクトの引き金になることも。
セルフネグレクトを予防するためにも、心身の不調がみられた場合は、早めに精神科・心療内科での診察を受けることが重要です。
ごみ屋敷の状態がうつの原因になることも
物を捨てたくなる心理状態とうつ病との関係では、ごみ屋敷状態がうつ病を悪化させる原因となることがあります。
- 散らかったごみや不衛生な環境によるストレスの蓄積
- アレルギーや病気のリスクの増加
- 近隣住民や管理会社など周囲とのトラブル
- 人との関わりが減ることによる孤独感の増大
これらの問題を防ぐためには、うつ状態の早期治療と生活環境の改善が重要です。自力での片付けが難しい場合は、専門業者の利用も検討する価値があります。
また、定期的な掃除や片付けを意識的に行うことが、うつ病の悪化を防ぐことにつながります。
物を捨てたくなる行為に関連した心の病気
ここまでは、物を捨てたくなくなる傾向がある「うつ病」について紹介しました。
その他、物を捨てたくなる心理に関連した精神疾患や、うつ病と同様に物を捨てるのが難しくなる状態について解説していきます。
強迫性障害
物を捨てたくなる行為は、強迫性障害と関連があることが指摘されています。
強迫性障害とは、極度の不安やこだわりが日常生活に支障をきたす精神疾患のことです。例えば、戸締まりや火の元を異常に何度も確認する行為や、特定の数字への過度のこだわりなどが挙げられます。
「物を捨てずにはいられない」という強迫観念が強く、やめたいのにやめられない場合は、医療機関で適切な治療を受けることが必要です。
ディオゲネス症候群
強迫性障害の一つであるディオゲネス症候群は、物やごみを溜め込む病気として知られており、「ごみ屋敷症候群」という別名もあります。主な症状はセルフネグレクトや物の溜め込みであり、自覚症状が無いことが特徴です。
生ごみを放置したり、ペットの多頭飼育や糞尿を放置したりするケースもあるため、近隣トラブルにも発展する恐れがあります。
溜め込み症
溜め込み症は、実際の価値に関係なく物を捨てることが困難で、生活空間が物であふれた状態になる精神疾患です。具体的な症状として下記のものが挙げられます。
- 集めたガラクタを捨てられず、家が物でいっぱいになる
- 物が腐って悪臭がするなど、生活環境が劣悪になる
- 近隣からの苦情があっても、問題意識を持たない
溜め込み症は、うつ病や強迫性障害など他の疾患との併発がみられることもあります。治療法が確立されていませんが、部屋の片付けで環境調整を行うことが重要です。
買い物依存症
買い物依存症は、衝動的な買い物を繰り返し、自己の欲求をコントロールできなくなる心の病気です。高揚感を得るために買い物を繰り返しますが、罪悪感や自己嫌悪に苛まれることが一般的です。
- 部屋が購入品であふれ、未開封未使用のまま放置する
- 買った物には執着しない
- 支払いのために利息払いや借金をする
限定グッズやブランド品などを手に入れたいという欲求に駆られる一方で、手にすると物に対する愛着が薄れて、支払い額だけ増え続ける状態になることも少なくありません。
放置していると自己破産や自暴自棄となる恐れがあるため、メンタルクリニックへの早期受診が必要です。
ADHD(注意欠如・多動性障害)
ADHDとは、発達障害の一つであり、一般的に物の整理整頓や片付けが難しいとされています。
- 忘れっぽくミスが多い
- 衝動的に行動しやすい
- 優先順位を決めるのが苦手
症状には個人差がありますが、段取りを決めることが難しく、一つのことに集中しすぎる傾向があります。工夫次第では、部屋をきれいな状態でキープすることが可能です。
ASD(自閉症スペクトラム障害)
ASDは、部屋の片付けなど日常生活の管理に影響を及ぼす発達障害です。ASDの主な症状は下記の通りです。
- 会話の空気を読むことが苦手
- ルールにこだわる
- 掃除機など周囲の音に過敏
- 物を溜め込む傾向がある
- 小さなことにこだわる
- 同じ行動の繰り返す
ASDの人は、部屋の片付けにおいて、こだわりが優先されることがあり、片付けに苦手意識を持つことがあります。また、物を収集する傾向があるため、収納スペースが足りなくなることも。
一方で、ASDの人の中には、綺麗好きで整理整頓が得意な人もいます。細かなことに注意を払い、症状やストレスの原因に合わせて、適切な対策をとることで安心して過ごすことが可能です。
過剰に物を捨てたくなるのは断捨離依存症かも?
