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投稿日:2023年3月31日
更新日:2023年3月30日

石油ファンヒーターやストーブで使う「灯油」、中途半端に残っていませんか?
そのまま捨てにくい灯油は、回収してもらう場所や処分方法について迷う方も多いです。
誤った認識で灯油を処分してしまうと、自分だけでなく周囲を巻き込む事故になるかもしれません。
この記事では、灯油の間違った捨て方や扱う時の注意点、正しい処分方法などを一気に紹介します。
灯油の処分に困っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

去年の灯油は使っても良い?使用期限はある?

「一年前の灯油は使えるの?」「何か問題が起こらないか心配」
灯油がいつまで安全に使用できるのか、悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
安い時期に灯油をまとめ買いしたり災害用として保管したりなど、長期間保管したいと考えている方も多いのではないでしょうか?
灯油には、明確な使用期限がありません。
しかし、適切に保管していないと劣化しやすいため、コスモ石油ではワンシーズンで使い切ることが推奨されています。
また石油連盟では、正しく保存しても「6カ月後」までに使用するように注意喚起されているため、目安として知っておきましょう。

灯油の適切な保管方法、劣化する原因とは

灯油は、涼しくて暗い場所かつ湿度が低い室内で保管するようにしましょう。
以下のような条件が重なると、灯油は6カ月も持たずに劣化してしまいます。

  • 直射日光が当たる場所
  • 雨や湿気にさらされやすい場所
  • きちんと密閉されていない

灯油は、紫外線や湿気に弱い性質を持っているため、保管場所が悪いとすぐに酸化してしまいます。
ポリタンクの容量に対して灯油が少ししか残っていない状態も、空気に触れる部分が大きいため酸化しやすいです。

劣化した灯油の見分け方とは?不良灯油に注意

適切に保管されていなかった灯油は、「不良灯油」となり使い物にならなくなってしまいます。
劣化した灯油を見分けるには、見た目と臭いに注意してください。

問題なく使える灯油

・無色透明
ごみや水など混濁していない
・灯油の臭い

変質灯油

・黄色~茶色に変色
・酸っぱい臭い

不純灯油

・水が混入し二層になっている
※ガソリン、軽油など他の油が混入していると見分けがつかない

古い灯油を使用するリスク

万が一古くなった灯油に気付かず、ファンヒーターなど暖房器具に使うと、どういったことが起こるのでしょうか?
国民消費者センターでは、以下のような検証結果が確認されています。

  • 着火不良
  • 緊急消火ボタンの故障
  • 刺激臭の強い煙の発生

これらは、酸化した灯油によるタールの堆積が原因です。
また、水が混入した灯油を石油ストーブで使用すると、内部がサビて作動不良が起きることも。
誤って使用すると、暖房器具を修理するはめになったり、買い替えたりとお金も手間もかかってしまいます。

注意!灯油の間違った扱い方・捨て方

灯油は、消防法で「危険物」に指定されており、取り扱いには十分に注意しなければなりません。
ここでは、勘違いしやすい灯油の扱い方・捨て方について紹介します。

灯油をペットボトルやビンに入れる行為はダメ

灯油を一時的にでもペットボトルやビンに入れてはいけません。
なぜなら、灯油入りのぺットボトルやビンによって、乳幼児や大人の誤飲事故が実際に起こっているからです。
消防法では、一定の基準を満たした「JISマーク」の表示がある容器を使用して保管することを推奨しています。基準に満たない容器を使用すると、「3カ月以下の懲役または30万以下の罰金」が課せられることも。
家族など周囲の人に配慮して、灯油の扱いに気をつけましょう。

灯油を凝固剤を使って処分してはいけない

灯油を、使用済み油の凝固剤で固めることはできません。
市販の凝固剤は、料理で使用した油にいれて使用するもので、灯油に適さないからです。
灯油を固めようと温めると、引火してヤケドなどの事故につながりかねません。
固めた灯油を燃えるごみとして捨ててしまうと、ごみ収集・運搬中の火災リスクも高くなります。

