更新日:2024年1月26日
「洗濯機」は家電リサイクル法対象家電であり、粗大ごみで処分することができません。
通常、粗大ごみで処分する家電は回収手数料を支払えば捨てることができますが、家電リサイクル法対象である「家電4品目」は、処分の際に「リサイクル料金」を支払う必要があります。
また、洗濯機は自分で運ぶことが難しい場合が多く、業者へ運搬を依頼すると「リサイクル料金」のほかに「運搬料金」が必要になることも。
このように洗濯機の処分にかかる費用や手続き方法を知らないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は洗濯機の処分方法を詳しくご紹介していきます。
どこで処分ができるの?いくらリサイクル料金を払うの?などの疑問が解決できますよ。
目次
家電リサイクル法って何?
家電リサイクル法対象の家電を処分した際、「緑の伝票をもらったな」「処分費用が結構かかったな」と思った方も多いのではないでしょうか。
あまりよく理解していない…という方のために、家電リサイクル法について解説していきます。
家電リサイクル法とその背景
家電リサイクル法とは
一般家庭や事務所から排出された家電製品【エアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機】から、有用な部分や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための法律
出典:経済産業省
使用済み家電の多くは、破砕処理の後に鉄などの一部の金属のみ回収が行われている場合があるものの、埋め立てられていることがほとんどでした。
しかし、埋め立てられている家電の中には鉄、アルミ、ガラスなどの有用な資源が多く残っていることや、廃棄物最終処分場にもいつか限界がやってくることを踏まえ、「家電リサイクル法」が平成10年に制定されたのです。
対象家電は2023年現在では4品目。
すでにお伝えしているように
- エアコン
- テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
となっており、洗濯機も対象です。
・家電リサイクル法についてさらに詳しく!
排出者(処分する人)の義務
家電リサイクル法の目的は有用な部品の再利用です。
処分方法については後程詳しくご紹介していきますが、リサイクルを目的とした処分であるため「リサイクル料金」が発生することを理解しておきましょう。
その理由は、以下のようなことが義務付けられているからです。
- 小売業者は、排出者から廃家電4品目を引き取り、製造業者等へ引き渡すこと
- 製造業者等は、指定引取場所において廃家電4品目を引き取り、引き取った廃家電4品目のリサイクルをおこなうこと
- 排出者は、適正に排出すること及び収集運搬料金とリサイクル料金を負担すること
家電リサイクル法の中で定められている以上のことから洗濯機を処分する際、「リサイクル料金」を支払わなければなりません。
その際に運搬も依頼すれば「収集運搬料金」の支払いも必要になるでしょう。
リサイクルの対象となる洗濯機とは
洗濯機には形や機能などさまざまな種類がありますが、家庭用機器であれば、事業所で使用されているものであっても家電リサイクル法の対象です。
対象機器は以下のとおり。
洗濯乾燥機 | 全自動洗濯機 | 二層式洗濯機 | 小型洗濯機 ※排水機能付き |
衣類乾燥機 |
画像出典:「一般財団法人 家電製品協会」
対象外となる機器は以下になります。
- 業務用洗濯機
- 衣類乾燥機能付き布団乾燥機
- 衣類乾燥機能付きハンガー掛け
- 衣類乾燥機能付き換気扇
- 衣類乾燥機能付き除湿器
- 衣類乾燥機能付きハンガー
- コインランドリー等で使用のコインボックス内蔵型洗濯機・衣類乾燥機
- 脱水機
など。
対象機器について、詳しくはこちらから確認できます。
洗濯機の主なメーカーのリサイクル料金・運搬料金は?
家電リサイクル法対象の4品目は、処分時にリサイクル料金を支払わなければなりませんが、料金はメーカーや大きさによって異なります。
洗濯機のリサイクル料金は主なメーカーのものだと2,530円(税込)がほとんど。
メーカーによって多少誤差が生じることもありますが、3,000円くらいが目安です。
料金は家電リサイクル券を購入し、支払う形になっています。
自分で持ち込んで処分をしない限り、リサイクル料金以外に収集運搬料金がかかりますが、その費用は一般的に1,650円~3,000円ほどが相場です。
そもそも洗濯機の寿命っていつ?
洗濯機の捨て時、寿命を知っていますか?
