更新日:2022年12月11日
ごみ屋敷の清掃を依頼する人の中には『潔癖症』だという方もいらっしゃいます。
ごみ屋敷に住んでいるのに潔癖症なの?と驚かれる方もいるかもしれませんね。
しかし、家がごみ屋敷となってしまう原因はさまざまあり、中には潔癖症がゆえにごみ屋敷となってしまう人もいるのです。
そもそも潔癖症であることが、なぜごみ屋敷の原因になってしまうのでしょうか。
また、その背景にはどのような事情があるのか。
今回は潔癖症とごみ屋敷の関係についてまとめてみました。
目次
潔癖症とは
潔癖症について、きれい好きというイメージはありませんか?
しかし、きれい好きと潔癖症は違います。
「潔癖症」とは、「不潔なものや不正なことを極度に嫌う症状のこと」を指します。
きれい好きの人が「きれいな状態が好きだから好んで掃除している」のに対し、潔癖症の人は「自分の行動に対してストレスや生きづらさを感じている」という人が多い傾向にあります。
潔癖症の人は汚れているものや誰が触ったかわからないものを触るのを極端に嫌がります。
例えば、公共の場のエレベーターのボタンや電車のつり革、階段の手すりなども触りたくないという人がほとんどです。
しかし、潔癖症が行き過ぎてしまうと自分の出すごみや家の汚れが触れない、といったことになる場合もあります。
潔癖症にはタイプが2種類ある
潔癖症は大きく分けると『不潔恐怖症』と『汚染恐怖』の2種類があります。
それぞれ特徴がありますので詳しく紹介します。
不潔恐怖症
不潔恐怖症は一般的な潔癖症のことを指します。
潔癖症は医学用語で「不潔恐怖症」と呼ばれ、汚れを過剰に気にすることであり、現実に汚れているかどうかが問題ではなく、一旦取りついた強迫観念(不潔恐怖)を治めるために、さらに汚れを落とそうとするような脅迫行為を繰り返すノイローゼ(強迫神経症)の一種であるとされています。
例えば、他人が触ったものに触ることができない、友人や家族であっても一緒に鍋を食べることができない、古着を着ることができないなど、他人や物に存在するであろう細菌や病原菌に汚染を受けることを恐れる傾向があります。
汚染恐怖
一方で、「汚染恐怖」は強迫性障害の一種とされており、一般的な潔癖症よりもさらに潔癖になってしまう傾向があります。
実際にはそれほど汚れていないのに、汚染される不安や汚染への恐怖や嫌悪が浮かんで、それが頭から離れないという人が多いようです。
そのため、手洗いや入浴と言った体を洗浄する行為が長くなり、自分でもやめることができずに日常生活が困難になるという人もいます。
「強迫性障害」についてはこの後詳しくご紹介しますのでご覧ください。
潔癖症になる原因は幼少期の環境が関係している
「潔癖症は性格だから仕方がない」
そんな風に思っていませんか?
しかし潔癖症の原因の根源には、子どもの頃の環境による心の問題が関係していると言われています。
「小さい頃から親に厳しくしつけられて育った 」
「挑戦したい事ややりたいことができずに育った 」
「過去に人間関係や環境の急激な変化があった 」
といった経験のある人は、潔癖症になる確率が高くなります。
幼少期に負った心の傷やトラウマなどが原因で防御反応が働き、これが過度に反応することでノイローゼのような症状になり、潔癖症となっていると言われています。
また、親が潔癖症であると子どもも潔癖症になりやすくなります。
潔癖症は遺伝するのではないかと言われていますが、これにはやはり幼少期の環境が関係していて、親や兄弟が潔癖症だと同じように自分も潔癖症になってしまうという方が多くなります。
いつも家がきれいだった、親の行動を見ていて自分も潔癖症になってしまったというケースはよくあることです。
潔癖症は『強迫性障害』と似ている
単なる潔癖症だと思っていたら、『強迫性障害』だったというケースもあります。
強迫性障害は潔癖症と似ていますが別の病気です。
性格的な潔癖症とは違い、強迫性障害は不安障害の一種で、手洗いでさえ自分でコントロールすることができません。
強迫性障害は、頭の中にしつこく浮かぶ不快な考えやイメージ(強迫観念)にとらわれ、それを打ち消そうとする繰り返しの行為(強迫行為)が止められず、日常生活や精神状態に大きな影響をおよぼす病気と言われています。
具体的には、「鍵をかけたか不安になり何度も確認してしまう」「手についた汚れが落ちているか心配で何度も手を洗ってしまう」というような行動を繰り返します。
この「何度も手を洗ってしまう」「分かってはいてもやめられない」というのは汚染恐怖によるものです。
きれいな状態が好き、というよりも、汚れるのが怖い、不安だ、排除したい、という気持ちから掃除や除菌が過剰になってしまうというわけです。
中には30分、1時間と手を洗い続けてしまうという人もいます。
手の皮が剥けて赤く腫れていても手洗いをやめられない…そんな状況を見て、潔癖症ではなく病気なのではないかと家族が気付くケースもあります。
新型コロナウイルスの流行で潔癖症が悪化する人が増えた?