灯油を素手で扱うと危険

石油ファンヒーターやストーブなどに灯油を入れるときに、少しだからと素手で触って要る方も少なくありません。
しかし素手で灯油を触ると、接触皮膚炎や多臓器障害など重篤な症状が生じる危険があるため絶対に控えましょう。
灯油が衣類などに染み込んでしまうと、空気と触れ合う面積が広がり、ヤケドの状態になることも。
普段から手袋をつけて灯油を扱うことを徹底して、安全に処分しましょう。

灯油を下水・河川に流す行為はダメ

灯油は少しの量であっても、下水や河川に流してはいけません。
トイレやキッチンなどの排水口から流すと、灯油特有の臭いによってすぐに近隣住民や管理会社にバレます。
また、外の側溝や排水管に流すと、引火・爆発事故が起きる可能性が非常に高いです。
破損した場合は、下水道法に則り、修繕費用を支払わなければなりません。
さらに、灯油を下水や河川に流すことは、不法投棄となり下記の法律にも抵触する行為です。

  • 河川法
  • 廃棄物処理法

灯油を流すと水質汚染や生態系への影響など深刻な環境破壊につながってしまうため、ルールを守って処分してください。

灯油を土に埋める行為はダメ

灯油を庭の土に染み込ませたり、穴を掘って埋めたりするのは、間違った捨て方です。
給油所跡地などでは、土壌汚染に有効な微生物を活性化させて灯油の成分を浄化する特別な方法で処分できるところがあります。
しかし一般家庭の庭や空き地では、灯油の土壌分解は難しいため、不法投棄となり違反です。
万が一、タバコがポイ捨てされた場合、引火してしまうかもしれません。

少量の灯油の正しい捨て方

余ってしまった灯油は、ポリタンクに保管しても酸化しやすいため、シーズン中に捨てることが望ましいです。
ここでは、少量の灯油の正しい捨て方を紹介します。

暖房で使い切る

少量の灯油は、来年に持ち越さないためにも全て使い切ることが最もおすすめの方法です。
名古屋市をはじめとする多くの自治体において、灯油は処分できません。
石油ストーブを処分したい場合、中に灯油が残っていると発火する恐れがあるため、使い切るようにしてください。
ストーブの芯を空焼きして、タール等の汚れをきれいに取り除きましょう。こまめにメンテナンスを行えば長持ちします。

燃えるごみとして処分

一部の自治体では、少量の灯油を燃えるごみとして処分できます。
愛知県豊明市では、少量の灯油は、紙や布・新聞紙などに染み込ませて「可燃ごみ」として処分できるという記載がありました。
しかし、布などに染み込ませた灯油は、たばこの吸い殻などのごみと合わさると、何らかの拍子で引火する恐れがあります。
心配な方は、自治体に確認してから処分しましょう。

ファンヒーターの灯油の抜き方

ファンヒーターは、タンク内の灯油を使い切っても、底の方に少量の灯油が溜まっていることがあります。
古い灯油は故障の原因となるため、しっかり抜いてから片付けましょう。
灯油を抜くために、用意するものはこちらです。

  • 掃除用手袋
  • キッチンペーパー、新聞紙
  • スポイト
  • 受け皿

ファンヒーターの正しい灯油の抜き方は、下記の手順です。

  1. 新聞紙を敷いた床にファンヒーターを置く
  2. 灯油タンクを外して、底のフィルターを確認する
  3. 残っている灯油をスポイトやキッチンペーパーで除去する
  4. きれいに拭いてフィルターと灯油タンクを元に戻す

作業が終わった後の灯油を拭き取った新聞紙などは、自治体のごみ分別ルールに従って、燃えるごみとして処分してください。

灯油をこぼした時の対処法

灯油を処分する際に溢れてしまった場合、どのように片付ければ良いのでしょうか?
独特な臭いのする灯油がついた雑巾を、他の衣類と一緒に洗濯すると臭いが移ることもあります。
適切な初期対応や素材別の対処法を把握して、安全に灯油を処分しましょう。