内閣府が調べた消費動向調査(2022年3月)によると、洗濯機の寿命は10年だと言われています。
しかし、洗濯機は毎日使う人、たまにしか使わない人など使い方もさまざまですよね。
メーカーによると設計上、洗濯機の寿命までの使用回数は2,500回とされており、毎日1回洗濯をおこなう人は6~8年で寿命を迎えることになります。
メーカーで修理用部品がなくなるのは製造後6年
家電を作る各メーカーでは、不具合が起きたときの修理用として部品を保有していますが、6年を過ぎると保有しなくてはならない期間が終了します。
メーカーに部品がないことで、不具合が起きたときに修理ができないということがあるでしょう。
国税庁が定める耐用年数は6年
耐用年数とは、10万円を超える価格の家電を税法上の固定資産として扱うときに、何年かけて減価償却できるかを示した年数のことを言います。
国税庁によると、洗濯機の耐用年数は6年となっています。
各メーカーによって標準使用期間を設定している
洗濯機は、経年劣化による事故が多い家電であることから、標準使用期間や注意事項の表示が義務付けられています。
洗濯機の正面や背部などにメーカーが定めた標準使用期間が表示されたラベルがありますので、お持ちの洗濯機で確認してみましょう。
※標準使用期間は製造された年から数えます。
寿命かも?買い替えのサイン
洗濯機は家族のいる家庭では毎日使うという家が多いのではないでしょうか。
人数が多ければ1日2回、3回と洗ったり、デリケートな衣類と分けて洗ったりと使用回数も増えるものです。
洗濯機は突然壊れることもありますので、寿命のサインや前兆があれば早めに買い替えを検討しましょう。
【寿命のサイン】
トラブル内容 | 原因 |
給水がうまくできない | ・給水ホースの詰まり ・本体の寿命 |
排水がうまくできない | ・排水弁の故障 ・洗濯機の底の羽(パルセーター)の故障 ・糸くずなどの詰まり |
異音がする | ・部品の劣化・破損 ・異物混入 |
水漏れ | ・パッキンなどの劣化や破損 ・汚れなどの詰まり ・洗濯槽の故障 |
電源コードや電源プラグが異常に熱い | ・銅線が切れるなど |
ほかにも、運転中に停止するなどの異常がある場合、エラーコードが表示されることがあります。
取り扱い説明書などでエラー内容を確認しても詳細がわからない場合、専門業者やメーカーへ問い合わせてみましょう。
洗濯機の処分方法とかかる費用
洗濯機の処分方法は状況によって最適な処分方法が異なります。
どのように処分するか、ご自身の状況と照らし合わせて処分方法を選んでください。
処分方法 | おすすめの人 | 処分費用 |
家電量販店にて引き取ってもらう | ・買い替える人 ・処分しようとする洗濯機の販売店がわかる人 |
リサイクル費用+運搬料 |
指定引取所へ持ち込み | ・自分で洗濯機の運搬ができる人 | リサイクル費用 |
リサイクルショップへ売却 | ・洗濯機を売って処分したい人 | 無料 |
フリマアプリやネットオークションで売却 | ・少しでも高く売りたい人 ・処分までに手間や時間をかけても良い人 |
利用手数料(送料がかかる場合もあり) |
提示版サイトを利用 | ・無料で処分したい人 | 無料 |
不用品回収業者へ依頼 | ・とにかく手間や時間をかけたくない人 ・買取査定を依頼したい人 |
不用品回収料金(リサイクル費用含む) |
家電量販店にて引き取ってもらう
【洗濯機を買い替える場合】
新しい洗濯機を購入する場合、古い洗濯機があれば搬入時に引き取り、処分してもらうことができます。
洗濯機の購入の際に古い洗濯機の引き取りを申し込み、リサイクル料金と運搬費用を支払うだけで済むので手間もかからずラクな方法でしょう。
リサイクル料金は2,500円~3,000円くらいですが、運搬費用は店舗によって異なります。
事前に運搬費用を確認しておくとよいでしょう。
主な家電量販店の洗濯機の運搬費用は以下のとおりです。
店舗名 | 運搬費用 |
ケーズデンキ | 2,200円(税込) |
ヨドバシカメラ | 550円(税込) |
エディオン | 1,650円(税込) |
ヤマダ電機 | 2,200円(税込) |
ビックカメラ | 1,650円(税込) |
※2023年10月時点の料金
【洗濯機を購入した店舗で引き取ってもらう場合】
処分したい洗濯機を購入した店舗がわかるという場合、まずは店舗へ洗濯機の処分が可能か確認してみましょう。
家電リサイクル法では、家電を販売した店舗にて不要になった家電を回収するよう推奨しています。
買い替えの際と同様の流れで申し込みをすれば、自宅まで洗濯機を回収しに来てくれるでしょう。
ただし同じようにリサイクル料金と運搬費用がかかります。
