更新日:2023年3月15日
業者に回収してもらった不用品が、どのように処理されるのか気になったことはありませんか?
もし悪質な不用品回収業者に依頼してしまった場合、高額請求されたり不法投棄などの違法行為に巻き込まれたりするケースも少なくありません。信頼できる業者を見極めためには、不用品の行方をきちんと知っておく必要があるといえます。
また、限りある資源をリユース・リサイクルして、適切にごみを処分することはSDGsの観点でも重要です。
この記事では、回収された不用品の行方や、SDGsと関係が深いごみ問題について詳しく紹介します。
不用品がどのような道をたどっていくのか把握して、適切な不用品回収業者に依頼しましょう!
目次
不用品回収業者で回収された不用品の行方
回収された不用品は、すぐにごみとして処分するのではなく、一つ一つ細かくチェックして丁寧に分別します。
不用品回収後の大まかな流れはこちらです。
- リユース(再使用)
- リサイクル(資源を再生利用)
- 燃えるごみ・燃えないごみに仕分ける
- 廃棄物として処分へ
リユース・リサイクル率が高いと最終的なごみの量が減るため、回収業者は廃棄物処理のコストを削減できます。
ごみにならない分だけ不用品回収費用が安くなる場合があるため、私たちにとっても大きなメリットです。
ここでは、不用品がどのようにリユース・リサイクル・処分されるのか詳しく紹介します。
不用品の行方①リサイクルショップで販売
回収された不用品は、買い取りしてリサイクルショップで販売されます。
リユース品は定価より安く購入できるため、入荷待ちしている人も多いです。
引っ越しなどで仕方なく処分するものなど比較的状態がきれいな不用品は、高く買い取ってくれることも。
- 照明家具
- ガステーブル
- 衣装ケース
- 鍋や食器類
- インテリア雑貨 など
リサイクルショップは、それぞれが取り扱っているジャンルが異なるので、多くのショップと提携している不用品業者がおすすめです。
不用品の行方②ネットオークションに出品
回収された不用品は、リユース品としてネットオークションに出品します。
全国各地の人が利用しているネットオークションは、市場規模が大きく売れる商品がぐんと幅広くなるのが特徴です。
- 時計
- 楽器
- カメラ
そのほか、珍しい骨董品・ゲームや付加価値のついた商品は、予想以上の高値で落札されることも少なくありません。
買い取り実績が豊富な不用品業者なら、商品撮影や説明文作成など出品作業に慣れているので、自分で出品するよりも高く売ることができます。
不用品の行方③壊れた家具を修理してリユースする
長年使って壊れてしまった家具は、回収された後に修理してリユース品として再販売しています。
木材は、世界情勢の影響により「ウッドショック」と呼ばれるほど高騰している希少なものです。
腕のある職人の手にかかれば、昔ながらの家具の良さを活かしながら、おしゃれなデザインで使いやすいリメイク家具に変身!
経年変化で味のある古い家具をインテリアとして欲しいと思っている人も多く、ネットショップや各地域で売られていきます。
不用品の行方④古着はウエスに加工
リサイクルショップで再販売できないボロボロになった衣類は、「ウエス」に加工します。ウエスとは、機械の汚れを拭き取る布のことです。
- コットンや麻のTシャツ
- 浴衣
- メリヤスの下着
- トレーナー
などさまざまな衣類が、素材の特徴を活かしてウエスとして活躍します。
ウエス工場に運ばれた古着は、ボタンなどの付属品を取り除き、形を揃えてきれいに裁断。
厳しい検品作業が行われた後に、利用する企業へ運ばれます。
不用品の行方⑤海外輸出
国内で買い手が見つからない不用品は、リユース品として海外に輸出します。
「ユーズドインジャパン」と呼ばれる日本の不用品は、質が高いと評判!
