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投稿日:2024年8月6日
更新日:2024年8月6日

ビルや公共の施設などでよく見かける「消火器」ですが、自宅用として家庭用消火器をお持ちの方も増えています。
家庭用消火器はキッチンでボヤが起きたときにも安心ですし、ホームセンターや通販などで簡単に購入できることもあって注目されているアイテムです。

しかし、消火器は滅多に使うことがないため、買って設置したまま忘れている…ということもあるかもしれません。
実は近年、長期間放置した消火器を処分しようとしたところ、破裂してケガをしてしまうという事故が発生しています。
こうした事故を防ぐためにも、消火器の正しい知識を身に着けておきたいものですね。

また、使用済みの消火器をどうやって処分したらよいかわからないという方も多いでしょう。
そこで今回は消火器の処分方法についてお伝えしていきます。
消火器の使用期限や処分時に注意することなどをまとめていますので、参考にしてみてください。

【消火器の種類】家庭用消火器の必要性は?

消火器は、「住宅用消火器」と「業務用消火器」に分けられます。
一般的な家庭で使用されるのは「住宅用消火器」ですが、業務用との違いをよく知らないという人も多いでしょう。
まずは消火器の種類と特徴、家庭用として持つことの必要性についてまとめてみました。

住宅用消火器と業務用消火器の違い

住宅用消火器と業務用消火器は、見た目に大きな違いがありません。
しかし、実際には設置場所や使用方法などに違いがあるため知っておきましょう。

業務用消火器 住宅用(家庭用)消火器
適用火災 家庭用消火器より消火能力や使用範囲が優れている 天ぷら油火災やストーブ火災に対応
本体容器の特徴 本体容器の色に規制がある(25%以上が赤色) 本体容器の色の規制がない(カラフルなものやおしゃれなデザインが多い)
耐用年数

8~10年

5年

使用上の注意 ・6ヶ月毎の法定点検が必要(防火対象物に設置した場合)
・薬剤の詰め替えが可能
・コンパクトで女性や高齢者でも操作しやすい
・薬剤の詰め替えが不可
法定点検 点検は有資格者が行う(一定期間は自主点検が可能) 取り扱い説明書に沿って点検を実施

※参考:日本消防検定協定

インターネットで消火器を「業務用」「家庭用」で検索してみると、価格やデザインでも違いがあることがわかります。
住宅用(家庭用)の消火器は、誰でも簡単に使用できるよう小型で軽量のものが多く、デザインについても規制がないためキャラクターのものやカラフルなものも販売されています。
業務用に比べると安価なものが多く、数千円~一万円程度で販売されているのも特徴の一つです。

一方で業務用は屋外でも利用されることを想定し、家庭用消火器よりも大型で重く、頑丈に作られています。
数千円と安価なものもありますが、数万円程度の高価なものも販売されています。
法律で消火器の設置が義務づけられている場所に設置できることができますが、もし家庭用の消火器を設置していた場合は消火器とみなされません。
そのため、消火器の設置義務がある場所には必ず業務用消火器の設置が必要だということを覚えておきましょう。

消火器によって対応できる火災が異なる

住宅用(家庭用)消火器には、中に入っている消火薬剤の種類が以下の3つあります。
※エアゾールタイプは、「消火スプレー」などと呼ばれ、厳密に言うと消火器ではありません。
しかし用途や使い方は消火器に準じますので、ここでは消火器の一種として紹介します。

火災には種類が3つあり、それぞれの火災に適したタイプの消火器を選ぶことが大切です。

【火災タイプ】

  • A火災(普通火災)…木材、紙、繊維など
  • B火災(油火災)…石油類その他の可燃性液体、油脂類など
  • C火災(電気火災)…電気設備・電気器具など

【消火薬剤の種類】

粉末タイプ 広範囲の消火に威力を発揮し、消火力が高い。
もっとも普及しているABC粉末タイプはあらゆる種類の火災に対応している。
使用後は粉が飛び散るので掃除が大変だというデメリットも。
液体(強化液)タイプ 天ぷら油火災の初期消火(B火災)や、布団やカーテンなど布類の初期消火(A火災)に効果を発揮する。
視界がクリアな状態で消火でき、火元を確認しやすい。
ただし、消火スピードが粉末タイプより劣る。
エアゾールタイプ ヘアスプレーと同様の使い方なので、取り扱いが容易。
軽量かつコンパクトなので場所を取らないこともメリット。
粉末・強化液タイプより消火力が低く、内容量も少ないため補助的な役割で使うのがおすすめ。
エアゾール式の消火器具の使用期限は3年程度。

