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投稿日:2024年2月19日
更新日:2024年2月19日

台風や地震、津波・土砂災害など、全国各地でさまざまな災害が頻発しています。
これらの災害によって発生する廃棄物や不用品は数十万トン、場合によっては数百万トンにも及ぶことも。
実際の被害状況は、想定よりも遥かに甚大であることが多く、家庭や地域全体が突如として大量の災害ごみに直面してしまいます。
こうした状況で、どのように不用品を分別し処分するべきなのか、また家電が壊れた場合どう対処すれば良いのか疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、災害時の不用品処分の方法や廃棄物の種類について詳しく解説していきます。
いつ起きるか分からない災害に備えて、正しい知識をもって冷静に対応するための準備を行いましょう!

災害で発生した不用品は何ごみ?

災害時に出る大量のごみはどこで捨てられるのでしょうか?基本的な定義や、通常のごみとの違いを実際の事例を交えて解説していきます。

災害時の不用品は一般廃棄物

災害が起きた際、家具や家電が水に浸かり損傷したり、家の一部または全体が壊れることで、木材や土砂などの不用品が増えます。
これらのごみは産業廃棄物と思われやすいですが、実際には「一般廃棄物」として分類され、各自治体が処理の責任を持っています。
一方、産業廃棄物は「事業活動によって発生した廃棄物」と定義されており、災害時に発生する不用品は家庭から排出されるものであるため、これに該当しません。

災害ごみと生活ごみの違い

災害が発生すると、壊れた家具や畳などの「片付けごみ」や、家屋の破損による「がれき」がたくさん出ます。これらは「災害ごみ」と呼ばれ、普段の「生活ごみ」とは異なります。災害ごみは短期間で大量に出るため、その処理を遅らせると、被災地の復旧に影響が出る恐れも。
特に腐敗して悪臭の原因となるごみは早急に処理する必要があるため、一時保管できる資源物と分別することが大切です。

過去の自然災害における災害ごみ(災害廃棄物)の量

過去の主要な自然災害で発生した災害ごみの量は下記の通りです。

  • 東日本大震災(2011.3):約3,100万トン
  • 熊本地震(2016.4):約311万トン
  • 西日本豪雨(2018.7):約200万トン
  • 令和2年7月豪雨(2020.7):約56万トン

環境省によると、今後起こるとされる南海トラフ巨大地震においては、最大3億4,900万トンもの災害ごみが発生すると推定されています。
この数値は、過去の災害ごみの発生量を大きく上回るものなので、十分な対策や準備が必要です。

災害ごみ(災害廃棄物)の種類

災害ごみは、大きく分類すると下記の5種類となります。

  • がれき:被災した建物や建築物からの残骸。木くず、コンクリートがら、金属くずなど
  • 片付けごみ:一部倒壊した家屋から出る廃棄物。片付け作業で出る家財道具(家具、家電、畳、布団、衣類など)
  • 生活ごみ:災害で被災した家庭から出るごみ。可燃ごみ、陶器・ガラス・金属ごみ、プラスチック製容器包装、粗大ごみ
  • 避難所ごみ:避難所生活で発生するごみ。可燃ごみ、陶器・ガラス・金属ごみ、プラスチック製容器包装、ダンボール
  • し尿:避難所や一時的に設置された仮設トイレからの排泄物

台風や大雨で床上浸水となると、家の中の家財が被害を受けて、一気に使えなくなってしまいます。災害廃棄物は素材や特性が異なるものが混ざっていますが、出来る限り分別することが大切です。
災害廃棄物を分別する際の種類や特徴について大まかに知っておきましょう。

可燃系混合物

細かい木くずや紙類、繊維などを多く含むごみのことで、腐敗・発酵が進むと火災発生の恐れがあります。

不燃系混合物

プラスチック、細かながれき、ガラス、陶磁器、家電などを多く含むごみ。 
選別・ふるいにかけてリサイクルし、残さは埋め立て処分されます。

土砂系混合物

土砂崩れや洪水などで堆積した土砂、泥、細かいがれきなど。
ふるい・選別して、再利用されます。

腐敗性廃棄物

畳、布団・カーペット類、冷蔵庫内の生鮮食品、残飯など。
腐敗が進み悪臭が発生するため、早急に処理する必要があります。畳は、発酵により火災が起きる恐れがあるため、保管場所に注意します。

