更新日:2023年2月3日
「DIYで使ったペンキが大量に余ってしまって困っている、、、」
「ペンキを捨てたいけど、どうやって捨てたらいいのか分からないのでほったらかしになっている」
そんなお悩みを抱えている方もいると思います。日常生活でペンキを使う機会はほとんどないので、捨て方が分からないのも当然ですよね。しかし、捨て方が分からないからといってペンキをほったらかしにしておくと、自然発火して火災の原因となってしまうことも。このような事故が起こってしまっては取り返しがつかなくなりますよね。
また、ネットの間違った情報をうのみにしてペンキを下水道や排水溝に流してしまうと、環境問題の原因になったり水道管の詰まりを引き起こしてしまうこともあります。このような問題を引き起こさないためにも、余ってしまったペンキはほったらかしにせず、正しい方法で処分することが大切です。
それでもペンキを捨てるのが面倒くさいと思っている方もいるかもしれません。この記事ではそのような方のために、自分でペンキを捨てる方法だけでなく、業者に依頼する方法なども紹介しているので、ぜひご覧ください。
目次
ペンキを捨てる時に確認すべきこと
ペンキを捨てる際には、まず「残っているペンキの量」と「捨てるペンキが油性なのか水性なのか」という点について確認しておきましょう。
余ったペンキの量と種類によって、捨て方が変わってきます。
残っているペンキの量
残っているペンキの量が少量ならば、処分方法は簡単です。
不要な紙を用意し、刷毛やローラーを使ってペンキが無くなるまで塗り広げてから、ペンキを塗った紙を乾燥させます。乾燥させた紙は、多くの場合普通の可燃ごみとして捨てることができるので、各自治体が定める可燃ごみの日にゴミ袋に入れて捨てれば問題ありません。
余ったペンキの量が多かった場合は、紙に塗り広げるというやり方では時間がかかりすぎるため、塗料固化剤(残塗料処理剤)を利用して残った大量のペンキを固めてしまい、可燃ごみとして捨てるという方法が一般的です。なお、自治体によってはペンキの量にかかわらず収集してもらえない場合がありますので、事前にしっかり確認しておきましょう。
油性・水性
ペンキを固形にしてから捨てる場合には「塗料固化剤(残塗料処理剤)」が必要になるのですが、捨てるペンキが「油性」か「水性」かによって使用する塗料固化剤が変わってきます。捨てようとしているペンキの種類を確認してから、それぞれに対応した固化剤を購入するようにしてください。
油性・水性のどちらにも使える固化剤もあるため、捨てるペンキの種類が分からない場合は兼用の固化剤を購入するとよいでしょう。
NGなペンキの捨て方
ネット上では「少量の水性ペンキの場合、水で薄めれば排水溝(下水道)に流してもいい」という情報が出回っていますが、たとえ少量であっても、ペンキを下水道に流してはいけません。
下水道にペンキを流すことで、以下のようなリスクが発生します。
- 水道管の詰まり
- 下水を流す川の水質汚染
なお、水性ペンキか油性ペンキかは関係なく、どちらであろうと下水道へ流す行為はNGです。
これから正しいペンキの捨て方について紹介するので、正しい知識を身に着けて処分する際に参考にしてください。
自分でペンキを捨てる方法
ペンキを捨てる際には業者に依頼することも可能ですが、その分費用がかかってしまいます。
「自治体がペンキの収集をしない方針」・「個人では処理できないほど大量のペンキが余っている」というようなことがない限り、ペンキの処分は自分で行うことができるので、費用をかけたくない場合はここで解説する方法を参考にしてペンキを処分してください。
新聞紙に塗り広げる
残ったペンキの量がそこまで多くなければ、新聞紙や不要な布などを広げ、ローラーや刷毛を使ってペンキを塗り広げていくことですべて使い切ることができます。新聞紙や布に塗られたペンキを乾かせば、普通の可燃ごみとして捨てられることが多いので、この方法が最も簡単な捨て方となります。