店舗によってはレシートや領収書など、購入記録が必要な場合もあるため、確認しておくとよいでしょう。
もし店舗で以前に購入していないものを引き取ってもらう場合、運搬費用が異なることもあるためご注意ください。
指定引取所へ持ち込み
各自治体では、家電リサイクル法対象品目である4品目の処分は「指定引取場所」へ持ち込むようすすめています。
持ち込み手順は、あらかじめ郵便局でリサイクル券の購入をし、指定の引取所へ持ち込むという流れです。
自分たちで運搬し、持ち込むため運搬費用はかかりません。
【リサイクル料金の支払い方法】
- リサイクル料金の確認
- 郵便局窓口で家電リサイクル券を入手し、所定事項を記入
- 家電リサイクル券に付いている振替払込書にてATMまたは窓口で、リサイクル料金を振り込む
指定引取所は各自治体に何カ所かあり、営業日・営業時間内でしたら好きなときに持ち込むことができますが、自分で運搬しなければなりません。
全自動洗濯機は5キロのタイプでも30㎏ほどあるため、自分たちで運搬できるか確認しておきましょう。
お近くの指定引取所は自治体のホームページや『一般財団法人家電製品協会サイト』で確認することができます。
例として名古屋市近郊の指定引取所をあげてみます。
名称 | 所在地 |
日本通運(株) 春日井物流センター |
春日井市鷹来町字上東光坊4662の1 |
西濃運輸(株) 名古屋東支店 |
日進市浅田町美濃輪1番地12 |
岡山県貨物運送(株) 名古屋南営業所 |
東海市新宝町507-39 |
※購入した家電リサイクル券を持って洗濯機を持ち込みます。
営業日 | 月曜日から土曜日(土曜日は休みの場合があります。) |
営業時間 |
午前9時から午後5時(正午から午後1時は除く) (受付終了は午後4時30分) |
休業日 | 日曜日、祝祭日、お盆期間、年末年始 |
参考:名古屋市ホームページ
自治体によっては指定引取所までの収集運搬を依頼できる許可業者の紹介もおこなっています。
自分では運搬できない場合には、自治体へ相談してみましょう。
リサイクルショップへ売却
まだ新しく、使える洗濯機であればリサイクルショップで買い取ってもらえる可能性もあります。
単に廃棄するとリサイクル料金や運搬料などの費用がかかってしまいますが、売れた場合臨時収入になることも。
ただし必ず売れるという保証がないため、事前にお持ちの洗濯機が売れそうかどうかチェックしましょう。
【売れる洗濯機のポイント】
- 製造年月日から10年以内(できれば5年以内)
- 人気メーカーの洗濯機(日立・パナソニック・東芝・シャープなど)
- 付属品が揃っている
- 水抜き・掃除ができている
お伝えしたように洗濯機の寿命は約10年ほど。
しかし実際は6年でメーカーでの部品在庫が減っていき、6年以上経過した洗濯機は売れにくくなります。
もし自分が新たに洗濯機を買うのであれば、すぐに使えなくなるかもしれない洗濯機は買わないですよね。
また、家電量販店のプライベートブランドや海外メーカーの洗濯機は低価格であったり修理に時間がかかったりすることから買取額が低くなります。
製造年月日から5年以内の、国産メーカーの洗濯機であれば高価買取してもらえることもあるでしょう。
洗濯機を売却する際、自分で店舗まで持ち込むというのはなかなか難しいものです。
出張買取がある店舗を利用し、事前に見積もりができるかや出張費にいくらかかるかなどを確認しておくことをおすすめします。
フリマサイトやネットオークションで売却
リサイクルショップでは製造年月日が5年以内でないと買い取ってもらうのが難しいと言えますが、フリマサイトやネットオークションでは古い洗濯機でも売れることがあります。
処分を急いでいない場合や、多少手間がかかってでも費用を抑えて処分したいという場合は、一度出品してみるのもいいかもしれません。
しかしインターネットでの取引になるため、洗濯機の状態や情報を正しく記載しないとトラブルの原因にもなります。
出品前には必ず動作確認や、傷や汚れがないかなどをチェックしておきましょう。
また、売れた場合には、販売した金額の8~10%程度の手数料がかかり、送料負担にしていれば送料が高額になることも。
例えばヤマト運輸で洗濯機を発送する場合、東京~愛知間で8,490円の送料がかかってしまいます。
これらも踏まえたうえで値段や、送料負担を出品者か購入者のどちらにするかなどを設定するようにしましょう。
提示版サイトを利用
無料提示版サイトの「ジモティー」を利用して、洗濯機を誰かに譲渡するという方法があります。
ここでは直接「欲しい人」とやり取りをして、自宅にある洗濯機を引き取りに来てもらう(または持って行く)などの方法で譲渡します。
