更新日:2023年5月8日
キッチンの中で汚れる場所、と言えば換気扇やシンク、そして「ガスコンロ」ではないでしょうか。
フラットで掃除がしやすいIHコンロに比べ、凹凸や部品のあるガスコンロは汚れたときの掃除がしにくいのが難点です。
また、火を使うことから五徳(ゴトク)などの部品に焦げが付きやすく、汚れやすいという点もあります。
一方で調理器具を選ばないことや火力の調整が簡単なこと、停電時にも使えるなどガスコンロのメリットはたくさん。
それに「ガスで調理したご飯はおいしい」という意見も多く、私も断然ガスコンロ派です。
しかしガスコンロを使い続けるには掃除も付き物。
ガスコンロは汚れが溜まりやすいですが、ただ拭いただけでは簡単に取れないことも多く、そのまま放置している方も多いのではないでしょうか。
今回はガスコンロの汚れ・焦げを自宅で簡単に落とす方法をご紹介しますので、是非参考にしてみてください。
目次
ガスコンロの汚れの原因とは?
そもそもガスコンロの主な汚れは3種類。
「食品による汚れ」「油汚れ」「焦げ付き汚れ」です。
それぞれ詳しく見ていきます。
食品による汚れ
調理中に食材や調味料がこぼれると、コンロに付着し、汚れや焦げとなってしまいます。
特に調味料として使用する「醤油」「砂糖」は付着すると酸化が進み、こびりついてなかなか取れません。
放置するとその上からまた新しい汚れが付着し、取れにくいだけでなく、変色や錆びの原因になることもあります。
油汚れ
油は揚げ物だけでなく、少量の食材を炒めるだけでも飛び散っていることがあります。
付着してすぐは拭き取ることもできますが、時間が経つと埃や食材のカスがくっつき、固くなってなかなか取れなくなります。
焦げ付き汚れ
飛び散ったりこぼれたりした食材や調味料が付着したまま調理を続けていると、それらが熱によって炭化し、焦げ付きへと変わります。
特にシチューやカレーなどは煮ているうちに吹きこぼれが起きやすいうえ、デンプン成分を含むため焦げが付きやすくなります。
焦げ付いた汚れは固くなるので落としにくく、削る・こそげ落とすなどの作業が必要になってきます。
ガスコンロの基本の掃除方法
ガスコンロは使用したらその都度掃除することが大切です。
面倒に感じるかもしれませんが、付着した食材や調味料をそのままにしておくと、汚れはどんどん成長し、取り除くことが難しくなります。
掃除の基本①使い終えたらサッと拭き掃除
まずは付着した汚れを拭き取ります。
このとき、油が付着してベタベタしているようなら重曹スプレー(重曹を溶かした水)やセスキ炭酸水スプレーなどを吹きかけ、キッチペーパーで拭き取りましょう。
油の拭き取りにも使えるキッチン用のウェットシートも活用してみてください。
掃除の基本②ガスコンロの材質や汚れの種類に合わせた洗剤を使用する
ガスコンロの材質や汚れの種類に適した洗剤を使うことで、汚れを落としやすくなります。
また、合わない掃除道具でガスコンロを傷めないように気を付けましょう。
ガスコンロの掃除に使用したいおすすめの道具と洗剤
定期的にガスコンロの掃除をするなら道具や洗剤を揃えておきましょう。
適した道具や洗剤を使うことで、汚れを落としやすくなりお手入れが楽になります。
ガスコンロの掃除に適した道具
ガスコンロの掃除には以下の道具があると便利です。
- ゴム手袋
- 布巾・雑巾など柔らかい布
- スポンジ
- 爪楊枝や竹串、古い歯ブラシ(細かい部分の掃除用)
- ビニール袋(つけ置き用)
- メラミンスポンジ(激落ちくんなど)
ガスコンロの掃除に適した洗剤