ただし、自治体によってはペンキが塗られた紙や布を可燃ごみとして捨てられないこともあるため、自治体がどういう方針なのかを必ず確認するようにしてください。
新聞紙にしみこませる
残ったペンキの量がある程度多いようならば、塗り広げるよりも、丸めた新聞紙を残ったペンキの中に入れて吸い込ませる方が効率が良いです。
この場合も、ペンキがしみこんだ新聞紙を乾かせば可燃ごみとして捨てられることが多いです。
固化剤で固める
液体のペンキを固形化する溶剤のことを、「塗料固化剤(残塗料処理剤)」といいます。高い吸収性を誇る樹脂が使われており、液体であるペンキを素早く固めることができます。
残ったペンキの量が少なければ、前述した新聞紙を活用する方法でも捨てることができますが、ペンキが大量に余っている場合は新聞紙だけでは対応が非常に困難です。そんな時は、塗料固化剤を使って残ったペンキをすべて固めてしまいましょう。
固化剤を使う時に用意するのは、主に以下のようなものです。
- 塗料固化剤
- 手袋
- かき回すための棒
- 固まったペンキを入れる大きな容器
なお、ペンキが固まると体積が2倍以上に膨らむので、容器はできるだけ大きなものを用意しておきましょう。
塗料固化剤を使用したペンキの廃棄手順は以下の通りです。
- 残ったペンキを大きな容器に入れ、塗料固化剤を入れる
- 棒を使って、ペンキが完全なおから状になるまでよくかき混ぜる
- 「風通しがいい」・「火の気がない」・「湿気の少ない」という条件が揃っている場所で固化したペンキを乾燥させる
- カラカラに乾燥したら、一般の可燃ごみとして捨てる(自治体によっては一般ごみとして捨てられない場合あり)
その他のペンキの処分方法
ここまで、残ったペンキを自分で捨てる方法について紹介してきましたが、その他にもペンキを処分する方法はあります。
状況に応じて、以下のような方法も視野に入れてください。
塗料専門業者に依頼する
- 捨てたいペンキが大量に残っている
- 忙しくて自分で処理をする時間がない
- 固化剤を使って固めるのが面倒
こういった場合は、塗料専門業者にペンキの回収を依頼するという方法もあります。
もちろん費用はかかってしまいますが、余っているペンキを業者に渡すだけで済むため非常に楽です。一斗缶で3,000円前後ですので、自分で処理をするのが難しい方には最適な方法でしょう。
知り合いに譲る
あまり一般的な処分方法ではありませんが、もし周囲にDIYが趣味だという方がいれば、余ったペンキを譲ることもできます。捨てる前に、まずは知人や友人にペンキを必要としている人がいないか探してみるとよいでしょう。
また、不用品を売ったり無料で渡したりできるサイト「ジモティー」を使って、0円で出品するという方法もあります。
実際にジモティーを見てみると、使用済みのペンキが0円で出品されているケースがいくつもありますし、取引が成立している場合も多いです。知らない人に会うということに抵抗がなければ、ジモティーを利用して無料で処分するのも有効です。
不用品回収業者に依頼する
自分が住んでいる地域に塗料専門業者がない場合は、不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
不用品回収業者に依頼するメリットは以下のような点が挙げられます。
- 不用品の買い取りも依頼できる
- 他の不用品もまとめて処分できる
- 片付けも併せて依頼できる
- 事前準備が不要
このように不用品回収業者に依頼すれば、ペンキの処分だけでなく、他の不用品の処分や部屋の片付け・清掃も一緒にお願いすることができます。不用品回収業者への依頼は電話やメールで見積もり依頼をして、あとは見積もりに来てもらうのを待っているだけなので、準備いらずなのも嬉しいポイントですね。
また、価値のあるものは買い取りもしてくれるので、不用品回収の費用がお得になることも!