特に、カンボジアやタイなど東南アジアを中心に需要が高く、船便で運ばれたのちに現地のリサイクルショップで再販売されています。
- ランドセル
- 置き物
- 洋服
- 靴
などの衣類・日用品だけでなく、日本のアニメやフィギュアも喜ばれます。
日本では型落ちした古い家電でも、デザインや機能性が評価されるので、海外で販売されるのです。
不用品の行方⑥寄付
回収された不用品は、児童養護施設や介護福祉施設に寄付してリユースします。
- ぬいぐるみ
- おもちゃ
- 子供服
- 文房具
- 食器
- タオル
などの不用品は、汚れを丁寧に落とした後に必要としている人々に届けます。
海外貿易をしている不用品回収業者なら、発展途上国の子どもたちに寄付することも可能です。
不用品の行方⑦リサイクルして資源化する
リユースが難しいものは、異物を除去し資源化できるものを選別した後に、各地のリサイクルセンターに引き渡します。
- 古紙
- ペットボトル
- プラスチック
- ビン
- 鉄くず類
などの不用品は、金属探知機などで再検品し、圧縮・粉砕・溶解などそれぞれの工程を経て、資源に戻します。
壊れた家電は、家電リサイクル法・小型家電リサイクル法に則り再生資源にすることで、廃棄物をできる限り減らすことが可能です。
不用品の行方⑧熱回収して埋め立て処分
リサイクルできない不用品は、自治体のごみ分別ルールに沿って、燃えるごみ・燃えないごみに分けられます。
燃えるごみを焼却する際に発生する熱は、熱エネルギーとして回収し「サーマルリサイクル」として再利用できます。
回収された熱エネルギーは、暖房や発電に活用されるため、化石燃料の消費を抑えることが可能です。
一方で、燃えないごみは粉砕処理を行って、埋め立て処分をしなければなりません。
埋め立て処分は、地球温暖化の原因になるメタンガスが発生するため、最後の選択肢です。
また、劣化した廃プラスチックもメタンガスが発生するため、サーマルリサイクルを行って有効活用しています。
SDGsに関係しているごみ問題と名古屋市の取り組み
不用品がリユース・リサイクルされ適切に処分されることは、SDGsの取り組みにおいても重要です。
ここでは、SDGsと関連の深いごみ問題と、名古屋市の取り組みについても紹介します。
SDGsとは
SDGsは、2015年の国連で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、世界全体で目指すゴールです。
環境や人権、貧困など17の目標と169のターゲットがあり、2030年までに解決を目指すことを目標にしています。
SDGsは「誰一人取り残さない」を理念としており、持続可能な社会を実現するためには、国や企業だけでなく私たち一人ひとりの行動を変えていかなければなりません。
現在の課題である、ごみ問題について詳しくみていきましょう。
海洋プラスチックごみ
海洋プラスチックごみは、SDGsで掲げられた目標14「海の豊かさを守ろう」に関係している問題です。
ペットボトルやレジ袋などのプラスチックごみは、ポイ捨てなどの不法投棄によって海に流れ、水質汚染や生態系の変化など大きな影響を及ぼします。
- ウミガメなど海洋生物が誤飲する
- プラスチックに含まれる有害物質が海に溶け出す
- 周辺環境の景観が損なわれる
- 観光業・漁業に影響が出る
などの深刻な問題があります。
2019年の日本のプラスチックごみ総排出量は世界で2番目に多く、約850万トンで、一人あたりに換算すると1年間で32キロも捨てていることに。
レジ袋の利用を減らし、ごみはきちんと分別するなど、小さなことから毎日の習慣を見直す必要があるでしょう。
食品ロス
食品ロスとは、食べられるのに捨てられてしまった食品のことです。
令和2年度の家庭ごみから出ている食品ロス量は247万トンで、外食産業の食品ロスは、年間81万トン発生していることが分かりました。
SDGsでは目標12「つくる責任つかう責任」に関係しており、ターゲット12.3で具体的な目標が掲げられています。
ターゲット12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる。 |
- 賞味期限に配慮し、使いきれる食材だけ購入する
- 外食でメニューを頼み過ぎない
- 冷凍保存で長く食べられるようにする
- 賞味期限が近い割引き商品を買う
- 冷蔵庫の中をチェックしてから買い物する
食品ロスの最も多い理由は、買いすぎによって食品を腐らせてしまうことです。