ここ数年、新型コロナウイルスの影響により潔癖症の人もそうでない人も手洗いをする回数が増えました。
また、外へ行けばあちこちに消毒液が置いてあり、大人から子どもまで1日何回も手の消毒をする…という人も多いでしょう。
感染対策が当たり前となっていますが、感染不安から極度に手を洗ってしまう、手が汚れていないか気になって仕方がない、という人は要注意です。
もうすでに「潔癖症かもしれない…」と自覚している人もいるでしょう。
今までは軽い潔癖症だった人がコロナウイルスの流行後、手すりやエレベーターのボタンが触れなくなった、外に出るときはずっと手袋を付けている、というように、潔癖症が悪化する人もいるようです。
また、親が子どもに対してウイルスや菌に過剰に反応することで、子どもが潔癖症や強迫性障害を発症するケースもあります。
例えば、「コロナウイルスが付いているからあちこち触ってはダメ」「ウイルスが体に入ると死ぬかもしれない」など、親の過度な反応は子どもに恐怖心を植え付けることになります。
このような親の言動で、子どもは「~しないといけない」「~かもしれない」という一種の強迫概念にとらわれ、何度も同じことを繰り返してしまう…つまり手を洗い続けるなどの行為に至るのです。
潔癖症なのに汚部屋?ごみ屋敷になるのはなぜ?
潔癖症なのにごみ屋敷に住んでいるなんて矛盾している、と思う方もいるでしょう。
しかし、潔癖症が原因でごみ屋敷となってしまうには理由があります。
通常、潔癖症の人は自分のものであれば触っても大丈夫、という人が多いのですが、中には「自分の出したごみであっても触れない」という人もいます。
自分の身体を清潔に保ちたい、汚いものに関与したくないという気持ちから、ごみや汚れなどが触れないということです。
しかし、生活していく上でごみは必ず出てしまいますし、家の中を使用すれば当然汚れます。
極度の潔癖症の人は、ごみや汚れも触ることができず、そのまま放置しているうちに家がごみや物で溢れる汚部屋となったり、ごみ屋敷となってしまうというわけです。
ごみ屋敷の中で生活できるということは潔癖症ではないのでは、と疑いをかけたくもなりますよね。
潔癖症の人がごみ屋敷で住んでいる場合、ごみの上にカーペットを敷いてごみに触れないようにしていたり、自分が過ごす場所だけはキレイにしてして他の部屋はごみだらけになっていたりと、とりあえず応急処置のような対処をして過ごしていた方が多いようです。
自分の身体は清潔に保つよう心掛けているため、周囲の人に家が汚部屋やごみ屋敷であることを知られていないということも多くなります。
しかし、ごみや汚れを隠していても解決にはなりませんし、放置しているとどんどんごみは溜まり、汚れも蓄積されます。
健康被害や火災が発生するリスクもあるため、早めに片付けることをおすすめします。
潔癖症が原因でごみ屋敷になってしまった!その解決策は
「潔癖症のせいで家がごみ屋敷になってしまったけど、なんとかしたい」
「潔癖症を治して汚部屋から脱出したい」
そんな風に悩んでいる方もいらっしゃいます。
もちろん、自分で家の中を片付けて掃除ができればよいのでしょうが、そう簡単にいかないこともあります。
潔癖症を矯正し、自分で部屋を掃除するのが難しいのはもちろん、ごみ屋敷となってしまった家を自力で片付けるには相当な労力と時間がかかります。
何から手を付けてよいかわからない…という方のために、手順をご紹介します。
潔癖症は治せるのか
結論から言うと、潔癖症は治すのが難しいとされています。
癖と同じように、その人の性格と深く関わりのある潔癖症は「これをすればすぐに改善できる!」というような治療法はありません。
しかし、症状を和らげたり、時間をかけて徐々に治していくということはできます。
潔癖症を「悪」と捉えずに、日常生活が困難にならないレベルまで改善するということを目標に治療していきましょう。