ガスコンロの汚れの大部分は「油汚れ」と「焦げ付き」によるもの。
汚れてすぐであればキッチン用の中性洗剤でも落とすことができますが、冷えて固まったあとの頑固な汚れは落とすのが難しくなります。
この汚れは「酸性の汚れ」となるので「アルカリ性」の洗剤を使用すると汚れを落としやすくなります。
ただしアルカリ濃度の強い洗剤は天板などを傷めてしまう恐れもあり、メーカーも使用をおすすめしていません。
- 重曹
- セスキ炭酸ソーダ水
- 中性洗剤
重曹
重曹は「弱アルカリ性」で、油汚れや焦げ付きを中和・分解して、落としやすくしてくれます。
ベーキングパウダーや入浴剤にも利用される安全性の高い物質ですので、食品を扱うキッチンの掃除にも安心して使用できますね。
また、消臭効果があるのも嬉しいポイント。
重曹の粉は粒子が細かく、水に溶けにくいという性質を持っているため、粉のまま使ったり、ペースト状にしたりと汚れの程度に合わせて使えるのもおすすめのポイントです。
ただし、ガスコンロの天板への使用は、天板素材に関係なく使用はできない(または推奨しない)とされています。
使用する場合は少しずつ様子を見ながら使用してください。
重曹を使った掃除方法は以下の通り。
粉状のまま | ・汚れ部分に振りかけてスポンジで擦る |
スプレー(重曹水を作る) | ・スプレーボトルに100mlの水に小さじ1杯の重曹を溶かす ・軽い汚れならスプレーを吹きかけて拭き取るだけでOK |
ペースト状にして塗り込む | ・大さじ2杯の重曹に大さじ1杯の水を加えてよく練り、ペースト状にする ・頑固な汚れにペーストを塗り込み、スポンジなどで擦って拭き取る(保存は不可) |
セスキ炭酸ソーダ水
セスキ炭酸ソーダは、重曹と炭酸ナトリウムで作られたアルカリ性の素材です。
こちらも天然由来の素材で、人体や環境に優しいもの。
重曹と同じ弱アルカリ性ですが、重曹に比べて濃度が濃いため洗浄力が強いことや、水に溶けやすいという特徴があり、付け置き洗いやスプレーにすることに適しています。
セスキ炭酸ソーダを使った掃除方法は以下の通り。
スプレー(セスキ炭酸ソーダ水を作る) | ・スプレーボトルに、水500mlとセスキ炭酸ソーダ小さじ1杯を入れて溶かす ・軽い汚れならスプレーを吹きかけて拭き取るだけでOK |
パック | ・キッチンペーパーを置き、セスキ炭酸ソーダ汚れ部分に水をスプレーしてパックする ・30分~1時間程度置いてから拭き取る |
つけ置き | ・二重にした大きめのゴミ袋に、50〜60℃のお湯+セスキ炭酸ソーダ大さじ3杯を混ぜる ・汚れが気になるパーツを入れて口をとじ、30分〜1時間ほどつけ置きする |
煮洗い | ・大きめの鍋にたっぷりのお湯とセスキ炭酸ソーダ大さじ5杯を混ぜる ・汚れが気になるパーツを入れ、15分程煮洗いする |
中性洗剤
中性洗剤は酸性より数値が高く、アルカリ性よりも成分が弱いためどんな汚れにも使うことができます。
ただし軽い汚れであればすぐに取れますが、時間が経った頑固な汚れになると中性洗剤で落とすのは難しくなります。
中性洗剤を使った掃除方法は以下の通り。
拭き取り | ・薄めた中性洗剤・水を含ませたスポンジ・布などで汚れたところを拭き取った後、洗剤や水が残らないように乾いた布で再度拭き取る |
ガスコンロの掃除に使用しないで!使用NGな道具と洗剤
以下のものはガスコンロの素材を傷める原因になるため、使用をおすすめできません。
ただし五徳や受け皿はクレンザーを使用しても大丈夫です。
特に粉末タイプのクレンザーは研磨効果があるので、鍋の底の焦げ落としにも使用できます。
