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投稿日:2023年1月19日
更新日:2024年9月13日

害虫がいる部屋

「ごみ屋敷」や「汚部屋」は、単なる物の多さや散らかりの問題ではありません。
これらの環境では、10種類以上もの
害虫が大量発生することがあります。
一般的に人気のあるカブトムシなどとは異なり、害虫は
人の健康や生活に深刻な害をもたらす存在です。

これらの害虫は驚異的な繁殖力を持ち、短期間で大量に増殖します。
その結果、刺傷、病原菌の媒介、アレルギー反応の誘発など、多岐にわたる健康被害をもたらす可能性があります。

しかし、問題はそれだけではありません。
害虫の発生は、
近隣住民とのトラブルや、賃貸物件での退去時の高額請求など、長期的かつ広範囲に及ぶ問題に発展する恐れがあります。

この記事では、ごみ屋敷に頻繁に見られる害虫の種類、それらがもたらすリスク、そして大量発生時の効果的な対策についてくわしく解説します。

ごみ屋敷でよく見かける「害虫」の種類ランキング

 

ごみ屋敷でよく見かける害虫の種類はどんなものがあるのでしょうか。
都会か自然が多い田舎なのか、環境によって多少の違いはありますが、発生する確率が高い順番にランキングにしてご紹介します。

1位.ゴキブリ

ごみ屋敷で最も頻繁に見られる害虫と言えば、間違いなく「ゴキブリ」です。
清潔な一般家庭でさえ時折目撃されるほど数が多く、人家に住み着くゴキブリの種類は50種にも及ぶと言われています。

ゴミ屋敷で特に多く見られるのは、「チャバネゴキブリ」と「クロゴキブリ」です。
これらは、ハエ類と並んでゴミ屋敷の常連と言えるでしょう。
ゴキブリは湿度が高く、通気性の悪い場所を好み、同時に暗くて暖かい環境を好みします。
さらに、狭い隙間や隠れ場所が多い環境を理想的な住処とします。

ゴキブリは雑食性で驚くほど多様な食べ物をエサとします。
食事の食べこぼしや調理ゴミはもちろんのこと、人間の皮膚、髪の毛、爪まで食べてしまい、段ボールなどの紙類、木片、革、そしてホコリさえも彼らの食料となるのだから驚きです。
よって、ごみ屋敷はゴキブリの食べ物が豊富にあり、棲みつくには絶好の環境だと言えるでしょう。
その上、少ない栄養で長期間生存できる能力を持っています。

ゴキブリは約3億年前から地球に存在する「生きた化石」とも呼ばれ、非常に強い生命力を持っています。
その繁殖力も驚異的で、クロゴキブリは1回の産卵で20〜30個の卵を、チャバネゴキブリに至っては20〜50個もの卵を産みます。
さらに、家のあちこちに巣を作ることで、急速に数を増やしていくので、「1匹見たら100匹いると思え」と言われるほど手強い相手です。

2位.ハエ・コバエ

ゴミ屋敷で頻繁に見かける害虫の中で、ハエ類は特に注意が必要です。
ハエとコバエは、生ごみや水回り、排泄物、動物の死骸など、様々な不衛生な環境に発生します。
多くの人がハエを単に「汚い」生き物として認識していますが、実際にはそれ以上に深刻な問題をもたらす可能性があり、とても危険です。

国際研究チームの分析によると、ハエは数百種類もの細菌を体表面に付着させていることが判明しています。
これには、胃がんや潰瘍の原因となる危険なピロリ菌も含まれています。
ハエが食品に触れることで、これらの細菌が食品に付着し、それを人間が摂取してしまうと、食中毒や深刻な感染症を引き起こす可能性があるのです。

また、ハエはすさまじい嗅覚能力を持っており、その感度は犬をも上回ると言われています。
腐敗臭や配管の悪臭に強く引き寄せられ、窓のわずかな隙間からでも侵入してくるので、ごみ屋敷ではない一般家庭でもよく見られます。
ほんの少量の食べ残しや野菜の切れ端が腐りかけた程度の臭いでも、ハエは敏感に察知して集まってくるのだから、生ごみなどが大量にあるごみ屋敷に集まるのは言うまでもありません。

その上、ハエの繁殖力は非常に高く、水のある場所や食品、生ごみなど、様々な場所で産卵を行います。特に排水溝やごみ箱の中は好適な産卵場所となります。
卵から成虫になるまでの期間はわずか2週間程度で、気づいた時には家中がハエやコバエで溢れかえっているという事態も十分にあり得るのです。