こちらもリサイクルショップとは違い、古いものであっても「欲しい」という人がいれば譲渡できるため、無料で処分することができるでしょう。
運搬も直接引き渡しができれば費用がかからないため、お得に手放せる方法だと言えます。
ただし無料であっても欲しい人が見つからなければ処分はできないため、必ず売れるかどうかわからないことや処分までに時間がかかることなどの、デメリットもあります。
また、知らない人と直接やりとりしなければならないため、人によっては不向きな方法だと言えるでしょう。
不用品回収業者へ依頼
不用品回収業者とは、家庭や企業などから出る不用品をまとめて回収・処分してくれる民間の業者のこと。
不用品によっては回収後リサイクルやリユースをおこなっており、家電リサイクル法対象品目も回収してもらえます。
不用品回収業者へ依頼するメリットは以下の通り。
- 即日や休日、早朝・夜間など自分の都合で回収してもらえる
- 申し込みはネットや電話など、簡単にできる
- 家からの搬出・運搬作業をお願いできる
- 洗濯機以外の不用品もまとめて回収可能
- 買取が同時にできる(業者による)
不用品回収業者へ依頼をした場合の魅力として、手間がかからない、すぐに処分できることがあげられます。
リサイクル家電の処分であっても、リサイクル券の購入などの手続きが不要で、部屋からの運び出し~運搬まですべて業者へお任せでき、労力もかかりません。
また、買取サービスのある業者を利用すれば、処分と同時に買取を利用することができます。
洗濯機の場合、リサイクルショップなどと同様に製造年月日の新しいものや人気のメーカーであれば買い取ってもらえることも。
洗濯機以外にも不要な家具や家電を買い取ってもらえるため、まとめて依頼をすれば買取額がアップする可能性もあります。
リサイクルショップへ査定を依頼して、買取不可だったら別の方法で処分して…と二度手間になることもなく、一度に査定や処分を依頼できるのが便利です。
買取があれば処分費用から差し引いてもらえるため、お得に利用できるのも嬉しいポイントですね。
しかし一方で以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。
- 業者選びは慎重におこなう
- 洗濯機1点だと割高になる可能性もある
不用品回収業者は優良な業者がほとんどですが、なかには無許可で不用品を回収し、不法投棄をしたり高額請求をしたりする悪質な業者も存在します。
依頼する際には必ず見積もりを取り、内容が明確であるかをチェックしておきましょう。
不明な点は必ず質問し、見積もり後や作業後に追加料金がかからないかも確認しておくと安心です。
また、家電の回収・リサイクルをおこなうには『家電リサイクル券』を取り扱っていることも確認しましょう。
【不用品回収業者へ依頼する際のポイント】
- 数社で見積もりを取る
- ホームページで実績や口コミを確認する
- 見積もり内容が明確である業者を選ぶ
洗濯機を処分する前にやること
洗濯機は水を注入して使っているため、まだ内部に水が残っていることがあります。
そのため、洗濯機の処分時や移動させる場合には事前に水抜きをおこないましょう。
水抜きの手順は次のとおりです。(縦型・ドラム型共通)
- 洗濯機の中に入っているものを取り除き空の状態にしておく
- 洗濯機につながっている水道栓(蛇口)を閉じる
- いつも通りに標準コースで洗濯機を回し、1分経過したら停止する
※給水ホース内に溜まった水を抜くため - 回し終わったら電源を切り、先程栓を閉じた給水ホース側のホースを外す
- 再度電源を入れ、今度は脱水コースで運転し、止まったら中の水をよく拭き取る
自分で水抜きをおこなうのが面倒な場合や、時間がない場合、不用品回収業者や家電量販店での回収の場合は水抜きをお願いできることもあります。
業者によって対応が異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
洗濯機の処分まとめ
今回はリサイクル家電対象の「洗濯機」の処分方法や費用についてお伝えしてきました。
洗濯機の寿命の目安は10年ですが、実際は使用頻度が多い家庭や、一度に洗う洗濯物の量が多い家は寿命を早く迎えることになるかもしれません。
それは洗濯物を詰め込み過ぎる場合や使用回数が多いほど、寿命が縮んでしまうからです。
日頃の使い方やお手入れなども長く洗濯機を使うためには大切なことですが、洗濯機に不調が起きた場合は、寿命が近いサインととらえ、修理や買い替えを検討してみましょう。
当社「ラクタス」のグループ会社である「出張回収センター」でも洗濯機を含むリサイクル家電の買い取り・処分をおこなっています。
メールや電話にて簡単に無料見積もりができますので、ぜひお気軽にお問合せください。
2023-10-10