更新日:2023年1月5日
「犬派か、猫派か」なんて言われるほど、ペットの代表格といえば、昔からの犬と猫が根強い人気ですよね。
中でも猫は、散歩がいらない、声が響かない、犬に比べて長時間のお留守番ができるなどの点から単身者でも”飼いやすい”と言われていますが、犬でも猫でも、動物を飼うということは簡単ではありません。
猫によっては非常に寂しがりやな子もいますし、外に聞こえるほど声が大きい子もいます。
そしてよりデリケートにならなくてはいけないのが猫の「トイレ」の問題です。
猫はきれい好きなので、トイレのしつけは比較的スムーズに覚えてくれることが多いのですが、実はトイレ自体にはかなりこだわりがある子もいます。
気に入らないトイレや掃除を怠っていると辺りで粗相をしてしまうだけでなく、尿路疾患など深刻な病気になってしまうこともあるのです。
鉱物、紙、おからや木など猫のトイレ用の砂には様々な素材がありますので、うちの子にはどれを使えばいいんだ?と店頭で頭を悩ませた飼い主さんも多いと思います。
猫がどれを気にいるかも勿論大事ですが、素材によっては自治体で処分のルールが違うことも。
処分の仕方を誤ると、猫砂が回収されず持ち帰るはめになり、そこから汚部屋になってしまったり、捨てられないからと汚れた猫砂を使い続けることで愛猫が病気になってしまうかもしれません。
そうならないためにも、今回は素材別の猫砂の処分方法をご紹介したいと思います!
気になる臭いの対策や、捨てる際のマナーについても説明していますので、ご参考になれば幸いです。
目次
猫砂の素材を知ろう!
まずは猫砂にはどんな種類があるのかを知っておきましょう。
猫のトイレ用の砂、いわゆる「猫砂」には
- 鉱物系の猫砂…自然の砂に近い
- パルプなどの紙素材…軽くて扱いやすい
- おからの砂…口に入っても安心
- 木製…砂埃が立ちにくい
- シリカゲルなど無機物系…消臭効果が高い
と様々な種類があります。それぞれの特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。
鉱物系の猫砂
ベントナイトやゼオライトなど、鉱物を使った猫砂です。自然の砂に近い踏み心地、掘り心地でこれしか使わないという猫ちゃんも多いと聞きます。
おしっこの水分でしっかりと固まるものが多く、そこだけ色がつくため掃除がしやすいのも特徴です。
ただ粒が細かいため猫ちゃんの足裏にくっついたりしてトイレの外にも飛び散りやすく、また砂埃もよく立つため掃除の時にうっかり吸い込んでしまうとむせてしまったり、周りを汚してしまうことも。
紙素材の猫砂
パルプなど紙素材でできている猫砂は、軽いので大量に買ったり、持ち運ぶ際には便利です。紙ですので燃やすことができ、可燃ごみとして捨てることができる自治体も多く、また水に溶けるためトイレに流すことができる商品もあります。
軽いため飛び散りやすいというデメリットや、湿気に弱く梅雨のときなどは劣化してしまい、消臭能力が落ちてしまうこともあります。
おからの猫砂
豆腐を作ったあとにできる絞りかすである「おから」を使用した猫砂も最近は人気です。
元が食品のため猫ちゃんが掘って砂埃が立っても空気を汚さない点や、猫の口に入っても害がないという安全性から選ぶ人が多い素材となっています。
ただ商品によっては固まるのが遅かったり、おから独特の匂いがするものもあるので猫ちゃんによって好みが分かれるところです。
木製の猫砂
おがくずなど、木材の加工をする上で出た廃材を使用している木製の猫砂。人工的に匂いがつけてある猫砂も多いですが、木製の猫砂の木の自然な香りを好む猫ちゃんも多いです。
やや大粒のものが多いので、自然の砂に近い小粒の砂を好む猫には敬遠されてしまうかもしれません。
また木製の猫砂の中には固まりが弱いものが多く、掃除の際に崩れてしまうというデメリットも見受けられます。
