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投稿日:2024年8月8日
更新日:2024年8月8日

「貸し出していたアパートがごみ屋敷になっていた!」という事態は、賃貸物件を所有する大家さんにとって頭の痛い問題です。
近年、不衛生な状態による近隣住民からのクレームだけでなく、物件の価値を著しく下げるような、ごみ屋敷のトラブルが増加しています。
このような状況に直面した場合、大家さんはどのように対処すべきなのでしょうか?

この記事では、ごみ屋敷化した賃貸物件の対処法や注意点、強制退去の流れについて紹介します。
また、貸主と借主の費用負担についても解説しますので、ぜひ参考にしてください!

賃貸物件のごみ屋敷は放置できない

賃貸物件がごみ屋敷化すると、大家さんにとって見過ごせない問題が発生します。

  • 害虫や悪臭の発生
  • 火災リスク
  • 家賃収入の減少

ごみ屋敷状態となると、ゴキブリやネズミのような害虫・害獣が繁殖しやすく、駆除するのが大変です。特に夏場は、食べ物が腐りやすく悪臭の原因にもなるため注意しなければなりません。
また、溜まったごみやほこりは、火災リスクのリスクを増大させ、他の入居者の安全を脅かします。
さらに、ごみ屋敷の部屋が周囲に知れ渡ると、現在の入居者が退去してしまう要因となり、結果として収益に直接的な損害を与えることも。
こうしたリスクを少しでも早く減らすためにも、ごみ屋敷化した賃貸物件には速やかに対策をとることが重要です。

賃貸物件がごみ屋敷になったら強制退去は可能?

賃貸物件の一室がごみ屋敷になったら、入居者に対して強制退去を求めることはできるのでしょうか?
結論として、条件が揃っていれば理論上は可能ですが、すぐに退去させることはできません。
ここでは、強制退去に必要な要件について解説しています。

賃貸契約書の内容を確認する

賃貸物件がごみ屋敷化した場合の強制退去の可否は、賃貸契約書の内容によります。
ごみ屋敷のトラブルを未然に防ぐために、下記のような特約を契約書に明記することが効果的です。

  • ペット飼育に関する特約(禁止事項やクリーニング費用負担を設定)
  • 原状回復に関する特約(敷金を費用として使用する旨を記載)
  • 悪臭や騒音に関する特約(近隣住民とのトラブルに繋がる禁止事項を記載)

これらの特約を設けることで、将来的にごみ屋敷問題が発生した際に、強制退去の明確な法的根拠を持つことができます。
また、借主には賃貸物件を利用する上で「善良なる管理者の注意義務(善管注意義務)」があり、この義務違反は契約上の問題となり得ます。
問題が起こらないよう、または発生した際に早期に解決するためにも、借主との定期的なコミュニケーションを心がけることが大切です。

ごみ屋敷の賃貸物件で強制退去となるケース

賃貸物件がごみ屋敷になった場合でも、入居者の居住権を考慮して即退去となることは難しいです。
しかし下記のような正当な理由があれば強制退去が認められる場合があります。

  • 家賃を3カ月以上滞納、支払い意思がない
  • 害虫や悪臭、騒音など近隣住民への迷惑行為がある
  • ペットを無断で飼育している

これらの問題行為は賃貸契約の特約違反や信頼関係の喪失とみなされ、強制退去の正当な理由となり得ます。
ただし、法律上、退去を命じる前に適切な通知期間を設け、借主に是正の機会を与えることが必要です。最終的に、契約違反が解消されない場合にのみ、強制退去を求めることが可能になります。

ごみ屋敷となった借主に対して避けるべきNG行動

ごみ屋敷が発覚した場合、入居者とコミュニケーションがスムーズにとれないことも少なくありません。
ここでは、大家さんが借主に対して行ってはいけない行為を解説します。

無断で物件に侵入しない

ごみ屋敷になった賃貸の入居者への対応で絶対にしてはいけないことは、借主の了承なく勝手に部屋に入ることです。
法律では、緊急の場合やあらかじめ許可を得ている時を除いて、入居者の部屋に大家が踏み込むことは、プライバシーの侵害とみなされ大きな問題に発展する可能性があります。

借主の所有物を捨てない

大家さんが避けるべき行為の一つは、入居者の所有物を勝手に処分することです。
たとえその物がごみに見えたとしても、許可なく処分することは財産権の侵害にあたり、法的責任を問われる恐れがあるため注意しなければなりません。
また、勝手に処分したことで入居者を怒らせてしまうと、結果として問題解決がさらに難しくなる可能性があります。