部屋の物をたくさん捨てたくなる時、それは断捨離依存症の兆候かもしれません。部屋が既にすっきりしているにもかかわらず、「まだ何か捨てられないかな?」と心が落ち着かない人は要注意です。
ここでは、断捨離依存症の具体的な症状や注意すべき人についても解説します。
断捨離依存症とは
断捨離依存症は、物を「断つ」と「捨てる」行動にプロセス依存を示す状態です。断捨離は、ヨガの思想に基づく行法で、不要な物を断ち捨てて、物への執着から離れることを目的としています。
しかし、断捨離依存症では、この行動が過剰となり生活に支障をきたすことがあります。
依存症は、「物質依存」と「プロセス(行為)依存」の2つに分けられ、断捨離依存症は後者に分類されます。
- 物質依存:アルコール、タバコ、薬物
- プロセス依存:インターネット、ゲーム、ギャンブル、パチンコ、買い物
依存症は、本人に自覚がなく、簡単に行動を止められないことが多いです。
「物を捨てる」などの行為によって脳の快楽物質が分泌されるため、意思の力だけでは克服が難しいといわれています。そのため、専門機関の助けを借り、適切な支援を受けることが大切です。
断捨離依存症の症状
断捨離依存症の代表的な症状について紹介します。
他人の物まで捨てたくなる
断捨離依存症では、自分だけでなく他人の物も捨てたくなる傾向が見られます。
- 家族の物を許可なく勝手に捨てる
- 他人に断捨離を強要する
- 持ち物が多い人を批判する
断捨離は物への執着を減らすことが目的であり、他者に押し付ける行為ではありません。
他人の考えや価値観を尊重せず、干渉することは人間関係のトラブルを引き起こす可能性があります。特に、他人の大切な物を勝手に捨てる行為は絶対に避けましょう。
物を捨てることが目的になっている
断捨離依存症は、物を捨てること自体が目的となり、正常な断捨離の範囲を超える状態です。この症状には下記のような特徴があります。
- 物を捨てることでストレスを発散している
- 捨てた時のスッキリ感に依存している
- 「物を捨てなければ」という強迫観念に駆られる
こうした心理状態に当てはまる場合は、断捨離の本来の目的を見直すことが大切です。
生活に必要なものも捨ててしまう
断捨離依存症では、生活に必要な物まで捨ててしまうことがあります。特に注意すべきは以下のような物です。
- 思い出の品、形見
- 写真、アルバム
- 契約書類
- 防災グッズ
- 生活家電
生活に必要な重要書類や免許証などを捨ててしまうと、後で大きな問題に直面する可能性があります。また、形見や卒業アルバムなど二度と手に入らない品は捨ててから後悔することも少なくありません。
特に、ミニマリストに憧れて断捨離を始めた方は、自分の生活に必要な物を見極めることが重要です。
不要だと思われる物は、一時的に保管して、本当に必要かどうか時間を置いてから判断することをおすすめします。
断捨離依存症に注意すべき人
断捨離依存症は、極端な考え方を持つ方がなりやすいといわれています。
特に注意すべき人は下記のようなケースです。
- 潔癖症
- 完璧主義
- 元汚部屋・ごみ屋敷住人
- 家族に依存症の人がいる
- 精神的に不安定な人
- 感情の起伏が激しい人
断捨離依存症は、幼少期の家庭環境が少なからず影響することがあるようです。また、精神的に不安定な人や感情の起伏が激しい人は、物を捨てることで安心を求める傾向があります。しかし、ストレスや不安からの逃避手段に過ぎないため、根本的な解決のためには第三者の介入が必要です。
極端に物を捨てたくなった時の対処法
物を一気に捨てたくなった時の適切な対処法について紹介します。
適度な片付けを行うことで、快適な生活空間を目指しましょう。
片付けの目的を明確にする
物を極端に捨てたくなった場合は、片付けの目的を明確にすることが大切です。
- 家事の負担を減らしたい
- 運気を上げたい
- 節約をしたい
- 探し物を減らしたい
- ゆっくり部屋で過ごしたい