3位.チャタテムシ

チャタテムシは、多くの人にとって聞き慣れない名前かもしれませんが、ごみ屋敷では頻繁に見かける害虫の1つです。
チャタテムシは体長1〜2mm程度の小さな茶色の虫で、その微小さゆえにダニと間違えられることもあります。

チャタテムシは主にカビを好んで食べますが、それ以外にも様々な物をエサとします。
小麦粉などの穀類、お米、乾麺といった食品はもちろん、畳、段ボール、古本の糊、さらには床の食べこぼしや人のフケまでもがエサになるので、ごみ屋敷にはご馳走のフルコースがあるといってもいいでしょう。

高温多湿でホコリの多い場所を好むため、布団の下やクローゼット、本棚などに住みつくことが多く、特に梅雨の時期には大量発生しやすくなります。
さらに、チャタテムシの繁殖力はすさまじく、メスだけで繁殖ができるのが怖いところです。
オスは存在せず、メスは成虫になってわずか1〜4日後には産卵を始めるので、気づかないうちに急速に数を増やしてしまう可能性があります。

チャタテムシは毒性がなく人の血を吸うこともないため、さほど危険視されていませんでしたが、アレルゲン誘発物質を発生させることがわかりました。
日本人のアレルギー性喘息を持つ人の約20%にとって、チャタテムシがアレルギー源になっているとも言われています。

また、チャタテムシはツメダニの餌となるため、チャタテムシが発生している環境ではツメダニも発生しやすくなります。
ツメダニは人を刺して皮膚炎を引き起こすことがあるため、チャタテムシの駆除はツメダニ対策にもつながり、毒性がないチャタテムシでも放置してはいけないことがわかるでしょう。

4位.ヒメカツオブシムシ

漢字で「姫鰹節虫」と表記されるヒメカツオブシムシは、その名の通りカツオ節を好んで食べますが、そのエサは多岐にわたります。
カツオ節以外にも穀物や豆類、さらには羊毛や絹を使った衣類までもを食べるので、衣類を多く溜め込んでいる女性の家で発生することが多いです。
服だけでなく、布団や絨毯などの布製品を食べてしまう厄介者です。

見た目や大きさはテントウムシに似ており、成虫は茶色で4~5mm程度の大きさです。
見慣れないピンク色の幼虫である期間は8~10ヶ月と長期にわたり、この間、殺虫剤に対して強い抵抗力を持つため、駆除が非常に困難とされています。
そして幼虫の間は殺虫剤に対して抵抗力があり、なかなか殺すことができない厄介な虫です。
すべて根絶させようと思うとかなりの期間がかかります。

5位.アシダカグモ

このランキングの中でアシダカグモは唯一、人間に害のない虫です。
実はゴキブリや蚊、ハエなどの害虫を食べてくれる「益虫」(人間の生活に直接・間接に益をもたらす昆虫)でもあるため、見かけても放置して大丈夫です。

クモは糸を出して巣を作りますが、アシダカグモは動き回ってエサを見つけ、捕食する徘徊性のクモなので巣もありません。
しかし、脚が長く、全長13㎝ほどの大きなクモなので、その見た目から「気持ち悪いので家から追い出したい」と思う人も多いでしょう。

そもそも、アシダカグモは普通の家庭で見かけることはあまりありません。
家で見かけたならアシダカグモの餌となるゴキブリなどの害虫がよほど多いということなので要注意で、ごみ屋敷化がかなり進行していると言えるでしょう。

6位.紙魚(シミ)

その名の通り、紙を好む虫で、本や雑誌、段ボールや紙袋などを餌とします。
体長は8㎜~10㎜くらいと小さいですが、フナムシのような見た目から「気持ち悪い」「ゴキブリより嫌」と感じる方も多いようです。

人間を噛んだり刺したりする虫ではありませんが、放っておくと本をボロボロにし、繁殖して数が増えていきます。
また、絶食に強く、7~8年生きられることと、紙類だけでなくパンや砂糖、カーペットや衣類、髪の毛や虫の死骸までさまざまな物を食べるため、早めに駆除したほうがよいでしょう。