強制的に退去を強要しない

法的手続きを行わず強引に退去を求める行為は、ごみ屋敷になった借主への対応として誤っています。

  • 電気・ガス・水道を止める
  • 「家賃滞納」など玄関に貼り出す
  • 鍵を勝手に交換する

このような行為は「自力救済」とみなされ違法行為にあたり、損害賠償を負うリスクがあります。入居者の名誉を傷つけるような嫌がらせ行為は行ってはいけません。

賃貸の一室がごみ屋敷になった際の大家の対処法

ごみ屋敷や汚部屋の住居人に対して、どのような対応をとれば良いのでしょうか?
ここでは、一般的な対処法について解説していきます。

住人に注意喚起をする

ごみ屋敷の入居者に対して、まずは改善を促すことが大切です。
電話や手紙で、ごみを片付けてほしい旨を具体的に伝えましょう。その際、相手を尊重し、理解を求めるように心がけてください。
また、直接会話をすることで、ごみ屋敷の問題の深刻さを伝え、入居者の協力を引き出すことが大切です。一緒に取り組む姿勢を示すことが、スムーズな問題解決のカギとなります。

内容証明郵便を送付する

注意喚起が効果を示さない場合、内容証明郵便を送付することで正式にごみの撤去を要求します。
内容証明郵便を使えば、「いつ・誰が・誰に・何を伝えたか」が公式に記録され、後のトラブルや裁判になった時の証拠として提出が可能です。
ごみを片付ける期限や、それが守られなかった場合の退去要求など具体的に記載します。

自治体に相談する

内容証明郵便自体に法的な強制力はありません。これで改善がみられない場合は行政に相談することが大切です。
名古屋市をはじめとする全国101の自治体では、ごみ屋敷条例を設けており、住民から相談を受けた後に下記のような手順を踏んで、ごみ屋敷の撤去支援を行っています。

  • 立ち入り調査
  • 助言・指導
  • 勧告
  • 行政代執行

住んでいる地域にごみ屋敷条例がない場合でも、役所や警察、消防署などに相談することでパトロールの強化などサポートを得られることがあります。
まずは無料の相談窓口の利用を検討して、適切な支援を受けましょう。

参照:名古屋市住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例について

ごみ屋敷の賃貸物件における強制退去の流れ

実際にごみ屋敷となった部屋を強制退去させるには、数カ月かかることも珍しくありません。
ここでは、具体的な強制退去の流れについて解説していきます。

入居者、連帯保証人に通知

先にも述べたように、ごみ屋敷になった際の対処法としてまず入居者とのコミュニケーションが重要です。
内容証明郵便で通知しても借主から反応が無い場合は、複数回再送することで公的な記録として有効になります。
また、連帯保証人に連絡することも大切です。ごみ屋敷の状況を伝え、改善を促しましょう。

賃貸契約の解除

内容証明郵便で設定した期限内にごみ屋敷の片付けが行われなかった場合、賃貸契約を解除できます。
契約解除後も入居者が退去に応じない場合は、裁判を通じて部屋の明け渡しを求めることが可能です。

明け渡し訴訟の提起

ごみ屋敷化した賃貸物件からの強制退去に向けて、裁判で明け渡しを求めます。
借主が裁判初日に欠席した場合は、約2週間~1カ月で判決が下されることが多いです。この際、大家さんは、弁護士を通じて訴訟を進めていれば、自ら裁判所に出向く必要はありません。
借主が裁判に出頭した場合は、話し合いで和解に至ることもあります。
しかし意見が食い違い、借主が退去に応じない場合は、裁判所の命令で物件の明け渡し請求を行います。

強制執行

明け渡し訴訟の判決が下り、立ち退きを命令されたにも関わらず、借主が応じない場合は、強制執行の手続きを行います。
強制執行の実施日は、「断行日」と呼ばれ、明け渡しを催告した日から約1カ月後の日程に設定されることが一般的です。
断行日の主な作業内容は下記の通りです。

  • 執行官が専門業者と共に家財や家具を搬出
  • 部屋の鍵を新しく交換
  • 撤去した物を指定場所に一定期間保管

借主が保管された荷物を所定の期間内に引き取らなければ、それらは売却または廃棄される可能性があります。

ごみ屋敷の退去費用は借主・貸主どちらが負担する?

ごみ屋敷や汚部屋となった部屋を元通りにするまでにかかる費用は、大家さんと入居者の双方が負担するケースがあります。
しかし、実際には大家さんが先に費用を立て替えて、最終的に自己負担になる場合も珍しくありません。
ここでは原状回復や片付け費用の負担割合について解説していきます。

原状回復費用

ごみ屋敷化した賃貸物件の原状回復費用は、基本的に借主の負担です。
しかし、経年劣化や耐用年数を考慮した負担割合となるため、全額請求することはできません。通常の使用で消耗した部分は大家側の負担となり、入居者の故意や過失による損害に該当する部分は借主が負担します。

  • 畳の張り替え
  • 壁や床の張り替え
  • トイレや浴室のクリーニング

ごみ屋敷ではカビや害虫の影響で内装が大きく損傷しており、原状回復作業が広範囲に及びます。
1Rのアパートでも費用が10万円以上になることもあるため、敷金だけではカバーできないことも多いです。

参照:国土交通省│原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

ごみの片付け費用

ごみ屋敷の不用品の撤去や清掃にかかる費用は、全て借主の負担となります。
しかし、強制退去時には大家さんが立て替えるケースが多いです。万が一、借主からの支払いが滞った場合、連帯保証人に請求することになります。
ごみの片付け費用は、部屋の広さやごみの量によって異なりますが、軽トラックなら約3万円~、1tトラックなら約4万円~が相場です。
ごみ屋敷の程度によっては作業員を追加することもあるため、清掃費用が数十万になることもあります。