鉱物系の砂ほどではありませんがやや重く、お店から直接買って帰るには少し骨が折れる…というお話も。
シリカゲルの猫砂
食べ物のパッケージに乾燥剤として一緒に入っていることが多いシリカゲル。
そのシリカゲルを使用した猫砂は、ベントナイトなど鉱物系の猫砂と同様、無機物系の猫砂ですが使い方がやや異なります。
シリカゲルの猫砂はシステムトイレに使用することが多く、おしっこやうんちの水分を吸収し、すぐに乾燥させてくれるため消臭力がとても高いのが特徴です。
他の猫砂に比べて交換頻度がとても少なくて済むのも大きなメリットと言えますね。
猫砂の主な処分方法
現在主流の猫砂の種類がわかったところで、今度は捨て方を見ていきましょう。
先程紹介した猫砂は、大きく
- 有機系…紙、おから、木
- 無機物系…ベントナイト、シリカゲル
に分けることができ、それぞれ推奨される捨て方が異なります。
有機系の猫砂の処分方法…基本は可燃ごみ
紙やおから、木などで自然の物からできた有機系と呼ばれる猫砂は、可燃ごみとして処分することが可能です。
パッケージに「トイレに流せる」と書いてある猫砂も多いですが、なるべくなら燃えるごみとして捨てたほうがいいと思います。
●水に流せる猫砂の注意点
袋にトイレに流せると書いてあっても、猫砂はすぐに溶けてなくなるわけではありません。
一度に多くの猫砂を流したり、一つの塊が大きかったりするとパイプが詰まって大変なことになったケースもあります。
また、バクテリアによる濾過式のトイレに猫砂を流してしまうと、浄化槽の機能が落ちてしまったり、バクテリアの生態系に影響が出ることもありますのでこちらのトイレには猫砂を流すことはおすすめできません。
猫砂をトイレに流す際には、
- 時間差で、数回に分けて流す
- 4~5センチ以内の塊にする
- バクテリアによる濾過式のトイレには流さない
- 節水タイプのトイレには流さない
以上を守って、少しずつ流すようにしましょう。
自治体によっては流せるタイプの猫砂であっても可燃ごみで捨てることに統一されているところもありますので、猫砂を捨てる際にはこちらも確認しておくと良いでしょう。
無機物系の猫砂の処分方法…基本は不燃ごみ
ベントナイトやゼオライトなどの鉱物や、シリカゲルといった無機物系の猫砂は不燃ごみでの処分が基本です。
ただこちらも自治体によっては可燃ごみとして処分しなくてはいけないケースもあるため、お住まいの自治体に一度確認しておきましょう。
特にゼオライトの含まれている猫砂は、おしっこのかかった部分だけ可燃ごみで、あとは不燃ごみですてなくてはいけない…など、ルールが細かい場合があります。
名古屋市では猫砂は可燃ごみで処分できる!
無機物系の猫砂は不燃ごみで捨てなくてはいけない自治体も多いですが、愛知県名古屋市では猫砂は基本的には可燃ごみとして処分が可能でした!
「ネコのトイレ砂」とあるものがそうです。
猫のうんちはどう処分する?
おしっこのついた固まった猫砂などは可燃ごみや不燃ごみで処分できますが、うんちの処分はどのようにしたら良いのでしょう。
ついた猫砂をなるべく払ってトイレに流す、という飼い主さんもいましたが、猫のうんちは毛づくろいの際に飲み込んだ毛が多く、それがパイプに詰まってしまうというトラブルになることも。
基本は砂と一緒に捨てるのが良さそうですね。
猫砂を捨てる際のマナーについて
ごみとして捨てることができる猫砂ですが、トイレに使用したものですので当然臭います。
自分は愛するペットのものなので多少は気にならないかもしれませんが、ごみの収集場所は他の方も使うところです。
必ず小さな袋に入れて、口を縛ってからごみ袋に入れるようにしましょう。
ニオイ対策だけでなく、万一ごみ袋が破れた時に砂が散らばるのも防げます!