- 金属たわし
- クレンザー(五徳・受け皿以外)
- 塩素系洗剤
- 強い酸性・アルカリ性洗剤
ガスコンロの各部と部位別の掃除方法
ここからはガスコンロの部位ごとに、適した掃除方法をご紹介します。
①天板
天板の素材は「ガラストップ」「ガラスコートトップ」「メタルトップ(ホーロートップ)」の3種類が主流になっています。
天板はなるべく傷を付けたくない箇所なので、どの素材であっても基本的には中性洗剤を使用することをおすすめします。
重曹の箇所でもお伝えしましたが、重曹やクリームクレンザーなどで掃除をすると、表面が傷つく可能性があるため使用しないほうがよいでしょう。
メタルトップに関してはメラミンスポンジの使用も推奨されていません。
長く、キレイな状態を保ちたいのであれば、市販の「ガラストップ専用クリーナー」を使うのがおすすめです。
日々のお手入れ | ・水または薄めた中性洗剤を布やスポンジに染み込ませて拭き取る |
月に1回程度 | ・セスキスプレー・セスキパックなどで汚れを落とす ・ガラストップ専用クリーナーで汚れを拭き取る |
②五徳(ゴトク)・受け皿
五徳や受け皿は火元が近く、汚れや焦げが付着しやすい箇所です。
まとめて簡単に汚れを落としたいときには「つけ置き洗い」がおすすめ。
また、ちょっとした汚れを手軽に落としたい時はメラミンスポンジを使用してみましょう。
日々のお手入れ | ・水または薄めた中性洗剤を布やスポンジに染み込ませて拭き取る ・クリーナークレンザーや重曹をペースト状にして擦り拭き取る |
1~2週間に1回程度 | 1.大きめのビニール袋にお湯で作った重曹水またはセスキ炭酸ソーダ水を入れる(または鍋に入れて加熱してもよい) 2.五徳や受け皿を入れて30分~1時間放置する 3.取り出した五徳と受け皿を水で洗う 4.残った汚れをスポンジや歯ブラシなどで擦る 5.よく乾かす |
③バーナー(バーナーリング・キャップ)
バーナーは月に1回程度の掃除が目安です。
バーナーキャップを掃除後に再度取り付ける場合は、傾きや浮きがないか確認し、点火した炎が正しく出ているかをチェックしましょう。
月に1回程度 | 1.バーナーキャップを取り外し、歯ブラシや竹串を使って目詰まりを除去する 2.取り外せるパーツは重曹水やセスキ炭酸ソーダ水でつけ置きする 3.取り外せない部分は、薄めた中性洗剤や重曹を含ませた柔らかい布やスポンジを使って汚れを拭き取る 5.頑固な汚れがある場合、柔らかい歯ブラシで優しくこすり洗いする 6.水洗いや乾拭きで洗剤をしっかり取り除き、よく乾かす |
④機器表面・操作部
日々のお手入れ | ・気付いた時に水拭きする |
週1回程度 | ・中性洗剤を含ませた布やキッチンペーパーで拭き取る |
⑤グリル
グリルは魚や肉を焼くたびに油が網や受け皿に付着し、放置しておくと油が固まって落としにくくなります。
なるべく使うたびに洗うようにしましょう。
使う都度 | ・受け皿・焼き網は中性洗剤で洗う |
頑固な汚れがあるとき | 1.バケツか大きめの袋に40℃くらいの重曹水を入れる 2.受け皿・焼き網を入れ、30分程度つけ置きする 3.つけ置きしている間、薄めた中性洗剤を含ませた柔らかい布やスポンジで、グリル庫内を拭き掃除する 4.つけ置き後、受け皿や焼き網に残った汚れをメラミンスポンジでこすり落とす 5.パーツをよく水洗いする 6.よく乾かしてから元の位置に戻す |
グリル庫内 | ・軽い汚れは、布やスポンジに薄めた中性洗剤を含ませて拭き取る ・ガンコな汚れは薄めた中性洗剤を含ませた布かスポンジで、庫内の側面や底面を湿らせてしばらく放置し、汚れを浮かしてからふき取る |
