更新日:2023年3月22日
掃除や洗濯などに欠かせない「洗剤」ですが、使い切れず余ってしまい、どう処分したらよいかわからないという経験はありませんか?
例えば香りの合わなかった柔軟剤や、お中元などでいただき余ってしまった洗剤など、捨て方がわからずにそのまま放置している…なんてことがあります。
しかし、洗剤にも使用期限があり、開封していなくてもあまりに古くなった洗剤を使用するのはおすすめできません。
古い洗剤は洗浄力が落ちる、肌がかぶれるなどの影響があると言われており、開封したものならなおさらです。
また、洗剤のボトルやケースは意外に場所を取るため、使用していない洗剤は早めに処分するほうが収納スペースもスッキリしますよね。
今回は不要になった洗剤の処分方法を種類ごとに詳しく解説していきます。
洗剤を捨てるときの注意点もお伝えしますので、是非参考にしてみてください。
目次
洗剤の種類とその処分方法
洗剤と一口に言っても、用途によって固形、液体などさまざまな種類がありますよね。
洗剤の処分は基本的にはどれも「可燃ごみ」となりますが、洗剤の形状によって捨て方が少し異なります。
粉洗剤や固形洗剤の捨て方
洗濯用の粉洗剤やジェルボールのような固形洗剤は、そのまま「可燃ごみ」で捨てることができます。
洗剤が入った容器も可燃ごみの対象であれば中身が入ったまま捨てることもできますが、紙製・プラスチック製ともに自治体によって処分方法が異なります。
例えば名古屋市では以下のように定められています。
- 洗剤の容器(プラスチック製)…資源ごみ(プラ容器包装)
- 洗剤の紙箱…資源ごみ(紙製容器包装)
名古屋市では洗剤の容器の種類に関わらず、中身の洗剤だけが可燃ごみで処分するということになります。
ほかの自治体ではプラスチック製の容器が可燃ごみになる場合もあるため、お住まいの地域のルールを確認してください。
液体洗剤の捨て方
もともと洗剤は水で洗い流すものであるため、液体洗剤が少量ならトイレやシンク、洗面所から流してしまっても大丈夫です。
このとき一気に流すと泡が立ったり詰まったりすることもあるため、水を流して洗剤を薄めながら少しずつ捨てるようにしましょう。
捨てる液体洗剤の量が多い場合、そのままトイレやシンクに流すのはおすすめできません。
洗剤や柔軟剤を原液のまま大量に流すということは水質汚染への影響が大きいからです。
その場合、何回かに分けて流すという方法もありますが、一気に捨ててしまいたい場合は「可燃ごみ」で捨てる方法もあります。
しかし、粉や固形と同じようにそのままごみ袋に入れるわけにはいきません。
漏れないよう二重にしたビニール袋に不要な新聞や布を入れ、そこに洗剤を染み込ませてからごみ袋に入れて捨てます。
この方法はシャンプーや化粧品など、液体を捨てるときに使えるため覚えておきましょう。
洗剤の性質に注意
洗剤は形状だけでなく性質にも違いがあり、混ぜてはいけないものや、取り扱いに注意が必要なものがあります。
洗剤の液性を知り、捨てる際には以下の点に注意してください。
混ぜてはダメなもの
「塩素系の洗剤」と「酸素系の洗剤」は混ぜてはいけないため、処分する際には注意してください。
塩素系洗剤には必ず「混ぜるなキケン」と表記されていますが、酸素系の洗剤と混ざることで有毒ガスである塩素ガスが発生し、吸い込むと命の危険もあります。
排水口に流す場合、可燃ごみとして袋に入れる場合のどちらとも、1種類ずつ捨てるようにしましょう。
同時に流していなくても排水口の中にたまっていた他の洗剤と混ざり、有毒ガスが発生したケースもあるため、作業は慎重に行ってください。
- 塩素系洗剤…カビキラー・キッチンブリーチ・ハイターなど
- 酸素系洗剤…ワイドハイター(洗濯用)・ブライトなど
酸性・アルカリ性洗剤はそのまま流すと水道管が痛む可能性も
酸性、アルカリ性の洗剤は金属腐食性があり、そのまま流してしまうと水道管の腐食や故障の原因になります。
ビニール袋に入れて可燃ごみで捨てる場合にも、ビニールが破れる可能性もあるため、どちらも水で薄めてから捨てるようにしましょう。
ちなみに、カビキラーなどの「塩素系漂白剤」もアルカリ性洗剤の一つです。
先ほど「混ぜてはいけない洗剤」としてお伝えしましたが、塩素系洗剤も原液のまま流すと配管を痛める可能性があります。
トイレやシンクへ流して捨てる場合やビニールに入れて捨てる場合には、水で薄めて捨てるようにしましょう。
- 酸性洗剤…バスマジックリン・サンポール・クエン酸など
- アルカリ性洗剤…マジックリン・セスキの激落ちくん密着泡スプレーなど
洗剤の使用期限は?
