更新日:2023年2月24日
公園や道端などに勝手にごみが捨てられているのを見たことがある方は多いのではないでしょうか?
ごみ分別のルールが細かく決まっている自治体のごみ出しは、面倒に感じるものかもしれません。
しかし、「このくらいならバレないでしょう」と安易に考えて、不適切な場所にごみを捨てた場合「不法投棄」となり違法行為です。
この記事では、不法投棄がバレる理由や個人・法人の罰則について紹介します。
不法投棄が重い罪であることを理解して、ご自身のごみ捨てについて見直すきっかけとなれば幸いです。
目次
不法投棄とは│ごみのポイ捨ては不法投棄になる?
不法投棄とは、ごみを不法に投棄することです。
小さなごみのポイ捨てなども不法投棄に該当するのか気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
「そうとは知らずに捨ててしまった」と取り返しのつかない事態に後悔しないように、しっかり把握しておきましょう。
不法投棄とは?
「産廃物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)では、以下のような記述があります。
【廃棄物処理法 第16条】
”何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない”
「何人も」とは、主体を限定せず、初めて投棄した者であっても該当するという意味です。
適切ではない場所に廃棄物を捨てることは、れっきとした法律違反にあたります。
廃棄物とは?
廃棄物処理法では、「廃棄物」に関して以下のように記述されています。
【廃棄物処理法 第2条第1項】
”ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)”
上記の廃棄物の定義に該当する「ごみのポイ捨て」は、不法投棄となり犯罪行為です。
廃棄物は、大きく分けて以下の二つに分類されます。
- 一般廃棄物:家庭から排出されるごみ
- 産業廃棄物:事業者から排出されるごみ
一般廃棄物は各自治体で処理を行い、産業廃棄物は各事業者が責任を持って適切に処理しなければなりません。
名古屋市でも、産業廃棄物に関するさまざまな条例を定め、正しく処理するよう呼びかけています。
参照:名古屋市産業廃棄物条例のあらまし
不法投棄のさまざまな例
不法投棄は、全国各地で深刻な問題となっています。
- タバコの吸い殻や空き缶を道に捨てる
- 家庭から出たごみを駅やコンビニに捨てる
- 使わなくなった自転車を路上に放置する
- 家電を空き地に捨てる
- 河川・海岸にタイヤを捨てる
ごみの大きさ等に関係なく、正しく処分していない全ての行為が不法投棄に該当します。
このような違法行為で、廃棄物の回収作業に多くの人員を費やし、莫大な費用がかかっていることを認識しなければなりません。
不法投棄がバレる可能性が高い理由
不法投棄の問題がなかなか解決されない理由として、
- ごみを捨てるのにお金を払いたくない
- 家の中にごみを置きたくない
- ごみ出しの時間に間に合わない
などと考える方が多いことが原因として挙げられます。
「どうせバレないだろう」「みんなも捨てているから大丈夫」など軽視して不法投棄をしてしまう人も多いのかもしれません。
しかし、不法投棄は、小さなきっかけから簡単に犯人が特定されて逮捕に結びつくこともあります。
不法投棄がバレる理由①監視カメラに映っているから
バレる理由は、全国各地に監視カメラが設置されているからです。
不法投棄は以下のような場所・時間を狙って行われます。
- 人目につきにくい山林や河川など
- 深夜や早朝の人通りの少ない時間帯の住宅地
相次ぐ不法投棄を抑止するために、監視カメラを設置していることも多いのです。
そもそも、国内で少なくとも500万台の監視カメラが設置されているため、死角を探す方が難しいかもしれません。