火元の確認・換気を徹底する

灯油をこぼしたら、まずは近くの火元を消して、換気を徹底してください。
窓を閉め切った部屋で片付けていると頭痛や吐き気、嘔吐など具合が悪くなることがあります。
灯油は揮発性の成分なので、換気をして風通しを良くすることで臭いも消えやすいです。
こぼした後に一時的にでも放置すると、石油の臭いが残ってしまうため、すぐに拭き取るようにしましょう。

フローリングに灯油をこぼした時

フローリングに灯油をこぼした時は、布やペーパタオルで軽く押さえるようにして拭きます。
強く擦りすぎてしまうと、ワックス成分が溶けてしまうので注意してください。
灯油を拭き取った後は、以下の手順できれいにします。

  1. ぬるま湯で薄めた中性洗剤をスポンジにつける
  2. フローリングをスポンジで軽くなでる
  3. 水で固く絞った雑巾で拭き取る
  4. 乾拭きする
  5. 必要に応じてワックスがけをする

フローリングの材質によっては灯油で変色する場合もあるため様子を見ながら行うと安心です。

畳に灯油をこぼした時

畳に灯油をこぼしてしまうと、最悪の場合シミになってしまい張り替えなければなりません。
速やかに対処して、被害を最小限に抑えましょう。
手順は以下の通りです。

  1. 小麦粉や重曹をまく
  2. 掃除機で吸う
  3. 消毒液(エタノール)で拭く
  4. 水で固く絞った雑巾で拭く
  5. 乾拭きする
  6. 新聞紙をかぶせて重しを乗せる

ポイントは、すぐに小麦粉・重曹をふりかけることです。
内側に染みてしまう前に、灯油の成分を吸い取ることで後始末が楽になります。

カーペットや衣類に灯油をこぼした時

カーペットや衣類など布製品に灯油をこぼしてしまったら、まずは新聞紙などで灯油を拭き取ります。
すぐに洗濯機を使わずに、まずは中性洗剤で手洗いをすると良いでしょう。
カーペットなど、大きくて手洗いが難しい場合は、日陰干しで臭いを揮発させることが有効です。
また、どうしても灯油が取れない衣類は、ドライクリーニングに出すことも検討してください。
ドライクリーニングは、油汚れに効果的な有機溶剤を使用しているので、普通の水洗いよりも汚れが落ちやすいです。

大量に余った灯油の捨て方

去年の変色した灯油や、使い切れず大量に余ってしまった灯油は、ストーブなどで消費できず捨て方に困りますよね。
ここでは、たくさん残った灯油の捨て方を紹介します。
自分に合った方法で適切に灯油を処分しましょう。

ガソリンスタンドで回収してもらう

不良灯油や使い切れずに余った灯油は、ガソリンスタンドで回収してくれます。
コスモ石油では、フルサービスのサービスステーションで依頼できますが、地域により対応が異なる場合があるようです。
お近くで灯油の無料回収をしてくれるガソリンスタンドは、下記から検索してください。

コスモ石油│サービスステーション検索

また、エネオスでは、購入したサービスステーションまたは販売店で灯油回収の相談を受け付けています。近くの店舗で廃油処理を受け付けているかどうか事前に確認してから持っていくと良いでしょう。
近所に灯油処分に対応してくれるガソリンスタンドがあり、自分で持ち込める方にはおすすめの処分方法です。

購入したホームセンターに依頼する

ホームセンターで灯油を購入した方は、回収を依頼することが可能です。
ビバホームは、店舗で購入した方を対象として古い灯油を無料回収してくれる店舗があります。
コーナンでは、灯油缶の無料引き取りなら対応可能です。
灯油缶を一つ購入した場合、1点回収してくれるサービスなので、お近くにある場合は利用しましょう。
灯油の購入レシートを保管している人や、新しい灯油をホームセンターで購入する予定のある方におすすめの処分方法です。

