更新日:2023年2月27日
「神棚を捨てるとバチが当たりそう」
「神棚を処分するのは色々面倒なのでは?」
古くなった神棚や実家の神棚など、処分したくてもできない神棚をお持ちではないですか?
神棚はその名の通り「神様を祀るための棚」であることから、不要になっても処分しにくい、どう処分してよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
実は、神棚は木材でできていることが大多数で、小さなものなら可燃ごみで捨てることができます。
しかし、今まで礼拝してきたものを簡単に捨てるのは気が引けるという方も多いですよね。
神棚と言ってもさまざまな種類がありますし、神具はどうやって捨てるの?ご祈祷は必要なの?という不安が頭をよぎることも。
今回は、神棚の処分方法や処分のタイミング、費用について詳しく解説していきますので、処分に悩んでいる方は是非参考にしてみてください。
関連記事:「【閉眼供養(魂抜き)】仏壇を手放す前に見てほしい、手順や注意点をご紹介」
「墓じまいとは?内容や手続きの流れ、費用なども解説!」
目次
神棚とは?仏壇とは何が違うの?
そもそも神棚について詳しく知らないという方のために、仏壇との違いや神棚の種類について詳しく解説していきます。
日本では「神様」「仏様」などと言うことがありますが、これら目に見えない存在を祀り、信仰することを宗教と呼びます。
近年では家の様式が海外に近くなったことや家にスペースの余裕がないことから、神棚や仏壇を置く家は少なくなってきましたが、昔はどちらも家にあり、毎日手を合わせることが習慣になっていたといいます。
神棚や仏壇は両方家にお持ちだという方も多くいらっしゃいますが、その内容や目的はまったく違うものになります。
神棚は「神社に祀られる神様を祀るスペース」のこと
神棚は神道(古代日本に起源をたどることができるとされる宗教)において、神様の分霊としての「お神札」をお祀りしてお祈りを捧げるものです。
家の中に「小さな神社」を置くというイメージで、商売をしている家や会社にも多く置かれています。
神棚には扉の数が一つの一社宮(いっしゃみや)、扉が三つの三社宮(さんしゃみや)があり、それぞれ神社から授かったお札を祀ります。
最近では伝統的な形の神棚以外にも、コンパクトなものやインテリアに馴染みやすいモダンなものなど、さまざまなデザインの神棚が売られており、賃貸や省スペースでも置きやすくなっています。
仏壇は「家の宗派の本尊やご先祖様を祀るスペース」のこと
仏壇は仏教において「釈迦如来や阿弥陀如来などの仏様を祀る壇全般」のことを言います。
家庭の中の「小さなお寺」としてご先祖を供養する神聖な場所という役割が一般的ですが、近年ではご先祖様と対話する、感謝するという捉え方をする方が増えています。
仏壇には亡くなった方のご遺骨や遺灰を近くに保管し、お墓を持たずに供養するという方にも注目されていて、ご先祖様との繋がりを感じられる場所としての役割もあるでしょう。
そういった意味では家の中の「小さなお墓」とも言えます。
「祖霊舎」「神徒壇」とは?
神棚では神様や神札をお祀りするのに対し、祖霊舎(それいしゃ)や神徒壇(しんとだん)は故人の御霊(みたま)を移して、家庭でお祀りするものになります。
仏教でいう仏壇にあたりますが、仏壇が「仏様を祀る場所」と「故人を祀る場所」の2つの意味を持つのに対し、神道では「神様を祀るのが神棚」で「故人を祀るのが祖霊舎」と分かれています。
祖霊舎を購入するタイミングは、葬儀が終わった五十日祭(仏式における四十九日法要と同じような意味合い)までの間に準備すると言われています。
神棚とは意味合いが異なることから、神棚・祖霊舎それぞれ両方持つ方や、仏壇と祖霊舎の両方を祀っている家庭もあるでしょう。
日本では神仏習合(しんぶつしゅうごう)という考え方があり、神様と仏様を一緒に祀る場合があることから仏壇と神棚の両方を持つこともあります。
神棚を処分するタイミングとは?
神棚はどんなときに処分することがあるのでしょうか?
ここでは神棚を処分するタイミングについてご紹介します。
古くなったとき(15年が目安)
神棚は購入したらずっと使う物だと思っていませんか?