コンクリートがら

鉄筋コンクリートを解体する際に発生するコンクリートのこと。
破砕処理を行って、極力リサイクルされます。

木くず(廃木材)

木造建築物や木製家具の解体時に発生するごみのこと。
濡れた木材は劣化してリサイクルしにくいため、破砕や焼却処理を行うことが多いです。

金属くず

鉄骨構造の建築や金属製の家具の解体時に発生するごみ。
売却可能な場合が多く、選別できる場合はリサイクルします。

廃家電製品

家電リサイクル法の対象品目(テレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫)のこと。
破損や腐食の程度を判断し、メーカーに引き渡して、可能な範囲で金属類などをリサイクルすることが一般的です。この場合のリサイクル料金は国庫から補助されます。
通常、自治体ではごみとして処分できませんが、災害廃棄物の場合一括して処理することがあります。

廃自動車

水害などで使用不可となった自動車や自動二輪車、原付のこと。
所有者の意向を確認するまで保管し、自動車リサイクル法に従って、業者に引き渡す必要があります。

有害物・危険物

消火器、灯油、乾電池、リチウム電池、蛍光灯、ガスボンベ、太陽光パネルなど。
分別後、専門業者によって適正に処理を行います。

貴重品、思い出の品

写真、位牌、手帳や、財布、通帳・印鑑、金庫、貴金属など。
災害廃棄物に該当しないことから、警察署に引き渡し保管されます。

家電が災害で浸水した場合の対処法

洪水や台風で床上浸水となると、冷蔵庫や洗濯機などの家電製品が故障します。
被害にあったらどのように対処すべきなのでしょうか?取り扱い時の注意点や修理の可否について解説します。

浸水したら通電しない

浸水被害を受けた家電は、電源を入れると発火や故障の危険性が高いため、使用しないでください。
泥や不純物を含んだ水が家電製品の内部に入ると、ショートや発火事故を引き起こす恐れがあります。
正しい対処法は、下記の通りです。

  • 浸水した家電は、コンセントから電源を抜く
  • 電源プラグが抜けない場合、ブレーカーを落とす

一度浸水した家電は、乾燥した後も電気回路に影響を及ぼして故障しやすいため、使用を控えましょう。

災害救助法適用の場合、特別修理対応となる

浸水した家電は、災害救助法適用となる被災地に住む人に限り、特別修理対応を受けられる場合があります。
災害救助法とは、1947年に施行された法律で、都道府県知事の指示のもと自治体が被災した住民を救助する目的で制定されました。
修理対応となる電化製品や修理期間、サービス内容などは、メーカーにより異なります。
過去の特別修理対応について、メーカー毎にまとめましたので参考にしてください。

メーカー 対象製品 サービス内容・料金 問い合わせ先
富士通 パソコン、プリンター、ディスプレイ 点検・修理、技術料:無料
送料:無料
部品交換:実費
0120-926-220
アイリスオーヤマ エアコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫 点検・修理、技術料:無料
出張料:無料
部品代:実費
0800-919-0770
パナソニック パナソニック家電製品 点検・修理:要問い合わせ 修理の相談窓口
東芝 洗濯機、冷蔵庫、ルームエアコン、掃除機、調理機器、IHクッキングヒーター、扇風機、空気清浄機、加湿器、除湿乾燥機、電池 点検・修理:要問い合わせ 0120-1048-76
日立 日立家電製品 点検・修理:要問い合わせ 0120-3121-68

浸水の程度によっては修理不可の場合もあるため、詳しくはメーカーに問い合わせて相談することが必要です。

火災保険は災害で浸水した家電に適用する?