自治体によっては新聞紙で包むというルールもありますので、よく配慮して猫砂を捨てるようにしましょうね。
猫砂を捨てるときに嬉しい便利グッズ
ペットの排泄物や猫砂を捨てる際には便利な「臭わない袋(BOS)」を使いましょう。
赤ちゃんのおむつを捨てるときに使う袋と同じもので、これに猫砂を入れて口を結ぶと不思議と臭いが漏れない優れもの。
こちらの専用袋は燃やした時に有害物質が出ないのも大きな特徴です。
ペット用品店は勿論、ドラッグストアや100円ショップでも見かけることができますが、もし近所に売っていなければキッチン用のビニール袋を二重に重ねるだけでもだいぶ違います!
また、そうしてできた猫砂の入った袋はごみの日に捨てるまでの間、猫砂専用の防臭ごみ箱に保管しておくと徹底している方もいるようです。
臭いを完全にシャットアウトしてくれるので、ごみ回収の日まで期間が空いてしまっても安心ですね。
トイレの容器本体を捨てたいというときは
猫のトイレの本体はほとんどがプラスチック製ですので、可燃ごみとして捨てられる自治体が多いはずです。
全自動のクリーニングがついているものなど、金属パーツが含まれているものは不燃ごみとして捨てなくてはいけないこともありますので、こちらも処分の前に自治体に確認しておきましょう。
またサイズによっては猫のトイレは粗大ごみの区分になることもあります。
名古屋市では1辺の長さが30センチを超えると粗大ごみ扱いになるため、体の大きな猫ちゃんや、広いトイレが好みのねこちゃんの場合はこちらの方法で処分することになるかもしれませんね。
新しいものなら誰かに譲ってもOK
猫は縄張り意識の強い生き物ですので、他の猫の臭いがついてしまったトイレは使ってくれないかもしれませんが、もし
「買ったばかりだけど猫が気に入らず、使ってくれなかった…」
「予備用のトイレでほとんど使う機会がなかった」
というトイレ本体であれば、身近に猫を飼っている人がいたら使ってもらうと良いでしょう。
身近に猫仲間がいない場合でも、メルカリなどのフリマアプリで取引をしたり、ジモティなどの地域掲示板で近場の欲しい人に譲ってあげても喜ばれるかもしれません。
猫のトイレを売買する際には、屋根があるタイプはかさばるため、送料を出品者が負担する際には高額になることが多いです。
その点は考慮した上で値付けを行いましょう。
大量にある場合は寄付や不用品回収業者の利用を!
もし猫のトイレ砂やトイレ本体だけでなく、開封していないフードやおもちゃなど、猫グッズが大量にあるという場合は、保護猫のシェルターで寄付を受け付けていないか聞いてみると良いでしょう。
保護猫シェルターには日々、たくさんの猫がレスキューされてきます。今は使用していない猫グッズが、その猫たちの支援につながればこちらの気持ちも嬉しくなりますよね。
シェルターによっては決まったものを使うことになっているかもしれませんので、善意を押し付ける形にならないようよく確認することが大切です。
また送料は基本こちら持ちとなります。近くにそうした場所があるというときには直接持っていってもいいかもしれませんね。
猫グッズだけでなく、他にも不用品がたくさんある場合や、ごみとして捨てるはずの使用済みの猫砂が大量にあって困っている…というとき。
もう手に負えなくて猫屋敷、ごみ屋敷化してしまっている…というときには不用品回収業者やごみ屋敷片付け業者を頼ることも視野に入れておいてください。
まとめ
一口に猫砂と言っても、猫のトイレ砂にも様々な種類があること、捨て方も様々であることを紹介してまいりました。
我が家の猫は絶対にベントナイト系の砂でないと用を足してくれないのですが、友人のところの猫はこだわりなく、どんな猫砂に変えても大丈夫なのだそうです。実家の子は逆に砂がだめで、ペットシートでないとおしっこできないとか。
猫によって好みは様々で、人間の意図した方へはなかなか言うことを聞いてもらえないことも多いですが…。そうしたわがままを聞いているときすら、猫好きにとっては愛おしい時間です。
清潔なトイレで快適に、健康で長く過ごしてもらえるように。猫砂は正しい方法で処分しましょう!