家庭用消火器の必要性

現在、住宅用(家庭用)消火器の設置は義務ではありません。(2024年時点)
しかし、家庭で消火器を持っておくことは、万が一の火災に備えておくと安心だと言えます。

例えばストーブから周囲に火が移ってしまった場合や、キッチンの油から出火した場合など、初期の時点で消火をすることは、大きな火災を防ぐために有効だと言えるでしょう。
実際に、『東京消防庁』のデータでは、消火器を使用した初期消火成功率が8割を超えていることがわかっています。

火が出たときに真っ先に思い浮かぶのが「水」での消火という人も多いかもしれませんが、消火剤が3kg入った消火器はバケツ9杯分の水に相当します。
的確に消火するためにも、消火器を備えておくことが安心だと言えるでしょう。

ただし、お伝えしたように火災にはA.B.Cの3つの種類があり、それぞれに適した消火器を用意するのがおすすめです。
例えば、リビングならA火災、キッチンならB火災、電気機器周辺ならC火災というように、場所によって考えられる火災を想定して消火器を設置するようにしましょう。

飲食店は小規模であっても設置が義務化されている

2019年10月1日に消防法施行令の一部が改正されたことにより、火を取り扱う飲食店などは規模に関わらず消火器具の設置と点検・報告が義務化されました
そのため、設置した消火器は6か月ごとに点検を実施し、点検結果を記録して、1年に1回所轄の消防署へ報告する義務があります。

また、キッチンカーや屋台であっても、イベントなど「多数の人が集まる場所」でガスコンロ等の火器使用器具を使って出店するときは、消化器の設置と届出が義務になっています。

消火器の使用期限が切れたらどうなるの?

消火器を設置したらどのように管理すればいいのでしょうか。
期限が切れた消火器の危険性についてもご紹介します。

いざという時に使えないだけではなく、ケガや死亡事故のおそれも

消火器は、外側の腐食が進むと中に湿気が溜まり、薬剤が固まってしまうことがあります。
するといざというときに消火剤が出てこないため、役に立ちません。
出火したときに消火器を持ち出して、火を消そうとしたら使えないなんて…考えたらゾッとしますよね。

また、消火器はレバーを握ると高圧で内部の消火剤を押し出す仕組みになっており、腐食が進んでいると使用しようとしたときに中の圧力に耐えきれず、破裂して死亡事故に繋がるおそれもあります。

消火器本体を見て使用期限を確認

ほとんどの消火器は、本体容器側面に使用期限が記されています。
しかし使用期限に関わらず、以下のような環境では劣化が早く進んでしまうこともあります。

  • 雨水がかかる
  • 湿気が多い
  • 潮風が当たる

など。

ほかにも容器上下の溶接部がさびていたり、側面に傷や変形が生じていたりするものは破裂のおそれがあるため、使用しないようにしてください。

消火器を設置したら定期的に点検を

家庭での消火器の設置率について、『日本消火器工業会・消火器リサイクル推進センター』が調査した結果、一般家庭の保有率は約41 %だということがわかっています。(2016年調査)
約半数が保有しているという結果の一方で、製造後10年を超えている(使用期限切れ)ものが約26%だったということもわかっています。

消火器には業務用、家庭用のそれぞれで使用期限・耐用年数があるため、説明書や消火器本体を見て確認しておきましょう。

また、業務用の消火器に関しては6か月に一度法定点検を受ける義務があります
ほかにも風雨にさらされる屋外に設置する場合は格納箱に入れる、高温多湿な場所を避けるといったことにも注意するようにしましょう。

消火器の処分方法

不要になった消火器を捨てようと思ったとき、自治体で捨てることはできないかと考える人も少なくないでしょう。
しかし、消火器は「処理が困難なもの」とされ、多くの自治体では捨てることができません