火災保険で自然災害による被害の補償を受けるには、水災補償を付帯する必要があります。具体的には、台風や土砂崩れ、高潮、豪雨などの被害が該当します。
補償範囲は「建物」と「家財」または両方を選ぶことができ、家財には、家電だけでなく衣類や家具などが含まれます。
水災補償の受けられる条件は下記の2通りです。

  • 床上浸水または地盤から45cmを超える浸水が発生した場合
  • 建物・家財の30%以上が損害を受けている場合

ただし、経年劣化と判断された場合や、被害発生から3年以上経過している場合は補償を受けられない可能性があります。
保険会社に連絡する際は、下記のような書類が必要となります。詳しくは加入している保険会社に問い合わせてください。

  • 罹災証明書:自然災害の場合、自治体で発行
  • 保険金請求書
  • 写真:被害を受けた状況が分かるもの
  • 修理見積書または修理不能証明書

災害時の不用品を最小限にするためにできること

災害による家財や家屋の損失は避けられないことが多いですが、不用品の量が多いと復旧作業に時間がかかり、環境への負荷も大きくなります。
災害時に発生する不用品を少しでも減らすために日頃から意識したいポイントや予防策を把握しましょう。

ごみは定期的に処分する

平常時に、家にある不用品や使っていない家電を定期的に処分することは、災害ごみを減らすために最も有効な方法です。

  • 生活ごみを溜め込まないように定期的にごみ捨てする
  • 3Rを意識して不要なものを買わない・減らす
  • フリマアプリやリサイクルショップを活用する
  • 未使用の家電をリサイクルする

使っていない物は手放すことを検討し、少しずつ作業を進めることが大切です。生前整理や断捨離は、災害の備えとしても効果があります。

家の耐震診断・補強を実施する

災害後のがれきやごみの増加を防ぐためには、家屋や家具の安全対策を前もって行うことが必要です。

  • 耐震診断、改修工事
  • 家具転倒防止器具の使用
  • タンス、本棚、テレビを壁に固定
  • ブロック塀や瓦の強度を確認

家の不用品を減らして、適切な被害対策を行うことは、災害時の避難経路の確保にもつながります。

災害時の不用品を処分する手順

災害が起こった後、生活の再建には多くの工程が必要です。
その中でも、家の中の不用品やがれきの処分は身体的・精神的に労力のかかる作業となります。
ここでは、災害時の不用品の適切な処分方法について、順を追って解説していきます。

①安全な服装に着替える

災害後の不用品を処分する際は、ケガや感染症のリスクを抑えるために、肌の露出を避けることが重要です。

  • 長袖・長ズボン:ポケット付きだと便利。
  • ヘルメット・帽子・タオル:熱中症対策、落下物からの保護。
  • ヘッドライト:暗い場所での作業用。両手を自由に使える。
  • ゴーグル:砂ぼこりや薬品から目を守る。
  • 防塵マスク:砂ぼこりやカビの吸入を防止。
  • 保冷剤:熱中症対策。
  • 厚手のゴム手袋・軍手:ガラスなどの鋭利な物によるケガ防止。
  • 長靴:釘やガラスによるケガ防止。インソール付きが望ましい。

作業中はこまめにうがい・手洗いを行い、食事前の手指消毒を徹底してください。

②被害状況を撮影する

災害時の被害状況を写真に記録することは、罹災証明の申請や地震保険などの損害保険の申請時に有効です。具体的な被害状態が客観的に分かるため、手続きをスムーズに進めることができます。

  • 家の外の状況を4方向から撮影する
  • 水害時の浸水の高さ(壁の変色部分)
  • 家電の製造番号
  • 洗面所、風呂場などの住宅設備
  • 天井や高い棚

撮影時には、メジャーや人物など比較対象となるものと一緒に撮影すると分かりやすくなります。

③残すもの・捨てるものを仕分ける

災害で濡れた家財を分別する際には、大切なものや必要なものを慎重に選別し、捨てるものと区別することが重要です。
地震の場合、いつ余震が起きるか分からないため、避難経路を確保してから作業開始しましょう。
被災時に持ち出せなかった「残すもの」を優先的にピックアップしていきます。

  • 思い出の写真
  • データを保存したPC周辺機器(HDD、SDカードなど)
  • 宝飾品、骨董品
  • 子供のビデオ、絵、日記
  • 手帳
  • 権利書、保険証書、金融証書
  • 時計、アクセサリー