ただ、不用品回収業者の中には悪質業者も存在することには注意が必要です。例えば、無許可で営業を行っていたり、見積もりとはかけ離れた高額請求をしてくる業者などが挙げられます。
悪質業者に不用品回収を依頼してしまうと個人情報の流出などのトラブルに巻き込まれてしまうことも。このようなトラブルに巻き込まれないためには、信頼できる業者を探して依頼するようにしましょう。
信頼できる不用品回収業者の探し方が分からないという人は、以下のようなポイントを確認してみてください。
- 不用品回収の事例や実績を掲載している
- HPに会社の情報が掲載されている
- 自治体の営業認可を受けている
- 見積もりを書面に残している
逆に上のような特徴に当てはまらなかったり、無料で回収できると宣伝している業者は危険な可能性があります。
ラクタスは創業12年で不用品回収からゴミ屋敷の整理まで行っています。LINEやWebから無料でお見積りができるので、不用品の処分にお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
ペンキの缶を捨てる方法
ペンキだけでなく、ペンキが入っていた缶の捨て方に困っているという方も多いでしょう。
この項目では、以下の缶の捨て方について解説していきます。
- 小さな缶
- 一斗缶
- スプレー缶
なお、ごみの分別については各自治体によってルールが異なります。ここで紹介するのはあくまで「一般的なケース」ですので、ペンキ缶の捨て方についての詳細は、自治体に問い合わせるか、公式HPを確認するようにしてください。
小さな缶
小さな缶の場合は、まず捨てる前に中身をできるだけ綺麗に拭き取ってから、「不燃ごみ」・「金属ごみ」として捨てます。
あまりにも汚れが残っていると回収してもらえないこともあるので注意しましょう。
一斗缶
一斗缶も、小さな缶と同様に捨てる前には缶の中を綺麗に掃除しておきましょう。
そして捨てる際には、「粗大ごみ」として捨てるのが一般的です。缶の大きさで分別方法が変わることがあるので、自治体の分別方法を確認するようにしましょう。
スプレー缶
スプレー缶の場合、捨てる前にはガス抜きキャップを使って中身を空にするのが基本です。
しかし、ガス抜きキャップで中身を抜くかどうかは自治体によって異なるため注意が必要です。
「缶に穴を開けて、中のガスをしっかり抜いてから捨てる」と定めている自治体もありますし、ガス抜きをせずに「危険ごみ」として出す自治体もあるため、スプレー缶の捨て方については一概には言えません。
捨てる前に、自治体に確認を取るのが一番確実です。
ペンキを処分する際の注意点
自分でペンキを処分する際は、以下の4点について意識するようにしてください。
- 自治体のルールを確認する
- 換気できる場所で行う
- 自然発火に気を付ける
- 下水道には流さない
自治体のルールを確認する
ペンキの捨て方は、自治体によってバラバラです。
乾燥させることで可燃ごみとして捨てられる自治体もあれば、回収自体行っていないという自治体もあります。
その地域に住んでいる以上、自治体のルールには従わなければならないので、自治体へ直接電話で問い合わせて、乾燥させたペンキを一般の可燃ごみとして捨てていいのかどうか確かめるようにしてください。
また、「ペンキ 処分 ●●市」「ペンキ 捨て方 ●●市」というキーワードで検索すれば、その自治体におけるペンキの捨て方に関しての公式情報が載っているページにたどり着けます。
換気できる場所で行う
ペンキには、人体に有害な物質も含まれています。
必要以上に吸い込むことで、一時的に気分が悪くなったり、頭痛や吐き気に繋がったりしてしまう可能性があります。
従って、ペンキの処理を行う時は充分な換気ができる場所を選ぶようにしましょう。
可能ならば、屋外かつ周囲に人がいない場所で処理をすべきです。
自然発火に気を付ける
ペンキには引火性があるため、保管場所が悪いと自然発火してしまう可能性があります。
- 捨てるつもりのペンキを高温の環境に放置