また、画像解析・分析技術の進歩により、顔や車のナンバーがはっきり映っていなくても、犯人を特定することも容易です。
山奥などはドローンを導入して不法投棄を監視している地域もあり、バレずに逃げる事は難しいでしょう。
不法投棄がバレる理由②近隣住民や土地の所有者が見ているから
近隣住民や土地の所有者の通報によって不法投棄がバレるケースも多いです。
不法投棄に対する通報義務については、平成23年の法改正で明記されるようになりました。
【廃棄物処理法 第5条第2項】
”不適正に処理された廃棄物と認められるものを発見したときは、速やかに、 その旨を都道府県知事又は市町村長に通報するように努めなければならない”
名古屋市では、各区の環境事務所に連絡するか、不法投棄通報専用ファックスを利用して通報することが可能です。
愛知県警においては、不法投棄をしている人を見かけたら、下記の情報もあわせて通報するよう呼びかけています。
- 身体的特徴
- 服装
- 車両のナンバー
- 業者名 など
悪質な不法投棄は周囲の迷惑行為として警察に情報が寄せられるでしょう。
通報がきっかけとなり水面下で捜査が始まり、現行犯逮捕されることもあるかもしれません。
不法投棄がバレる理由③自治体が集中的にパトロールしているから
不法投棄がバレる理由は、各自治体が不法投棄防止に対するさまざまな取り組みを行っていることが挙げられます。
名古屋市の取り組み
愛知・名古屋では、テレビや冷蔵庫の不法投棄が相次ぐことから、夜間もパトロールを強化し常時監視を実施中です。
また、「安心・安全で快適なまちづくりなごや条例」に基づき、他の市町村とも協力して不法投棄対策に取り組んでいます。
特に注力している取り組みが堀川の不法投棄問題。
海洋ごみ対策として、これまでに7,000以上のごみを回収し、多くの市民による清掃活動の結果、改善傾向にあるようです。
他自治体のの取り組み
全国の37の地方自治体による広域協議会「産廃スクラム」では、以下のような取り組みが毎年実施されています。
- 廃棄物運搬車両の一斉路上調査
- 休日や早朝夜間のパトロール
- 船艇やヘリコプターからの監視
このような徹底された防止対策は、近隣住民への啓発活動となり、不法投棄があった際の速やかな通報にもつながるでしょう。
不法投棄がバレる理由④廃棄物に個人情報が残っているから
不法投棄がバレるのは、ごみの中に犯人が特定される情報が残っているからです。
- 行動範囲が分かるレシート
- 個人宛の郵便物
- 電気水道ガスの検針票
- バイクや自転車の車体番号
もし会社の資料を不法投棄した場合は、特に注意が必要です。
勤務先に確認の連絡がいき、不法投棄がバレることは避けられません。
なぜ不法投棄はダメなの?
廃棄物処理法では、次のように目的が定義されています。
生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする
不法投棄を行うと、ごみから出た有害物質により地下水や土壌が汚染されます。
一度汚染された場所は、原状回復に長い期間を要さなければなりません。
海洋汚染も深刻で、釣り具やプラスチックごみを海岸での不法投棄が、生態系に影響を及ぼしているのです。
産業廃棄物の大規模な不法投棄などと比較して、個人のポイ捨てはそんなに影響しないだろうと軽視してはいけません。
自分の目の前のことだけでなく、ごみを捨てた場所に住んでいる人々、自然環境にどのようなことが起きるのか、今一度振り返ってモラルある行動をしたいですね。
不法投棄の厳しい罰則とは│個人も法人も重い罪
不法投棄がバレると厳しい罰則を受けることになります。
「そんなに重い罪だったなんて‥」と後悔する前に、どのような刑罰なのか把握しておくことが大切です。
個人の不法投棄に対する罰則│懲役や罰金は?