家屋が倒壊している場合は、安全を最優先に行動することが大切です。貴重品はダンボールに一つにまとめて、間違って捨てられないように目印をつけると良いでしょう。

④自治体の指示に従い処分する

災害時の不用品・廃棄物は、通常のごみ出しとは異なり、各自治体が定めたルールに従って処分する必要があります。一日でも早く復旧・復興するためには、一人ひとりがルールを守り、適切にごみ捨てをすることが大切です。

 

災害ごみは仮置き場に搬入する

災害後の大量の廃棄物を、道路脇や通常のごみ集積所に出すと、通行の妨げとなるため、仮置き場に搬入することが一般的です。
仮置き場とは、災害ごみを一時的に保管する場所のことで、公園や空き地に設置されます。

 

災害時のごみ処分の優先順位

災害時には処分施設の被害状況や処理能力により、取り扱う廃棄物の種類や量が制限されることがあります。ごみ処分の優先順位を重視することは、公衆衛生の保持や感染症の拡大防止の観点で重要です。
災害廃棄物の処分の優先順位は下記の通りです。

  1. 腐敗性廃棄物: 生ごみ、し尿、避難所ごみ
  2. 腐敗性廃棄物以外の生活ごみ:可燃ごみなど
  3. 災害廃棄物:コンクリートがら、金属くず、ガラス・陶器くず、家電
  4. 資源物:容器包装プラスチック、ペットボトル、ビン、缶、古紙など

生ごみや燃えるごみなどの「生活ごみ」は、優先的に収集されますが、資源物や不燃ごみは一時的に収集を停止する場合もあるため、注意してください。

 

罹災証明書の提示でごみ処理手数料が免除されることも

  • リサイクルできない状態の家電製品(テレビや冷蔵庫など)
  • 家具(ソファ・ベッドなど)
  • がれき、木くず、畳

こうした大量の災害ごみを処分する際は、罹災証明書を提示することで処理手数料が免除される自治体があります。自治体によって申請方法は異なりますが、オンラインで発行できる場合も。公的支援を受ける際に必要なので、前もって調べておくと良いでしょう。
災害ごみを処分する際は、冷蔵庫内の生ごみや危険物などの分別を徹底してください。

 

愛知県名古屋市の災害廃棄物の捨て方

愛知県名古屋市では、大規模災害時のごみ処分方法について規定されています。
片付けごみは15品目に分別しますが、渋滞が予想されるため、一品目の搬入を呼び掛けています。また、バイクや生ごみ、ガソリン、し尿、感染性廃棄物などは持ち込みできないので注意しましょう。
生活ごみの収集は、原則3日以内を目途に再開するとしています。

参照:名古屋市│大規模災害時のごみの出し方

災害ごみの処分や片付けはプロに依頼すると安全かつ迅速

災害が発生した際、家屋の中の泥水の除去や消毒作業や不用品の処分は、想像以上に労力が必要とされる大変な作業です。特に、体力に自信がない方や十分な人手が確保できない場合、プロの不用品回収業者に依頼するをおすすめします。
不用品回収業者のメリットは主に下記の4点です。

  • 不用品の分別や運び出しを依頼できる
  • 床下・壁の泥の除去や消毒作業も適切に行なってくれる
  • 貴重品を捜索しながら片付けてくれるので紛失する心配がない
  • 最短即日回収で、順番待ちやごみの種類の規制がない

不用品回収業者では、廃家電や混合物系の災害ごみも迅速に回収できます。
自治体では廃棄物の種類の分別が厳しく、処分に時間がかかることも想定されるでしょう。しかし、不用品回収業者なら原状回復に時間がかかるケースでも、安全かつ迅速に片付け・復旧作業を進めることが可能です。

災害時の不用品処分は片付け専門業者「ラクタス」におまかせください!

災害はいつ訪れるか分かりません。そのため、普段から正確にごみの分別をする習慣は災害時に大いに役立ちます。
防災意識の向上が求められている昨今、家の中の片付けや不用品を処分することは、家族を守る上で重要になるでしょう。
愛知県名古屋市に拠点を持つ片付け専門業者「ラクタス」では、年中無休・最短即日で不用品回収やハウスクリーニングを行っています。
お家の防災対策として、不用品を手放したいとお考えの方は、まずは無料見積もりにてご相談ください!

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