強制執行の費用

ごみ屋敷の退去に関して弁護士に強制執行を依頼する場合、下記のような費用を大家さんが支払う必要があります。

  • 相談料
  • 着手金
  • 成功報酬費用
  • 裁判所の手続き(予納金など)
  • 人件費、出張・運搬費など

通常、家財の運搬費などは借主が負担すべき費用ですが、実際には先に大家が支払い、後から回収するのが難しい状況が多いです。
裁判所で発生する費用は、強制執行に必要な予納金や収入印紙代、郵便費用などが挙げられます。予納金は、手続き後に未使用分が返還されるものの、大家の負担になるケースがほとんどです。

借主に損害賠償請求はできる?

ごみ屋敷を理由として借主に損害賠償請求を行うのは理論上可能ではあるものの、現実的には厳しいです。
特に火災が起きた場合、責任を問うには「重過失」の証明が必要であり、実証は容易ではありません。また、害虫や悪臭が原因で健康被害を訴える場合も、大家側が因果関係を明らかにする必要があり、これが証明できなければ賠償の請求は難しいでしょう。
また、示談交渉を求めたとしても、借主に支払い能力が無かったり、連絡が途絶えたりする恐れもあります。

行政代執行なら大家の費用負担はない

自治体にごみ屋敷条例があり、入居者に指導や勧告を行っても改善が見られない場合、行政代執行が可能です。
撤去費用は自治体が立て替えますが、最終的には入居者が負担することになります。この手続きなら、大家さんはごみ撤去にかかる費用を支払う必要はありません。

賃貸物件のごみ屋敷の原状回復は片付け業者に相談を

ごみ屋敷化した賃貸物件の原状回復は、一筋縄ではいかないことが多く、解決には専門的な知識と技術が必要です。
ごみ屋敷清掃に経験豊富な片付け業者に相談することが、一日でも早くきれいな部屋を取り戻すための第一歩となります。

メリット①短期間で部屋が元通りになる

賃貸物件がごみ屋敷化した場合、自力での片付けは非常に難しいです。
特に長年蓄積されたごみは、何層にも踏み固められており、1Rの部屋でもごみ袋100袋を超えることも。
片付け業者ならわずか数日で部屋を元の状態に戻すことが可能なので、大家さんは時間と労力をかけずに、新たな入居者をすぐに募集できる状態になります。

メリット②害虫駆除・悪臭対策を徹底的に行う

賃貸物件のごみ屋敷問題を解決するには、表面的な清掃以上の対策が求められます。片付け業者は、ごみ屋敷特有の問題に対応するノウハウを持ち合わせており、害虫駆除や悪臭の除去も行うため安心です。
フローリングの修復や壁紙の張り替え、除菌作業などのサービスも用意しており、ごみ屋敷だったことが分からないほど徹底的にきれいにしてくれます。

メリット③近隣住民に配慮した作業

ごみ屋敷の片付けを専門業者に依頼するメリットは、近隣住民に知られないように作業をしてくれる点です。
ごみ屋敷の存在が周囲に知られると、物件のイメージ低下が懸念されます。片付け業者なら、風評被害を防ぐため、作業の時間帯や人数の調整、目立たないダンボールの使用などによって速やかに清掃してくれます。
ごみ屋敷になった部屋からの悪臭などが他の住民に影響を及ぼす前に、業者に依頼することが大切です。

賃貸物件のごみ屋敷の片付けはラクタスにおまかせください!

賃貸のアパートがごみ屋敷状態になった場合、物件の価値低下や近隣トラブルを防ぐためにも、大家さんは迅速な行動を取る必要があります。
入居者に強制退去を命じることはできますが、その過程は複雑で時間がかかる可能性が高いです。賃貸契約に基づき、借主に対して内容証明郵便で通知をしても改善されない場合は、裁判所に訴えを提起して入居者の退去を法的に求めることになります。最終的に強制執行に至った場合、弁護士への依頼が必要となり、費用はかさむ一方です。さらに、物件が再び利用できる状態になるまで数カ月かかることもあり、家賃収入の損失も考慮する必要があるでしょう。

  • 一刻も早く部屋を原状回復してほしい
  • ゴキブリや悪臭がひどく、部屋に入れない
  • 他の入居者に知られたくない

こうしたお悩みがある場合は、愛知県名古屋市に拠点を持つ片付け専門業者「ラクタス」におまかせください!
ラクタスでは、特殊清掃・ごみ屋敷清掃に12年以上の業績を持ち、迅速かつ徹底した清掃作業を行います。ハウスクリーニングや修繕工事も同時に行い、一日でも早く元のお部屋に戻るようスピーディーに対応可能です。
大家さんの費用負担を減らせるよう、業者価格でサービスを提供しておりますので、まずはお気軽にご相談ください!

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