木材でできている神棚は一定の期間を過ぎると傷んでしまうため、買い替える必要があります。
神棚を買い替える頻度は地域によって異なりますが、全国の平均は15年程度のようです。
15年以上経っていなくても、汚れや傷みが目立つようなら買い替えを検討してみましょう。
引っ越しや起業など、なにかを新しく始めるとき
引っ越しやリフォーム時など、住む環境が新しくなったときに買い替える人も多いようです。
自分たちの家を新しくするなら、神棚も新しくキレイなものにするほうが見栄えもよく、気持ちもいいですよね。
また、起業する際には新しく神棚を祀る習慣があるため、会社を移転するときや会社で何かを始めるときにもおすすめのタイミングと言えます。
実家の解体時や家を手放すとき
転勤などで家を手放す際や、実家に住む親が亡くなり家を解体するときなど、置く場所がなくなったタイミングで手放す方もいらっしゃいます。
神棚は供えてある水、塩、酒、榊を頻繁に取り換えなければならないため、その行為が負担になる方や、昔ほど信仰する人がいなくなったということも原因の一つです。
神棚が古くなったタイミングで買い替えることなくそのまま処分する場合も増えていて、神棚を祀るという習慣が減ってきていることがわかります。
神棚に魂抜きは必要?
「魂抜き」という言葉をご存じでしょうか。
仏壇やお墓などを処分する際、そこに宿っている魂を抜き、ただの物に戻すという儀式のことを「魂抜き」と言います。
この魂抜きの儀式は魂入れと言う「魂を入れる儀式」を行ったものに対して行うことが多いですが、中には人形や掛け軸、遺影など、魂が入っていると考えられるものであれば対象となり、供養してもらうことができます。
神棚は必ずしも魂抜きは行わない
魂抜きという言葉は仏教において使用されることの多い言葉ですが、神道で魂抜きに近い儀式は「お祓い」になります。
仏壇を処分する際は、故人の魂が宿るための「魂入れ」を行うことから、その魂を抜くための「魂抜き」が行われることがほとんど。
しかし神棚についてはお祓いが必ず必要というわけではありません。
神棚はあくまでも神様を祀るための祭壇であり、先祖や故人の魂は神様の世界へ帰って子孫を見守ると考えられています。
仏教においての仏壇とは意味合いが異なるため、魂抜きをするかしないかは自身や親族の信仰心が影響することと言えます。
より丁寧に処分したいという方はお祓いをしてもらうとよいでしょう。
神棚のお祓いは神社へ依頼
神棚のお祓いは神主が行うことから、神社へ依頼することになります。
神社では不要になった神棚の「お祓い・お焚き上げ」つまり供養していただいたあとに焼却処分をしてもらえます。
お祓いやお焚き上げは神社へ神棚を持ち込むのが一般的ですが、神社によっては郵送でも対応してもらえるため、神社が近くにない、遠方の神社へ依頼をしたいという場合は利用しましょう。
その際は神社へ電話で問い合わせをし、神棚のお祓い・お焚き上げを郵送で受け付けてもらえるか確認するようにしてください。
神社へ処分を依頼する場合
神棚の処分を神社へ依頼するときは、神棚を持ち込むか郵送にて依頼します。
詳しい流れは神社によって異なりますが、大体が以下のような流れになります。
- 神社へ連絡(電話やメールなど)
- 神棚を持参または送付
- 式典の執行
お祓い(ご祈祷)に立ち会うかどうかは神社によっても異なりますが、立ち会わなくても大丈夫としている神社が多いようです。
また、神社へ依頼する際に知っておきたいことを以下にご紹介します。
- 依頼する神社は氏神神社が一般的
- 処分費用(お布施)は5千円~1万円程度
- 神社での神具(陶器など)の処分は不可
- どんど焼きで処分することも可能
依頼する神社は氏神神社が一般的
神棚の処分は氏神神社(ご自身がお住いの地域の神社)へ依頼することが多いようです。
神棚には「神宮大麻(じんぐうたいま)」や住んでいる地域を守る「氏神」、その他に自分が崇敬する神社のお神札を祀るとされているため、処分の際も氏神神社へ行くということでしょう。
しかし、神棚の処分はどの神社でも受け付けているわけではありません。
神棚を持ち込む前にお祓いやお焚き上げをしてもらえるかどうか確認しておくと安心です。
また、お伝えしたように神棚を直接神社へ持ち込むのが難しい場合は、郵送での処分を受け付けてもらえる神社へ依頼する方法もあります。
最近では神社のホームページで郵送可能か掲載しているところも多いですが、不明な場合は直接神社へ電話で問い合わせてみてください。
処分費用(お布施)は5千円~1万円程度
神棚の処分をお願いする際の費用は5千円~1万円程度が相場のようですが、金額は神社によって決められているところと、そうでないところがあります。
金額が決まっておらず「お気持ちで」と言われた場合は、いくらがよいかを確認しても大丈夫です。
処分費用は主に「ご祈祷料」ですので、お焚き上げの費用はかからないことがほとんど。
お焚き上げの際は参拝されるときと同様に、感謝の気持ちに応じたお賽銭を納めるのがよいでしょう。