また、2010年から消火器を処分する際はリサイクルシステムが運用されているため、適切に廃棄しなければなりません。
そのため、消火器は自治体以外の方法で処分する必要があります。

それが次の4つの方法です。

  1. リサイクルセンターへ回収を依頼する
  2. 買い替えの際に販売店に引き取ってもらう
  3. ゆうパックによる回収
  4. 不用品回収業者に依頼する

処分方法1.リサイクルセンターへ回収を依頼する(2,000円~3,000円)

古くなった消火器は、リサイクルするために『消火器リサイクル推進センター』が消火器の回収をおこない、再資源化しています。
自治体でも、消火器の処分方法として『消火器リサイクル推進センター』を紹介しているところが多いため、不明な点は問い合わせてみるとよいでしょう。

このサイトでは、自宅の近くにある消火器を処分してくれる業者を検索することができます。
その場合、直接持ち込んで処分する方法か、回収してもらう方法のどちらを選ぶかによって依頼先が変わります。

 

引き取りを依頼したい場合特定窓口へ依頼

・特定窓口は、主に「消火器の販売代理店」や「防災・防犯事業者」が請け負っており、全国に約5,000ヵ所あります。
・リサイクルシールが貼られていない消火器は、シールを購入し貼り付けてください。
・リサイクルシール代以外に収集運搬費などがかかります。

持ち込んで処分したい場合特定窓口か指定引取場所へ依頼

・指定引取場所は「消火器メーカー営業所」や「廃棄物処理業者」が請け負っており、全国に約200ヵ所あります。
・リサイクルシールが貼られていない消火器は、シールを購入し貼り付けてください。
・リサイクルシール代以外に保管費などがかかることがあります。

 

※「リサイクルシール」は指定引取場所または特定窓口(消火器販売店等)で購入します。

画像出典:日本消火器工業会

処分にかかる費用はオープン価格となるため、直接窓口へ問い合わせる必要があります。
また、消火器は中身が入ったままでも回収してもらえます。

ただし、以下のものは回収できないためご注意ください。

  • 外国メーカー製消火器
  • スプレータイプ(エアゾール式)

あくまで回収対象は「国内メーカーが製造した消火器」となるため、あらかじめ確認しておきましょう。

処分方法2.買い替えの際に販売店に引き取ってもらう(無料)

新しい消火器を買い替える際に、販売店で引き取ってもらう方法もあります。
例えばホームセンターでは購入した商品と同等品を引き取ってもらえるサービスをおこなっていることが多く、回収費用が無料であることがほとんどです。

買い替えるときに、古い消火器の回収をおこなっているかどうか確認しておくとよいでしょう。
ただし、持ち込みに限ることや、購入時のレシートが必要になる場合もあるため、こちらも確認しておくと安心です。

消火器の回収サービスをおこなっている店舗は以下のとおりです。

店舗名 サービス内容
カインズ ・店舗にて持ち込み
・店舗で購入の場合はレシート、オンラインショップにて購入の場合は「納品書」または「明細書」が必要
ビバホーム ・店舗にて持ち込み
・同じ本数と同等の大きさの消火器を無料で引き取り(店舗によって異なる)
コーナン ・お買上げ1点につき同等品1点無料で引き取り

ほかにも消火器を販売している店舗では、買い替えの際に引き取ってもらえることがあるため、お近くの店舗へ確認してみましょう。
ただし、亀裂や破損のあるものは回収してもらえない可能性もあります。
持ち込む前に消火器の状態を確認し、心配な場合は問い合わせておくのがおすすめです。

処分方法3.ゆうパックによる回収(6,270円)

日本郵政グループは、家庭に設置されていた廃消火器の「ゆうパック」による回収をおこなっています。
利用の際は事前申し込みが必要になりますが、近隣に指定引取所がない場合や持ち込むのが困難な方には便利なサービスです。