7位.ダニ

ダニは人やごみなどを経由し、外部から侵入するため、きれいな家であっても発生する可能性はあります。
しかし、一旦家に入ったダニは人のフケや皮脂、埃、食べかすなどを餌に繁殖を続け、これら餌が多いごみ屋敷はダニが大量に発生しています。

敷いたままの布団やカーペットはダニの絶好の住処で、そのような場所で生活を続けているとダニに刺されるだけでなく、アレルギーやアトピーも引き起こします

また、ダニは小さいため目で確認することが難しく、気付いていないという場合も多いです。
腹・腰・太もも・腕の内側などの、皮膚が柔らかい箇所に小さい噛み跡と赤い腫れがある場合や、くしゃみや鼻水、皮膚のかゆみといったアレルギー症状が続いている場合はダニが発生していると思ってよいでしょう。

その他

  • カミキリムシ(樹木が多い環境の民家に発生)
  • シロアリ
  • シバンムシ(畳や書籍など乾燥している素材から発生する害虫)
  • ムカデ(田舎に多く、ゴキブリ・クモなどが好物)
  • ネズミ(多くの病原菌を持ち、ダニが寄生している)
  • トコジラミ
  • やけど虫
  • 白いゴキブリ
  • ウジ虫

カミキリムシ

カミキリムシは、普段は木の枝などに生息していますが、産卵のために人間の家に入り込むことがあります。
人間を噛むことはないものの、家の柱や天井を噛んで劣化させてしまい、家のリフォームが必要になる場合もあり、注意が必要です。
また、ごみ屋敷ではカミキリムシと同じく家を劣化させるシロアリに遭遇することもあります。

シバンムシ

シバンムシは、赤褐色でぷっくりとした小さい害虫です。
乾燥した物を好み、乾麺・菓子類・ペットフードなど、幅広くエサとします。
畳や壁紙によく発生し、かじる力が非常に強いのが特徴です。
シバンムシに寄生するハチなども呼び寄せるため、早急に駆除する必要があります。

ムカデ

百足と漢字で書くムカデは、文字通りたくさんの足を持つ見た目がおどろおどろしい害虫です。

ムカデはゴキブリやクモ、コオロギなどが好物であるため、それらの虫が大量発生するごみ屋敷を好みます。
また、ごみ屋敷のような高温多湿の環境を好み、寿命も6年から10年と非常に長いため、棲みつくととても厄介です。
人間を噛むこともあり、アレルギー反応を起こす場合もあるため、注意が必要です。

ネズミ

ネズミは様々な感染症を媒介し、人間に病気をうつす可能性があります。
糞尿による悪臭や異臭が発生する場合もあり、近隣住民から苦情が来ることも。
また、電気コードをかじることで、火災を引き起こす危険性があり、放置していると命に関わります。

ごみ屋敷では、風呂場などに水たまりが放置されていると、蚊も発生することがあります。
言うまでもなく、蚊に刺されるとかゆいですし、デング熱などの感染症の危険性までもあります。
また、ごみ屋敷では蚊と同じように人間の血を吸うトコジラミが大量発生する危険性もあり、もしも見つけたら早急な駆除が必要です。

やけど虫

黒とオレンジの色が危険を感じるやけど虫の正式名称は、アオバアリガタハネカクシといい、その名の通りアリに似ている虫です。
やけど虫は体液にぺデリンという有害物質が含まれており、触れてしまうとやけど痕のような症状が出てしまいます。
また、目に入ると失明の危険性まであり、とても危険な虫です。

白いゴキブリ

白いゴキブリは、珍しい種類のゴキブリではなく、よく見られるチャバネゴキブリやクロゴキブリなどの脱皮した直後の姿です。
ゴキブリが大量発生しているごみ屋敷では、孵化直後の白ゴキブリに遭遇することもあり、もし見たらかなりゴミ屋敷化が進んでいると言えるでしょう。

ウジ虫

ゴミ屋敷で遭遇する害虫の中で、発見したらかなりまずい事態であると言えるのがウジ虫です。
ウジ虫は、ハエの幼虫段階のことで、その出現頻度は他の害虫に比べて低いですが、その分ウジ虫がいるごみ屋敷の問題は深刻だと言えます。

親のハエは、排泄物や腐った食べ物、動物の死骸などの強いにおいに引き寄せられます。
一回の産卵で50個から100個以上もの卵を産み付けるため、孵化が一斉に起こると、突如として大量のウジ虫が出現したように見えるのです。