⑥排気カバー
排気カバーは五徳や受け皿の掃除のときに一緒に行うとよいでしょう。
使用したあとは熱くなっているため、冷えているか確認して行うようにしてください。
1~2週間に1回程度 | 1.排気口カバーを取り外し、中性洗剤で丸洗いする 2.汚れがひどい場合は、重曹水につけ置きする 3.排気口の中に落ちている食品カスがあれば取り除く 4.お手入れ棒を作る(割り箸に水や重曹水を染み込ませたキッチンペーパーを巻き付けて、ゴムでしばる) 5.お手入れ棒で排水口の中の汚れを拭き取る 6.カバーと排水口をよく乾かしてから元の位置に戻す |
日々のお手入れを簡単にする方法
ガスコンロは毎日使う人が多いもの。
使うたびに掃除をすれば汚れや焦げがつきにくくなる…とわかってはいても、忙しくてつい放置してしまうこともありますよね。
しかし、汚れや焦げがつきにくくする方法もあるので、日々のお手入れがめんどくさい!という方は是非試してみてください。
グリルの焼き網に薄く油を塗っておく
焼き網で魚や肉を焼くと、皮などがくっついてボロボロになってしまうことありますよね。
キレイに焼けないだけでなく、その後の掃除が大変に。
しかし、焼き網で調理する前に熱しておき、薄くサラダ油を塗っておくと、肉や魚がくっつきにくなります。
グリル庫内は掃除後に空焼きする
グリル庫内は油が飛び散っていますが掃除がなかなかしにくい場所です。
日々の手入れを楽にするためにも、掃除が終わったら5~10分ほど空焼きをするのがおすすめです。
しっかり焼ききることで庫内に汚れがつきにくくなり、今後のお手入れがとても楽になります。
グリルの受け皿の汚れは片栗粉で防止
調理前の受け皿に片栗粉と水を入れるだけで簡単に汚れが取れる方法です。
この方法を知っておくと、油でベタベタのグリルを洗わずに済みます。
手順は以下の通り。
- 受け皿に水と片栗粉を混ぜ入れてから食材を焼く(水200mlに対し片栗粉大さじ4杯が目安)
- 冷めるまで待つ
- 冷めると片栗粉水はゼリー状に固まるので、剥がして捨てる
- 軽く洗う
焦げ防止シートを使う
ガスコンロの天板部分の汚れや焦げ付きを防止したいなら「焦げ防止シート」の使用がおすすめです。
貼るだけ(敷くだけ)という手軽な方法なうえ、汚れがひどくなったら取り換えるだけなのでお手入れが簡単。
色々なメーカーから売られていますので、気に入ったデザインのものを選ぶとキッチンに立つのが楽しみになりますよ。
どうしても取れない汚れはプロに任せよう
ガスコンロの焦げや汚れはゴシゴシ力を入れて掃除しないと取れないイメージもありますが、洗剤や道具を上手く使うことで楽に落とすこともできます。
専用の焦げ落とし用グッズや洗剤なども販売されていますが、重曹やセスキ炭酸ソーダ水は手肌や環境に優しいという優れもの。
また、別の場所の掃除(フローリングや浴室、トイレなど)にも使えるので持っておいて損はありません。
ガスコンロは毎日のお手入れで汚れが頑固になるのを防げますが、忙しくて気付いたら汚れがひどくなっていた!ということもありますよね。
取れない汚れを無理して擦ってしまうと、傷や故障の原因になることも。
そんなときはハウスクリーニングを行っている、プロへ相談してみましょう。
プロならではの技術とノウハウで、ガスコンロだけでなくキッチン全体をピカピカにしてもらうことができます。
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2023-04-13