など、「物を捨てる」ことに執着せずに、「必要な物を残す」ことに焦点を当てましょう。厳選されたお気に入りの物だけに囲まれることで、断捨離の本来のメリットを享受することができます。
物を捨てる頻度を決める
物を捨てる頻度をあらかじめ決めることも対処法として有効です。
1シーズンに1度、半年に1度など、衣替えの季節を目安として整理するのも良いでしょう。思い付きで断捨離を行うと、衝動的に大切な物を捨ててしまうことがあるので注意が必要です。
物を手放す際は、自治体での処分以外にも下記の方法を検討しましょう。
- 寄付をする
- リサイクルショップに持ち込む
- フリマアプリに出品する
- 不用品回収業者に依頼する
物を捨てるか判断する時は、「自分が使いたいかどうか」を重視して、使い心地や好みを基準にすることをおすすめします。
重要書類は後回しにする
物を捨てすぎてしまう可能性がある場合は、重要な物はあえて後回しにすることが大切です。
断捨離をスムーズに行うための基本的な順番は下記の通りです。
- 衣類
- 書籍、本
- 小物、文房具
- 書類
- 思い出の物
書類を整理する際は、古いチラシやクーポンなど明らかなごみから捨てていきます。保険証券や契約書などの重要書類は、一か所にまとめて、誤って捨てないようにしましょう。
その他、防災グッズや備蓄用食品、冠婚葬祭のアイテムも慎重に確認して整理してください。
片付けや整理整頓で困ったらプロの専門業者に依頼しよう
- 物を捨てたくない
- 片付けが億劫
- 断捨離しすぎないか不安
- 体調が優れず、ごみ捨てができない
片付けに関するお悩みがある方は、自力でなんとかしようとせずに思い切って片付け専門業者に依頼するのも一つの解決方法です。
物を捨てられずに日常生活に影響が出る前に、一度気軽に相談してみると良いでしょう。
メリット①心身の負担が少ない
専門業者に依頼すれば、体調の変動に関係なく作業が進み、第三者が介入することで精神的身体的な負担が軽減されます。
また、部屋がきれいになることで、体調が良くなることも期待できます。
特にADHDやASDの人にとっては、物を捨てるべきなのか判断したり、収納場所を決めたりする作業が困難です。業者によっては、定位置への収納やリバウンド防止の対策もしてくれるため心強いです。
メリット②最短即日で不要な物を処分できる
片付け専門業者なら、不用品を最短即日で回収してくれるので、すぐに部屋の物がスッキリと整理されます。
自治体で捨てるとなると、処分ルールを調べたり、ごみを分別したりと時間と手間がかかりますが、業者なら分別する必要もありません。また、明らかなごみだけでなく、一人で運びにくい粗大ごみも安全に搬出してくれます。
メリット③不用品買取やハウスクリーニングを依頼できる
プロの業者に片付けを依頼するメリットは、不用品の処分以外の下記のようなサービスを受けられることです。
- 不用品買取
- ハウスクリーニング
- 引っ越し作業 など
処分する予定の不用品に価値がある場合、買い取ってくれるため、処分費用を相殺できます。ハウスクリーニングでは、トイレやキッチンなどの水回りやエアコンなどの清掃も依頼できるため、清潔な生活空間が手に入るのも魅力です。
また、引っ越し前に大量のごみや不用品を捨てたい人にもおすすめです。
片付けでお困りの方は「ラクタス」におまかせください!
物を捨てたくなる衝動は、ストレス解消や過去を忘れたいといった心理や、強迫性障害などの精神疾患が深く関係しています。度を超えた片付けは、断捨離依存症の恐れがあるため、注意が必要です。
逆に、物を捨てられない場合は、うつ病やセルフネグレクトが原因になっていることもあるため、まずは病気の治療に専念しましょう。
部屋の片付けにお困りの場合は、自力で解決しようとせずに、プロの業者に依頼することを検討してください。
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