卵の孵化には半日から数日程度、その後幼虫(ウジ虫)からサナギを経て、約2週間で成虫のハエへと成長するので、卵から成虫になるまでの期間は比較的短いことにも注意が必要です。

前述したように、成虫になったハエは様々な病原体の媒介者となり、深刻な健康被害をもたらす可能性があります。

 

ごみ屋敷や汚部屋には、他にもさまざまな生物が潜んでいることがあります。
何かわからないけど幼虫のような虫がいた…抜け殻のような物があった…というのはよくあることです。

 

ごみ屋敷で害虫が増えるのはなぜ

ゴキブリ

 

ごみ屋敷で害虫の発生が増えるには以下のような理由があります。

  • 虫の餌になる生ごみが多いから
  • 物が多く、快適な環境だから
  • 掃除や駆除をしないせいで繁殖が進むから

「大量の害虫」というと想像しにくいかもしれませんが、ごみ屋敷ともなると数千匹以上の害虫が住みついている可能性もあり、これはもう家が大きな虫かご化していると言っても過言ではありません。

まず、ごみ屋敷や汚部屋には生ごみはもちろん、掃除をしないことでフケや髪の毛、埃、皮脂などの虫にとっては餌となる物が圧倒的に多くなります。
これらを食べ、卵を産むことで虫の量はどんどん増えていきます。

また、物が多いことも虫にとっては快適な空間になります。
多くの害虫は暗くてじめじめした所、狭い場所を好み、ひっそりと暮らしています。

大量に物があるごみ屋敷ではすぐに隠れることができ、気付かれにくいため外敵があまりいません。
そして掃除をしないため、食べ物が無くならず、産んだ卵を駆除されることもなく、人知れず繁殖を続けていきます。

例えばハエが一度の産卵に産む卵の数は50~150個、ゴキブリは20~30個ほどの卵を夏の暖かい時期に10回ほど繰り返します。
メスのゴキブリは一生のうちに500匹ほど産む計算に。

想像するだけでゾッとするほど繁殖力が高いのです。

ごみ屋敷の害虫による健康被害

ごみ屋敷に住む人は害虫に慣れ、気にしないという方もいらっしゃいます。
しかし、お伝えしたように害虫は気持ち悪いというだけではなく、人の体に害を及ぼします。

人体にどのような害があるのか、以下の表にまとめてみました。

虫の種類:ゴキブリ

引き起こされる疾患 原因となるもの 症状
食中毒

サルモネラ菌
O-157
黄色ぶどう球菌

嘔吐や下痢、発熱、腹痛
赤痢 赤痢菌 高熱、激しい下痢や発熱、血便
腸チフス・パラチフス 腸チフス 発熱、下痢または便秘、肝臓や脾臓(ひぞう)の腫れ
ピロリ菌 ピロリ菌 胃もたれや吐き気、食欲不振、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気に移行する可能性
小児麻痺ウイルス
ポリオウイルス 発熱、筋力低下や麻痺を引き起こす
アレルギー 糞、死骸、ハウスダスト・雑菌・カビ くしゃみ、鼻水、咳、皮膚のかゆみなど

たとえ害がなくても嫌われるゴキブリですが、これを見ると体への影響が多く、嫌われるのもうなずけます。
ゴキブリはトイレや排水溝、エアコンの中やごみ箱の中など家中のあらゆる汚い場所に移動するため、雑菌や細菌が大量に体についています。

虫の種類:ハエ・コバエ

引き起こされる疾患 原因となるもの 症状
食中毒

サルモネラ菌
O-157
黄色ブドウ球菌

嘔吐や下痢、発熱、腹痛
感染症 大腸菌 出血を伴う下痢や腹痛
赤痢 赤痢菌 高熱、激しい下痢や発熱、血便

ハエはあちこち飛び回り、足や体に病原体をつけて移動します。
上の表以外にも約60種類ほどの病原体を媒介しているとされています。

虫の種類:チャタテムシ

引き起こされる疾患 原因となるもの 症状
アレルギー 死骸、チャタテムシが食べたカビ くしゃみ、鼻水、咳、皮膚のかゆみなど

虫の種類:ダニ

引き起こされる疾患 原因となるもの 症状
ダニアレルギー ダニ くしゃみ、鼻水、咳、皮膚のかゆみなど
喘息 ダニ 咳・呼吸困難など
アトピー性皮膚炎 ダニ 皮膚のかゆみなど