まず自分でできることは、「汚れているものに慣れる」ということです。
潔癖症の人は「汚れ」を極端に嫌いますが、実際はそんなに汚れていないことがほとんどです。
例えば電車のつり革やATMのパネルなどを素手で触ってみても、そこから細菌が体に入って死ぬ、というようなことはまずありえません。
「多少は大丈夫だ」と思えることが大事です。
自分では恐れや不安を感じていたものが、それほど危険ではない、ということを知ることで潔癖症が改善することが期待できます。
ただし、家がごみ屋敷となってしまうほど過度な潔癖症や強迫性障害だった場合、自分で治すのはかなり困難になります。
その場合、精神科や診療内科を受診して医師と一緒に治療するという方法もあります。
具体的には薬物療法やカウンセリングをしながら症状を改善していくという方法で、適切に治療を受ければ治る可能性が高くなります。
この場合も、「完全に治す」ということにこだわらず、「日常生活が困らない程度」を目標に治療していきましょう。
ごみ屋敷を掃除するのは自分で?それとも業者へ依頼する?
潔癖症の人が汚部屋やごみ屋敷を掃除するのは通常の人が掃除するよりも大変です。
ただでさえ時間や労力のかかる作業ですが、潔癖症の人が行うと、よりストレスがかかる可能性があります。
潔癖症は完全に治療するのは困難ですし、改善するためには時間もかかります。
しかし、ごみ屋敷となってしまった家を放置しておくのはよくありません。
そんな時はプロの業者へ依頼するのがおすすめです。
ごみ屋敷専門業者であれば、短時間で部屋をきれいにしてもらえるだけでなく、除菌や消臭なども行ってもらえます。
お風呂やトイレなど、潔癖症の人が触りたくないと感じる場所でも、あっという間にピカピカにしてもらえるため、労力や精神的な負担もかかりません。
「ごみがいっぱいの家を見られるのが恥ずかしい」
「他人が家の中に入るのに抵抗がある」
という方でも、ごみ屋敷専門業者であればプロですので、安心して依頼することができます。
また、女性スタッフが在籍する業者もありますので、自分の状況や希望に合わせて業者を選ぶようにしましょう。
『ラクタス』はごみ屋敷清掃専門業者で、女性スタッフが在籍し、心理カウンセラー、整理収納アドバイザーなどの資格のあるスタッフもいます。
多くの清掃経験を積んでいるため、どんなお部屋でもお任せください。
ごみ屋敷の掃除の料金は無料の出張見積もりで
掃除の料金は、ごみの量や部屋数、スタッフの人数、トラックの大きさなどから見積もりが出ます。
「ごみ屋敷」と一口に言っても、物の量や重症度は1軒1軒全く異なります。
そのため、メールやLINEでもおおよその概算見積もりまではできますが、実際に現場を見ないと正しい見積もりは出せません。
出張見積もりを利用すれば、正確な見積もりもわかりますし、費用を抑えるために「ここまではお客様で片づけてい ただく」など、ご予算に合わせた見積もり調整も可能です。
『ラクタス』では、年中無休で無料の出張見積もりをしております。
お客様の条件に合わなければキャンセルも無料です し、見積もり以上の料金をいただくこともありません。
周りの方に気づかれないような方法で作業も行いますので、 お気軽にお問い合わせください。
まとめ
潔癖症は絶対に治さないといけないような「悪いこと」ではありません。
しかし、日常生活に支障が出るような過度な潔癖症や強迫性障害であるなら、治療して改善することをおすすめします。
また、必ずしも「潔癖症=部屋がきれい」というわけではありません。
潔癖症であるために、家が汚部屋やごみ屋敷になってしまって悩んでいる方もたくさんいらっしゃいます。
そんなときは恥ずかしいと思わずにプロの手を借りてみませんか。
そして掃除や片付けを継続し、心身共に健康な生活を取り戻しましょう。
愛知・名古屋市近郊、横浜近郊でごみ屋敷のお片付けならラクタスへ
2022/12/09