冒頭でもお伝えしたように、実は洗剤にも使用期限があります。
しかし洗剤の容器には使用期限が書かれていません。
これは「適切な保存状態のもとで3年を超えて性状および品質が安定なものは使用期限を書かなくて良い」と薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で定められているためで、多くの洗剤は製造3年以上経っていても製品に問題がないことがわかります。
ただし、これはあくまで「開封前」の状態のことで、開封した場合は1年以内に使い切るのが目安となります。
1年以上、または開封前では3年以上経ったものは洗浄や除菌などの効果が劣ることや、香りの変化などがメーカーから指摘されています。
ほかにも古くなった粉洗剤は固まることや溶けにくくなることがあり、洗濯したとき衣類に洗剤が残ってしまうことも。
衣類に残った洗剤は肌に触れるとかぶれの原因にもなるため、心配な場合は使用しないほうがよいでしょう。
洗剤を捨てたあとの容器の処分方法
洗剤を捨てたあとの空容器は、素材によってというよりも自治体によって異なります。
洗剤の捨て方のところでも少しお伝えしたように、プラスチックや紙が「可燃ごみ」なのか「不燃ごみ」あるいは「資源ごみ」なのかによって処分方法が違ってきます。
ここでは紙製容器、プラスチック製容器、詰め替え容器の処分方法について詳しく解説します。
紙製容器の捨て方
粉洗剤の多くは紙製の容器に入っていますが、プラスチック製容器と同じように「可燃ごみ」か「資源ごみ」(紙製容器包装)で回収することがほとんどです。
リサイクルができる紙製容器包装には「紙マーク」がついていますので、見分けるときにはこのマークで判断してください。
ただし紙マークがついているものでも、極端に汚れがある場合は可燃ごみで捨てるようにしましょう。
プラスチック製容器の捨て方
洗剤、ハンドソープ、シャンプーなど、ボトルの容器は一般的にプラスチックでできており、ほとんどの容器には「プラマーク」がついています。
プラマークのついたプラスチック製の容器は「資源ごみ」としてリサイクルを行う自治体がほとんどです。
多くの自治体では容器包装リサイクル法に基づき、いらなくなったプラスチック製容器包装を資源として分別・回収・リサイクルするため「資源ごみ」や「プラスチックごみ」で回収しています。
例えば名古屋市では、中身をすすぎ空になったプラスチック製容器包装は資源用指定袋に入れて捨てるようにします。
しかし、自治体によってはプラスチック製の容器を「可燃ごみ」として回収しているところもあります。
可燃ごみとして処分できる場合は、中身をすすいだ容器を自治体指定の燃えるごみ袋に入れて捨ててください。
また、そのような地域でも今後はリサイクルが開始される可能性があるため、案内やお住まいの地域の分別ルールを確認しましょう。
詰め替え容器の捨て方
詰め替え容器はプラスチック製容器の捨て方と同じということがほとんどです。
詰め替え容器の場合にも「プラマーク」がついていることが大半で、その場合は「資源ごみ」として捨てることができます。
しかし、詰め替えの容器は中身を全て出し切ることや洗うことが難しく、少量の洗剤が残ってしまうことも。
洗剤が残ったものは回収後の作業中に他の資源ごみを汚したり、リサイクルできなかったりすることもあるため、汚れているものは可燃ごみで出すようにしましょう。
また、プラスチック製容器を「可燃ごみ」で処分する自治体は詰め替え容器も可燃ごみで処分することになります。
不要な洗剤を有効活用しよう