アレルギー疾患の8割はダニによるものです。

家の中に多いツメダニは人を刺し、赤く腫れてかゆみが起こります。
また、イエダニはネズミに寄生し、吸血しているダニですので、ネズミがいる場合はイエダニもいる可能性が高くなります。

害虫の被害は体だけじゃない

害虫の影響は住人の体にだけではなく、あらゆるところにも出てきます。
住宅トラブルや近隣トラブルになる可能性もあるため詳しくみていきましょう。

近隣トラブルに繋がる

害虫は大量に発生すると家の中だけに留まらず、家の外にも出ていきます。
隣近所の住宅でも発生し、それがごみ屋敷となる家が原因だと知られれば、苦情を受けたり嫌がらせをされたりすることもあります。

特にマンションやアパートなどの集合住宅では、ベランダや排水管などを通って全世帯に影響が出ることも。
また、ゴキブリは一定数を超えると繁殖や餌探しのために移動をするため、ごみ屋敷の隣の家には必ずと言っていいほどゴキブリが侵入しています。

近所から苦情が続き、状況が悪化すれば家を出なければならないこともあるかもしれません。
大事になる前に、害虫駆除をするなど対処したほうがよいでしょう。

家にダメージを与える

害虫は家に住みつくと糞をし、卵を産み、死んだら死骸になります。
糞や死骸は生物由来のタンパク質やアミノ酸が発生し、これらは乾燥したり日に焼けると「変色」したり「シミ」になったりします。

例えば家の中や家具などに、点々としたカビとも思える黒色や茶色のシミを見つけたら「トコジラミの糞」かもしれません。
このように壁などを変色させるのは害虫の死骸や糞だけではなく、スプレータイプの殺虫剤をかけたせいで変色することもあります。

染みついてしまった汚れはなかなか落とすことができないこともあり、専門の清掃業者に依頼するか、壁や床を張り替えることになる場合も。
賃貸であれば退去時に原状回復費用を請求されることもあるため、金銭面でも大きなダメージとなります。

ごみ屋敷はシロアリのリスクもある

放置された家具や衣類がある部屋や、ごみや物が多く、人の出入りが少ない部屋などはシロアリが発生する場合もあります。
シロアリというと「空き家」に多いイメージですが、これは換気がされず湿気がこもりやすいためシロアリが好む「湿気のある木材」が多いことが原因だと言われています。

しかし、換気がなく湿気が多いのはごみ屋敷でも同じことで、知らない間に被害に遭っていることも。
シロアリは放置しておくと家が倒壊するなど大きな被害が出ることもあるため、見つけたら早めの対処が必要です。

ごみ屋敷の害虫・危険度チェック

ゴミ屋敷に発生する害虫の種類や放置による健康被害について理解したところで、現状を正確に把握することが重要です。
「まだ大丈夫」という楽観的な判断が事態をさらに悪化させる可能性があるため、客観的な評価を心がけましょう。

害虫の分類と危険度

ゴミ屋敷に出現する害虫は、主に以下の3つのカテゴリーに分類されます。

  1. 不快害虫:直接的な危害はないものの、心理的な不快感を引き起こす(クモ・アリ・ヤスデなど)
  2. 衛生害虫:病原体の媒介者となり、健康被害をもたらす可能性がある(ゴキブリ、ハエ、ダニ、蚊、ノミ、シラミ、ハチなど)
  3. 経済害虫:家財や食品に損害を与え、経済的損失をもたらす(ヒメカツオブシムシ、チャタテムシ、シミ、アブラムシなど)

特に警戒が必要なのは、衛生害虫と経済害虫の存在です。
これらが複数種類発生している場合、状況はかなり深刻で、すぐに対策が必要だと考えましょう。
また、ゴキブリは不快害虫・衛生害虫・経済害虫の全てに該当します。

害虫を駆除する方法とは?