- ペンキを拭き取ったり塗り広げたりした新聞紙や布を山積みにして放置
このような行為は自然発火を招く可能性があるため、大変危険です。
ペンキが染み込んだ新聞紙や布は、重ならないように気を付けつつ、風通しのいい場所で充分に乾燥させてからすみやかに捨てるようにしてください。
主な自治体のペンキ処分方法
ペンキの処分方法は、自治体によって方針がバラバラとなっています。
そのため、ペンキを捨てる前には必ず自分が住んでいる自治体へ確認を取りましょう。
例として、いくつかの自治体のペンキ処分方法を紹介します。
名古屋市のペンキ処分方法
分別区分 |
備考 |
|
ペンキ(塗料) |
少量であれば可燃ごみ |
大量の場合は販売店等へ相談 |
ペンキの空き缶 |
不燃ごみ |
使い切ってから乾燥させる |
ペンキのスプレー缶 |
発火性危険物 |
穴あけ不要だが、中身を完全に使い切る |
名古屋市では、少量ならばペンキを捨てることが可能となっています。
この記事で説明したような方法で、新聞紙や布などを使って残ったペンキを塗り広げ、乾燥させてから可燃ごみとして捨てましょう。
東京都渋谷区のペンキ処分方法
分別区分 |
備考 |
|
塗料 |
渋谷区では収集していない |
販売元や専門業者へ回収を依頼 |
塗料缶 |
不燃ごみ |
中身が入っていない、または中身が固まっている場合のみ不燃ごみとして出せる |
渋谷区の場合、ペンキ(塗料)の収集はしていません。
販売元で回収してくれない場合は、たとえ少量のペンキでも塗料専門業者や不用品回収業者へ有料での処分を依頼するしかありません。
参考:ごみの品目別分別一覧(50音順) | 渋谷区公式サイト
大阪市のペンキ処分方法
分別区分 |
備考 |
|
ペンキ |
普通ごみ |
■有害な塗料の入った缶は収集しない ■普通ごみとして出す場合は、布や新聞などに染み込ませて固める ■一度に大量に捨てる場合は粗大ごみ扱いとなることがある |
ペンキの缶(金属製) |
資源ごみ |
■中身は綺麗に使い切る ■汚れの取れないものは「普通ごみ」として捨てる ■塗料の入った缶は、販売店やメーカーに相談する |
ペンキのびん(ガラス製) |
資源ごみ |
■中身は綺麗に使い切る ■汚れの取れないものは「普通ごみ」として捨てる ■塗料の入った缶は、販売店やメーカーに相談する |
ペンキのびんのふた(金属製) |
資源ごみ |
■汚れを落としてから出す ■汚れの取れないものは「普通ごみ」として捨てる |
ペンキのびんのふた(プラスチック製 |
容器包装プラスチック |
■汚れを落としてから出す ■汚れの取れないものは「普通ごみ」として捨てる |
ペンキの容器(プラスチック製) |
容器包装プラスチック |
■中身は綺麗に使い切る ■汚れの取れないものは「普通ごみ」として捨てる ■有害な塗料の入った缶は、販売店やメーカーに相談する |
ペンキのスプレー缶 |
普通ごみ |
■中身は使い切る ■穴はあけない ■塗料の入った缶は、販売店やメーカーに相談する |
大阪市の場合は、ペンキに関連するごみの捨て方が非常に細かく決められています。
汚れが取れているかどうかで資源ごみになるか普通ごみになるかが分かれるものが多いので、間違えないようにご注意ください。
まとめ:ペンキはルールを守って処分しよう
以上、ペンキの正しい処分方法について解説しました。
- ペンキは液体のまま捨ててはいけない(固形にしてから捨てる)
- 自治体によって捨て方のルールが異なる
特にこの2点については非常に重要ですので、強く意識してください。
また、「水性ペンキは少量ならば下水道に流しても大丈夫」という間違った情報が広まっていますが、決してそんなことはありませんので、面倒であっても以下のような正しい処分方法を実践する必要があります。
- 少量のペンキの場合 : 新聞紙や布に塗り広げて乾燥させてから捨てる
- 大量のペンキの場合 : 固化剤で固形にして乾燥させてから捨てる
環境を守るためにも、くれぐれも適当な捨て方をしないようにしましょう。