家族や友人に譲る

きれいな状態で余った灯油は、シーズン中に家族や友人に灯油を譲るという方法もあります。
春先でも朝晩は冷え込むため、灯油を必要としている人に早めに譲れば喜ばれるでしょう。
持ち運ぶ際は専用のポリタンクをしっかり締めて、こぼれないようにしてください。
相手に灯油の量を事前に伝えて、無理に譲らないように配慮する必要があります。

不用品回収業者に依頼する

灯油は不用品回収業者が回収してくれる場合があります。
ただし灯油は危険物扱いのため、危険物取扱者丙種以上の資格を持っているスタッフがいることが条件です。
不用品回収業者に依頼すれば、数千円以上の費用はかかりますが、不要になった灯油ポリタンクやガスストーブなどもまとめて回収してくれるので手間がかかりません。
近所に灯油回収を依頼できるガソリンスタンドやホームセンターがない場合は、不用品回収業者に運搬・処分をおまかせましょう。

ポリタンクや灯油ポンプ、暖房器具の捨て方

古いポリタンクや壊れた灯油ポンプの捨て方について紹介します。
灯油を使わなくなり、暖房器具も一緒に処分したい方もチェックしてください。

ポリタンクの捨て方

灯油ポリタンクは、自治体で処分できます。
交換時期の目安は「製造日から5年」となっており、それ以上長く使用すると灯油の質が劣化してしまいます。
分別は、地域によって下記のように異なるため、地域のホームページなどで確認しましょう。

  • 名古屋市:粗大ごみ
  • 東海市:硬質プラ
  • 稲沢市:不燃ごみ

「物置にたくさんあって、まとめて処分したい」という方は、清掃センターに持ち込むか不用品回収業者に依頼する方法がおすすめです。
ただし、名古屋市では、土日は処理施設への持ち込みができません。祝日は混雑するため、急ぎでない限りは持ち込みを控えるようにと呼びかけているため、注意してください。

灯油ポンプの捨て方

灯油ポンプは、自治体で処分できますが、手動と電動によって捨て方が異なります。

  • 名古屋市:灯油給油ポンプは「可燃ごみ」、30cm角を超えるものは「粗大ごみ」
  • あま市:手動式灯油ポンプは「可燃ごみ」、電動式灯油ポンプは「不燃ごみ」または「小型家電」

灯油ポンプは、プラスチック製なので屋外に置いていると劣化しやすいです。
使っている最中に破損して、灯油が漏れてしまうなどトラブルが起こる前に、早めに交換しましょう。

石油ストーブ・ファンヒーターの捨て方

石油ストーブやファンヒーターなどの暖房器具は、自治体で粗大ごみとして処分できます。
名古屋市での粗大ごみ手数料は下記の通りです。

  • ストーブ:500円
  • ファンヒーター:1,000円

暖房器具は、「電池」と「灯油」は抜いて、別々に処分する必要があります。
しかし、故障していない暖房器具の場合、自治体にごみとして処分するのはもったいないかもしれません。
不用品回収・買取業者に依頼すれば、リユース品として買い取ってもらえるので、お得に処分できます。

まとめ:危険物である灯油はルールを守って安全に処分しましょう!

灯油は、消防法で保管容器や扱いについて厳しく定められている危険物です。
自治体では、大量の灯油をそのまま処分できないため、ガソリンスタンドやホームセンターに問い合わせて回収を依頼してください。
劣化したポリタンクや灯油ポンプなど不用品がたくさんある方は、不用品回収業者に依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。

  • 急な引っ越しや遺品整理で大量の不用品がある
  • まだ使えるストーブやファンヒーターを買い取って欲しい
  • 自治体で処分するのが面倒、時間がない
  • 物置きから古いストーブやポリタンクが出てきた

このような方は、愛知・名古屋を拠点とする片付け専門業者「ラクタス」に全ておまかせください!
ラクタスでは、暖房器具の不用品買取や空になったポリタンクの回収から処分までまとめて対応可能です。
不用品回収サービスの一貫として、少量の灯油の処理や、灯油がこぼれた床のハウスクリーニング、ガソリンスタンドへの持ち込みなどもお手伝いいたします。
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