名古屋市では、美味しく食べきる取り組みとして「もったいないレシピなごや」を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
最終処分場のひっ迫
ごみを埋め立てる処分場のひっ迫問題は深刻であり、今のペースでごみを処分し続けていると2041年頃に処分場が満杯になるというデータがあります。
これは、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」に関係している問題です。
2018年に中国が、非鉄金属の部品などの「雑品スクラップ」の輸入規制を行ったことから、ますますごみの受け入れ場所に悩まされる事態となっています。
新しい処分場を作るのも、自然環境の影響や住民の理解を得ることを考えると、そう簡単なことではありません。
これ以上事態が悪化しないために、リユース・リサイクルやごみの削減に少しずつ取り組むことが求められています。
ごみ屋敷
ごみ屋敷の問題は、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」に関係しています。
コロナウイルスの影響で巣ごもり生活をする人が増えたことから、ひっそりとごみ屋敷化している若い人も少なくありません。
その背景には、多忙な生活や精神疾患、認知症などが関与していることもあり、一人で解決するのは難しい問題です。
放置していると、周辺地域を巻き込む火災のリスクも高く、悪臭や害虫も発生してしまいます。
名古屋市をはじめとする多くの自治体では、ごみ屋敷に関する条例を定めています。
もし近くにごみ屋敷がある場合は、担当窓口に相談することが解決の一歩となるでしょう。
名古屋市│住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例
災害廃棄物
災害廃棄物とは、水害や地震などで大量に発生する廃棄物のこと。
災害廃棄物の問題は、目標13「気候変動に具体的な対策を」に関係しています。
- 避難所のごみ
- し尿
- 倒壊した家屋
- 被災した際の片付けごみ
など、それぞれにごみに適した処理施設へ迅速に運搬・処理するために、各市町村で計画・準備が進められています。
名古屋市においても、南海トラフ巨大地震の被害想定をふまえ、災害廃棄物処理計画を策定されました。
いつ災害に見舞われるか分からないからこそ、今ある不用品は処分して、残す家具はしっかりと固定するなど、災害ごみを減らせるように準備を進めなければなりません。
参照:名古屋市災害廃棄物処理計画
都市鉱山
都市鉱山とは、精密機器に含まれる希少金属(レアメタル)がリサイクルされずに大量廃棄されていることを意味しています。
SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」のターゲット12.2に大きく関わる問題です。
ターゲット12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。 |
環境省では2030年までに、2020年度の約21万トンだった都市鉱山の回収量を倍増する計画を発表しました。
- スマートフォン
- ゲーム機
- パソコン
などは、小型家電リサイクル法・資源有効利用促進法に則り、各自治体のルールに従って処分しなければなりません。
名古屋市では、縦15cm×横40cm×奥行25cm以下のパソコンなら、小型家電回収ボックスに入れるだけでリサイクルに貢献できます。
名古屋市・藤前干潟のごみ問題
名古屋市の藤前干潟は、渡り鳥や希少なクロツラヘラサギ等が生息する豊かな自然環境で、2002年にラムサール条約湿地に登録されています。
もともと名古屋市はごみの廃棄量が多く、藤前干潟はごみの最終処分場の候補に挙がっていた場所でした。このことをきっかけに野生動物と干潟を守ろうと、名古屋市民がごみ排出の量を大幅に減らした結果、1999年に埋め立て計画は中止に。
しかし、現在の藤前干潟は、不法投棄やプラスチックごみ・漂着ごみが多く、伊勢湾の海洋汚染につながる新たなごみ問題と直面しています。
名古屋市民を中心として定期的にごみ拾いイベントが開催され、環境保全の取り組みが行われているのです。
悪質な不用品回収業者には気を付けましょう
不法投棄や高額請求などトラブルの多い悪質な不用品回収業者。
なかでも高齢者を狙ったケースが多く、消費者センターや自治体に相次いで相談が寄せられています。