家の中に害虫が大量に発生している場合、どのように駆除する方法があるのでしょうか。
もちろん、部屋を掃除することが大前提ですが、先にある程度の害虫駆除を行うと後の掃除がスムーズに進みます。

方法は大きく分けて2通りありますので参考にしてみてください。

殺虫剤を使って自分で駆除する

広範囲にいる、たくさんの害虫を一気に駆除するには燻煙タイプの殺虫剤がおすすめです。
燻煙タイプは、殺虫成分の入った薬剤を蒸散させて部屋の隅々に行き渡らせるので、害虫を徹底的に駆除できます。

手順は以下のように行いましょう。

1.下準備を行う

  • 布団などの寝具・衣類・食品・食器など、直接肌に触れるようなものは薬剤がつかないようにする(新聞紙やビニールシートなどでくるむ、別室に移動させるなど)
  • 火災報知器やガス警報器が作動しないようにカバーをする
  • 薬剤が害虫に届くように埃を掃除機で吸い取っておく
  • ペット類や観賞魚、植物などは、家の外に出しておく

2.害虫の逃げ道をふさぐ

  • 窓や扉を閉め切る(害虫が逃げないようにすることと、煙・霧が部屋の外に漏れないようにするため)
  • 害虫が隠れる戸棚・机の引き出し・押し入れなどを開放しておく

2.燻煙剤を使う

  • 燻煙剤をごみ屋敷の各部屋に設置し、数時間放置する

3. 換気と掃除を行う

  • 部屋をしっかり換気する
  • 死骸を掃除機で吸い取るなどして片付け、雑巾がけを行う
  • 消毒エタノール(アルコール)もしくは次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒するとよい

スプレー剤で生きている害虫も駆除

燻煙剤を使用しても、掃除の際にはまだ生き残っている害虫が出てくる場合があります。
スプレータイプの殺虫剤も手元に置いておき、見かけたら駆除するようにしましょう。

清掃業者へ依頼する

大量に繁殖した害虫を駆除するならプロである清掃業者へ依頼する方法もあります。
自分では見たくない、触れないという方でも、清掃業者へ依頼をすれば素早く確実に害虫を駆除してもらうことができます。

清掃業者が行う害虫駆除や清掃は以下の手順で行います。

  • 殺虫剤で害虫を駆除
  • 殺菌効果の高い薬品を使用して除菌
  • 汚染部分の清掃
  • 原状回復のリフォームなど

清掃業者へ依頼をするメリットは以下の通りです。

確実に害虫駆除ができる

ごみ屋敷のような物が多い家では、市販の薬剤を使用しても効果が薄かったり、何回も行う必要があったりして完全に駆除するには時間がかかることもあります。

しかし清掃業者では経験豊富なプロが現場に合った方法で、確実に害虫駆除を行ってくれます。
虫の種類や量に合わせて、使用する殺虫剤を強力なものにすることもできるため、どんな害虫でも一網打尽にすることができます。

消毒・消臭も同時にできる

自分で害虫を駆除し、掃除や片付けをしながら消毒や消臭まで行うのはかなり大変です。
しかし、害虫には細菌や病原体などが付着しているため、家の中を消毒する必要があります。

清掃業者では害虫駆除とセットで消毒や消臭を行ってもらえることが多く、染みついた汚れなどもきれいに落としてもらうことができます。

ごみ屋敷の害虫駆除は専門業者がおすすめ

ただの害虫駆除ではなく、ごみ屋敷によって害虫が大量に発生してしまった場合、清掃や害虫駆除の依頼は「ごみ屋敷専門の清掃業者」がおすすめです。

物が多い部屋での害虫駆除は、虫の隠れる場所が多く、一度や二度の殺虫剤では効果があまり得られないこともあります。
しかし、物を動かすたびにゴキブリや死骸が出てきては、それらを駆除したり片付けたりしながら作業をしなくてはならず、思うように駆除や掃除が進まないことも。

また、大量の害虫は素人が簡単に駆除できるレベルでないことも多く、少しでも卵や生き残った害虫がいれば、またそこから繁殖してしまう恐れがあります。

ごみ屋敷専門の清掃業者であれば、物やごみが多く、害虫が発生している現場に慣れているため、効果的に清掃や駆除を行うことができます。

まとめ

ごみ屋敷には害虫がつきものです。

害虫は不快なだけではなく、アレルギーや病気の原因になる怖い存在です。
放置しておくと繁殖が進み、数が増えてしまうだけでなく、それを餌にする他の生き物たちも呼び寄せてしまいます。

大きな被害が出る前に、確実に駆除・清掃を行うなど対処しましょう。

ラクタス」ではごみ屋敷の片付けや害虫駆除、特殊清掃を行っています。
出張無料のお見積もりや、ネットからの匿名お見積りも可能ですのでお気軽にお問い合わせください。

2023-01-19

 

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