ただし祈祷をせずお焚き上げのみを行った場合は千円~1万円程度かかることもあります。
神社での神具(陶器など)の処分は不可
どの神社でも言えることですが、神棚の処分時に陶器や金属でできた水玉や皿などの神具は同時に処分はできません。
これらはお焚き上げ、祈祷のいずれもできないことが多く、神社には持ち込まないように注意しましょう。
ただし木製でできた神具であれば神棚と一緒にお焚き上げしてもらえるかもしれませんので、一緒に処分したい場合は問い合わせてみてください。
木製以外のものはお塩で清めて不燃物としてごみで捨てるようにしましょう。
また、神棚の処分時にはお神札はいただいた神社に返納しておきます。(難しければほかの神社でも可)
どんど焼きで処分することも可能
「どんど焼き」とは、日本の旧正月である1月15日頃にお正月で使った門松やしめ縄などを一カ所に積み上げて燃やすという行事のことです。
ほかにも、古くなったお札やお守り、御朱印帳、神棚も受け入れている神社があります。
しかし、この「どんど焼き」を行っているかどうかは神社によって異なり、その趣旨や呼び名は地域によって多少の違いがあるので注意が必要です。
例えば東海地方では左義長(さぎちょう)と呼ばれることもあり、お札を納めた際ににもらえるお餅を焼いて食べるという風習があります。
ほとんどの神社では、どんど焼きでの神棚の持ち込みを受け入れてもらえますが、神棚のサイズによっては有料、または受け入れ不可のこともあるため、事前に確認しておくと安心です。
大きな神社ならホームページでどんど焼きの詳細を紹介していますので、そこで確認するか、神社へ直接電話などで問い合わせておきましょう。
神社以外で神棚を処分する方法
神棚の処分を神社以外で行う方法もあります。
ここでは処分方法を3つご紹介します。
自治体で粗大ごみとして処分する(250円~)
魂抜き(お祓い・ご祈祷)を行った神棚は、ごみとして処分しても構わないとされています。
神棚は木材でできていることが多く、小さなものなら可燃ごみとして捨てることもできますが、30㎝角以上のものであれば粗大ごみとして処分することがほとんどです。
例えば名古屋市で神棚は250円で処分することができます。(名古屋市粗大ごみインターネット受付より)※ただし神仏に関わるものなので、一部(扉や天板等)外して排出。
とは言え、神棚を一般的なごみとして捨てるのは気が引ける…という方も多いかもしれません。
その場合は以下の処分方法を検討してみてください。
神棚の販売店で引き取ってもらう(5千円~2万円程度)
神棚の販売店では不要になった神棚の引き取りを行っていることがあります。
購入したお店がわかっている場合には、一度問い合わせてみるとよいでしょう。
ただしお店によっては引き取りの条件として、買い替えの場合のみということもあります。
また、引き取りを行っている場合は、きちんとご祈祷をしてもらえるのかどうかや、処分費用を確認しておくとよいでしょう。
遺品整理会社や不用品回収業者で処分する(5千円~1万円程度)
神棚の処分は実家の片付けや、親が亡くなったときなどのタイミングで行うことも多いです。
そのようなときには神棚と一緒に家の中の不用品を片付けることのできる業者へ依頼するのが便利でおすすめです。
遺品整理会社、不用品回収業者なら家に来てもらい、神棚の取り外しから搬出まで行ってもらえますし、神具などもそのまま引き取ってもらうことができます。
どちらの業者もそれぞれ特徴がありますので、状況に合わせて依頼するとよいでしょう。
例えば故人の家の片付けと一緒に神棚を処分したい場合は、遺品整理業者への依頼がおすすめです。
遺品整理業者では神棚や仏具の取り扱いに慣れている業者も多く、供養の無料サービスがあることも。
一方、不用品回収業者は神棚1点だけでもすぐに回収・処分を依頼することができます。
引っ越しなどで処分を急いでいる、手間をかけずに処分をお任せしたいという方にはおすすめの方法です。
ただし、業者へ依頼する際にはどのような手順で処分を行っているか、確認しておくようにしましょう。
業者によっては提携先の神社でご祈祷、お焚き上げをおこなっている場合もあり、そのような業者へ依頼をすると安心です。
まとめ
ここまで神棚の処分方法についてご紹介しました。
神棚や仏壇など、宗教に関わるものの処分は手順に迷う方も多いもの。
ポイントをまとめると以下のようになります。
- 丁寧に処分したい場合は魂抜き(お祓い)を行うのがよい
- お祓いは神主に依頼して行う
- 神社での処分はお焚き上げ(焼却)
- 神社以外でも処分は可能
神棚は「神様の住まい」であることからできるだけ丁寧に処分したいですよね。
宗教心が強くない場合でも、神棚をそのまま捨てると神様が気になる…という方もいるのでは。
神棚の処分方法に「絶対」というルールはありませんが、自分の心と向き合ってどのように処分するか決めてくださいね。
当社「ラクタス」のグループ会社である不用品回収業者「出張回収センター」でも神棚の回収・処分を行っています。
また、遺品整理なら「ウィルケア」へもご相談ください。
2023-02-27