不要になった洗剤を捨てずに、他の用途に活用することもできます。
洗剤の性質を知ることで、どの用途に使うと効果的なのかもわかるため、ご紹介します。
洗剤の液性を知る
「液性」とは溶液中の水素イオン濃度pH(ペーハー)のことで、洗剤容器の液性欄に「中性」「酸性」「アルカリ性」などと表示されています。
pHは0~14までの数値で表し、pH値と「液性」「洗浄力」との関係は以下のとおりです。
液性を知っておくと、その用途や手肌への安全性も知ることができます。
pH11以上…アルカリ性
pH8~11…弱アルカリ性
pH6~8…中性
pH3~6…弱酸性
pH0~3…酸性
- アルカリ性(油汚れ・皮脂汚れに有効)…アルカリ性が強い洗剤ほど洗浄力が強くなり、素材や肌への刺激も強くなる
- 中性(軽い汚れに有効)…洗浄力は弱めだが、素材や肌への刺激も弱いので安心して使える
- 酸性(水垢・石鹸カス・尿石に有効)…酸性が強い洗剤ほど洗浄力が強くなり、素材や肌への刺激も強くなる
洗濯用洗剤はお風呂の掃除に使用
洗濯用洗剤は弱アルカリ性か弱酸性のものがほとんど。
液体、粉状ともにスポンジに含ませてからお風呂の床や壁を掃除すると、黒ずみや水垢を落とすことができます。
鏡やシンクなども使用できるので水垢を落とすのに使用してみてはいかがでしょうか。
ただし泡立ちがよいため少量ずつ使用することと、原液のまま使うときには手袋を使用することをおすすめします。
食器用洗剤は軽い汚れ落としに使用
食器用洗剤は中性または弱アルカリ性のものが多く、軽い汚れであれば油や水垢を落とすことができます。
化粧用のスポンジを洗うのにも使えますし、眼鏡やアクセサリーの皮脂を落とすのにも有効です。
また、水で薄めたものを雑巾がけに使用すれば床や壁の黒ずみを落とすこともできます。
ただし、その際は雑巾がけのあとに水拭きと乾拭きをしっかり行うようにしましょう。
柔軟剤は用途がいろいろ
柔軟剤は液性の表示がないことも多いですが、一般的には中性に近い弱酸性です。
消臭効果や静電気防止効果があるという特徴を持っているため、実はさまざまな用途があります。
柔軟剤2に対し水8で薄めてカーテンやカーペットにスプレーをすると、消臭以外にも静電気防止効果により埃を寄せ付けにくく、カーペットなどのふんわり感を保つこともできます。
中性または弱酸性なので家具にも使用でき、水で薄めた柔軟剤で雑巾掛けをすると家具に埃がつかなくなりますよ。
香りが気に入っているという方はクイックルワイパーなどのお掃除シートに柔軟剤を少量吹きかけることで、掃除をしながら部屋に良い香りが漂うためおすすめです。
余った柔軟剤が好みの香りでないという人は掃除に使うと香りが残りません。
カルキ汚れが落ちるため、シンクなどの水回りに使用するとピカピカになります。
まとめ
ほとんどの場合、洗剤は固形や粉なら「可燃ごみ」、液体であっても布や新聞紙に含ませビニール袋へ入れれば「可燃ごみ」で捨てることができます。
しかし、液体洗剤の場合シンクやトイレに流す方法のほうが簡単で、すぐに処分できる方法なので便利ですよね。
流して捨てるときには環境や体に影響の出ないように「少量ずつ、水に薄めながら」という方法を守るようにしてください。
また、環境のことを考えればなるべくなら洗剤を捨てず、使い切りたいもの。
「衣類用」「食器用」「トイレ用」「お風呂用」など、たくさんの種類の洗剤を購入し、使い切れないのなら、一つの洗剤をさまざまな用途に使い回すことを考えてみませんか?
なるべく洗剤を廃棄せず、使い切れるようにすることで地球環境を守ることにも繋がりますよ。
2023-03-13