万が一、悪質な業者に不用品回収を依頼してしまうと、きちんとリユース・リサイクルを行ってくれず、環境に悪影響を及ぼすことになるかもしれません。
以下のような特徴があると、悪質な回収業者の可能性が非常に高いです。
- 「無料で引き取ります」と宣伝している巡回車
- 拠点やホームページがない
- リサイクル券の控えや領収書を渡してくれない
一方で、信頼できる不用品回収・買い取り業者をきちんと選ぶためには、こちらの3点をチェックすることをおすすめします。
- リユースに必要な「古物商許可」を取得しているか
- 家庭ごみの回収・廃棄に必要な「一般廃棄物収集運搬業許可」を取得しているか
- 料金体系がわかりやすく、事前に詳細な見積もりをしてくれるか
この他にも、ホームページが充実していることなどが判断基準となるでしょう。
不用品回収・買い取り業者に依頼してリユース・リサイクルするメリット
ここでは、優良な不用品回収・買い取り業者でリユース・リサイクルをするメリットを紹介します。
CO2排出量の削減に貢献
リユース・リサイクルの選択肢が幅広い不用品回収・買い取り業者なら、ごみを焼却する際に発生する二酸化炭素の排出量削減に貢献できます。
これは、SDGsの目標13「気候変動について考えよう」に当てはまる問題でもあり、地球温暖化や生態系の変化に大きく影響することです。
節電や節水といった日常生活の見直しを行うことも大切ですが、不用品回収を依頼するだけで環境保護につながるので負担に感じることも少ないでしょう。
貴重品を見つけてくれる
ごみ屋敷・遺品整理や断捨離などで、大量の不用品回収・買い取りをお願いする方も大勢いらっしゃいます。
そうした不用品回収の作業中に、本人やご家族の大切な貴重品が見つかることも少なくありません。
- 鍵
- 現金
- 通帳、印鑑
- 宝飾品
- ブランド品
など、ポケットやタンスのすき間なども丁寧にチェックするので、大切な失くしものの捜索をお願いすることができます。
高価買い取りで回収費が安くなる
優良な不用品回収・買い取り業者は、幅広い商品に目利きのある査定スタッフが在籍しています。
そのため、一般的には「これも売れるの?」と思うようなものでも高く買い取ってくれることがあるのです。
リユースできる不用品が多いと、不用品回収の費用が安くなるのでお得に依頼できるでしょう。
自分では売れないものも買い取りしてくれる
リユース・リサイクルに強い不用品回収・買い取り業者なら、自分一人で出品するよりも買い手がすぐに見つかるので、ごみにならずに済みます。
特に、海外貿易をしている回収業者を利用すれば、リユースできる不用品が一気に増えるでしょう。
国内のリサイクルショップと提携しているところなら、再販売のルートやノウハウも持っているので安心です。
社会貢献できる
リユース・リサイクルは、ごみを減らすだけでなく、世界中の困っている人たちの役に立ちます。大切にしていたおもちゃや、サイズアウトした洋服などは、ごみにせず必要としている人に届けましょう。
社会貢献につながると思えば、ご自宅の不用品を見直して、すっきりとした気持ちで断捨離できます。
時間も手間もかからない
リユース・リサイクル・ごみの分別は、自分一人で頑張ろうとすると、時間がかかり途中で面倒に感じることも少なくありません。
優良な不用品回収・買い取り業者に依頼すれば、面倒な工程は一切なくなります。
- 不用品からリユースできるものを選ぶ
- 売れる商品を探す
- オークションに出品する
- 粗大ごみの処分をする
- リサイクルの申し込みをする
など、慣れない作業はプロに全部おまかせできるので楽です。
まとめ:不用品の行方やごみ問題を知って、適切な不用品回収・買い取り業者におまかせしましょう!
不用品は、廃棄物を減量化するために、さまざまな場所でリユース・リサイクルされて活躍します。
持続可能な社会を実現するために、不用品は信頼できる回収業者に依頼して手放しましょう。
愛知・名古屋に拠点のある片付け専門業者「ラクタス」では、グループ会社の「買取いちばんドットコム」「出張回収センター」と協働し、高価買取に豊富な実績があります。
買取いちばんドットコムでは、寄付された不用品をミャンマーなどの発展途上国に輸出し、一部はワクチンとして届ける事業「ユースマイル」も始まりました。
ほかにも、リサイクル業者との提携や、海外貿易など商品に合った販売ルートを確保しているため、お家の不用品を全ておまかせいただけます。
遺品整理やごみ屋敷の片付けも一緒に対応できますので、まずは無料のお見積りでお気軽にご相談ください!