個人が不法投棄した場合、以下のような罰則が規定されています。
【廃棄物処理法 第25条第1項第14号】
”5年以下の懲役もしくは1,000万以下の罰金、または併科”
罰金刑だったとしても就職・転職活動の際は、履歴書の賞罰欄に記載しなければなりません。
ほんの出来心による犯罪行為で社会的信用を大きく失ってしまうでしょう。
法人の不法投棄に対する罰則│3億円以下の罰金
法人が不法投棄をした場合の罰則は、以下のように規定されています。
【廃棄物処理法 第32条第1項】
”3億円以下の罰金”
また、不法投棄をする前の「廃棄物を収集・運搬する」という行為も法律違反で以下の罰則があります。
”3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、または併科”
不法投棄を行った人については個人の罰則も併せて科せられます。
道路法・河川法施行令に抵触する場合
不法投棄をした場所によっては、以下の法律に違反していることもあります。
- 道路交通法
- 河川法施行令
【道路法 第102条第3号】
”1年以下の懲役または50万円以下の罰金”
交通に支障を及ぼしたり、通行人の邪魔になるものを不法投棄した場合に該当します。
【河川法施行令 第16条の4】
”3カ月以下の懲役または20万以下の罰金”
公園や運動場が近くにある河川敷は特にごみが不法投棄されやすいです。
住居侵入罪・建物物侵入罪に抵触する場合
不法投棄した場所が住居や共有の建物だった場合、刑法第130条により「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」と罰則が規定されています。
- 住居侵入罪‥マンションなど他人の住居
- 建造物侵入罪‥スーパーや図書館など公共施設
何度も不法投棄をしている場合は、ごみ捨て場の監視カメラの映像が証拠となり警察に通報されるかもしれません。
軽犯罪法に抵触する場合
不法投棄は、軽犯罪法違反ともなり得ます。
公園や路上などでみだりにごみを捨てる行為は罰則の対象です。
軽犯罪法では「勾留または科料」の罰則があり、具体的にはタバコのポイ捨てなどが該当します。
勾留は起訴前であっても20日間に及ぶ場合もあるため、仕事にも行けなくなり罪を犯したことがバレてしまうでしょう。
不法投棄の時効は何年?│行政処分に時効はない
過去に間違ったごみの処分をした方は、不法投棄の時効が気になるかもしれません。
不法投棄は、行った日から5年経過していれば時効は成立します。
一方で、行政処分には時効はありません。
事業者が不法投棄した場合、原状回復のための費用負担や事業停止命令などが考えられます。
不法投棄したことで逮捕されたらどうなる?
不法投棄は、以下のようなきっかけでバレて逮捕されます。
- 度重なる不法投棄により、住民が被害届を出した
- 監視カメラに不法放棄している姿が映っていた
- 自治体のパトロールにより、不法投棄の現場を発見される
逮捕されると、最大72時間身柄を拘束されます。
不法投棄の証拠が揃っている状況では、「やっていない」と言っても心象が悪くなるだけです。不法投棄の罪を認めて、反省の意を示さなければなりません。
もし罪を認めないと、最大20日勾留・裁判となり、会社にも当然事情がバレるでしょう。
量刑は、どの程度悪質なものかによって異なりますが、不法投棄したごみの種類や量、頻度などを考慮して総合的に判断されることが多いようです。
少なくとも略式裁判による罰金刑は免れません。
面倒なごみの処分は、不用品回収業者に依頼すると楽
「ごみ回収に間に合わない」
「大量のごみを溜めてしまい、分別するのは無理」
小さなごみから冷蔵庫、テレビなどの粗大ごみまで、自分ではどうしようもないとお困りではありませんか?
自治体のごみ分別を面倒に感じて後回しにしてしまうと、ますます厄介なことになってしまいます。
そのような時は、不用品回収業者にごみ処分を依頼するのも一つの方法です。
不用品回収業者は、家のあらゆるごみをまとめて回収、適切に処分するため手間がかかりません。仕事が忙しくて朝のごみ出しに間に合わない方も、希望する日時に回収にきてくれるため、確実に家がスッキリするでしょう。
まとめ:不法投棄は犯罪です。ごみ出しに困ったらプロにおまかせください!
後を絶たない不法投棄は、犯罪行為であるという認識が低いことを表しているのかもしれません。
身勝手な行為によって自然環境が汚染され、各自治体が多くの人員と税金をかけて取り締まり強化・回収作業をしている事実を改めて認識する必要があるでしょう。
不法投棄は、監視カメラやパトロール、ごみの中の個人情報によって簡単にバレるものです。
もし見つかって逮捕された場合、罰金を支払うだけでなく社会的信用を失うことになりかねません。
- 今すぐにごみを処分したい
- 引っ越しで出たごみを一気に片付けたい
- 遺品整理で大量に不用品が出た
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