ただし、法人の利用はできません
また、エアゾール式(スプレータイプ)のものや薬剤量3kgを超える消火器、据置式消火器などは処分できないためご注意ください。

利用方法の手順は以下のとおりです。

  1. WEBサイト(エコサイクルセンター)にて回収の申し込みをおこなう
  2. ゆうパック伝票が届く
  3. 消火器を梱包し、郵便局へ集荷を依頼する(ゆうパック)、または郵便局へ持ち込む

※エコサイクルセンター問い合わせ先
TEL 0120-822-306
平日 10:00~12:00、13:00~17:00

回収費用:6,270円(税込み)
対象品:薬剤料3㎏以下、または3L以下の消火器

処分方法4.不用品回収業者へ依頼する(3,000円~)

不用品回収業者では、家具や家電といった家庭から出る不用品と一緒に不要になった消火器の回収をおこなってもらえます。
消火器の状態に関わらず引き取ってもらうことができますし、自宅まで取りに来てもらえるため手間がかかりません。

また、一般的には回収をおこなっていない「海外製の消火器」や「エアゾール式消火器」の回収も可能で、中身が入ったままでも大丈夫です。
引っ越しや遺品整理など、ほかにも不用品がたくさんあるという場合にもまとめて処分できるので、時間や労力を節約したい方にピッタリでしょう。

ただし不用品回収をおこなう業者は多いため、優良な業者を選ぶためにも複数社で見積もりを依頼してください。
見積もり内容が明確かどうかや作業後に費用が上がらないかどうかなどを、事前に確認しておくとよいでしょう。

不用品回収業者へ依頼する手順は以下のようです。

  1. 不用品回収業者のWEBサイトや電話で見積もり依頼をする
  2. 見積もり後、契約
  3. 即日または後日、不用品を回収
  4. 支払い

※業者によって回収品目が異なることもあるため、事前に確認してください。

海外製やエアゾール式の消火器の処分方法

消火器は回収後にリサイクルされますが、対象の消火器は国内製のものになります。
また、エアゾール式消火器もリサイクル対象ではないため、この2点に関してはほかの方法で処分しなければなりません。

海外製の消火器の処分方法

海外製の消火器を処分したいときは、メーカーや販売店に問い合わせてみましょう。
また、ホームセンターで新しい消火器を買い替えた場合に引き取ってもらえることもあるため、問い合わせてみてください。

ほかに不用品回収業者で引き取ってもらう方法もあります。

エアゾール式消火器の処分方法

エアゾール式消火器は中身を出し切ってから自治体のルールに従って処分します。

多くの自治体でエアゾール式消火器はスプレー缶として捨てることができ、「不燃ごみ」「資源ごみ」「発火性危険物」などに分類されていますので、お住まいの地域で確認してください。

例えば名古屋市では「可燃ごみ」の収集日に「資源ごみ」の指定袋に入れてから出すようになっています。
その際中身は出し切り、スプレー缶に穴は開けずに出すようにしましょう。

スプレー缶に穴を開けるかどうかは自治体によって異なりますが、穴を開けないことがほとんどです。
また、中身を出し切る方法は、袋の中に新聞紙を7~8枚入れてから本体をなるべく垂直にした状態でボタンを押すようにします。
内容物に関しては「可燃ごみ」となることが多いですが、こちらもお住まいの自治体のルールを確認するようにしましょう。

まとめ

消火器はいざという時に命や家屋を守ってくれるため、設置しておくのが安心です。
しかし、使用方法や保管方法を正しく守らないと、使用できないばかりかケガをするおそれもあります。
消化器の使用期限は家庭用で5年、業務用なら10年だということを覚えておきましょう。

また、処分方法についても自治体では処分できないため、注意しなければなりません。
消防署でも回収・処分はおこなっていないため、本記事でご紹介した方法の中から処分方法を選ぶようにしてください。

消火器の処分は、買い替え時にホームセンターで引き取ってもらう方法以外では費用が発生してしまいます。
どの方法が手間がかからないかや、消火器の状態によって選択するとよいでしょう。

 

消火器の処分にお困りの方は『ラクタス』に是非ご相談ください。
国内・海外製問わず、中身が入ったままや数本まとめてなど、消火器以外のさまざまな不用品もまとめて回収・処分いたします。
法人用、家庭用どちらもOKですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

2024-04-02

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