更新日:2023年6月14日
趣味や子どもの習い事などでピアノや電子ピアノを購入するとき、処分のことについてはあまり考えない方も多いかもしれません。
楽器の中でも大きさがあり、重量もあるピアノ。
高価であることもあって、不要になったときに処分方法を聞かれると「いきなり処分?」と戸惑うかもしれませんね。
結論から言うと、ピアノを手放したいときに「処分」は最終手段です。
基本的にピアノは中古であっても買取手がつくため、ある程度の値段で買い取ってもらえる可能性が高いもの。
とは言え、保存状態や作られた年代、メーカーなどによっては買取不可の場合もあり、その場合は処分しなくてはなりません。
また、ピアノと一口に言っても「電子ピアノ」「グランドピアノ」「アップライトピアノ」など種類があるため、最適な処分方法がそれぞれ異なります。
処分となると、「粗大ごみで捨てることができるのか?」「処分費用はいくらかかるのか」など疑問点も多いでしょう。
そこで今回はピアノの処分方法を種類ごとにまとめました。
また、処分方法をお得にする方法もご紹介しますので、家にピアノが放置したまま…という方は参考にしてみてください。
目次
ピアノの種類について
お伝えしたようにピアノには3つの種類があり、それぞれ価格や大きさ、重量などが異なります。
種類によってできる処分方法や処分費用にも違いが出ることを知っておきましょう。
【ピアノの種類】
- 電子ピアノ
- グランドピアノ
- アップライトピアノ
電子ピアノ
電子ピアノは電子技術を使ってピアノの音を再現する鍵盤楽器で、家庭用のピアノの代替品として設計されたもの。
「エレクトリックピアノ」とも呼ばれ、ピアノの音を電子音で再現しています。
センサーで鍵盤のタッチを読み取り、その情報が音源に伝わり、スピーカーから発音する仕組みで、家電と同じく電気代がかかります。
もちろん、生演奏をする場合、ピアノに比べて音の質が劣りますが、ピアノと違ってメンテナンスが不要なことや音を大小調節できることなど、自宅での練習用としてはメリットも。
また、重量は40~80kg程度と軽量なことや、数万円~と手ごろな価格なことからも購入しやすいと言えます。
グランドピアノ
グランドピアノはアップライトピアノとともに「アコースティックピアノ」とも呼ばれる昔ながらのピアノ。
主に木材や鉄、羊毛、樹脂などさまざまな素材でできており、指で鍵盤を押すことでハンマーが弦を叩き、弦の振動が音となって響く仕組みです。
そのため電子ピアノと違い、「弾く人の指のタッチや弾き方によって音の表情が変わる」という特徴があります。
グランドピアノの弦は水平に張られており、音を出すためにハンマーが弦を叩いた後、素早く元の位置に戻ります。
鍵盤がが軽く、連打しても音がスムーズになることや指が疲れにくいことも特徴。
本格的にピアノをやりたい方や音大生などにもおすすめですが、その価格は安くても100万円前後とかなり高価になります。
また、かなり大きさがあるというイメージですが、奥行きが3メートル近くあるものから、150~160センチ程度のコンパクトなものまで、さまざま。
ただし重量は約250kg〜400kg程度とかなりあるため、運ぶには数人必要です。
アップライトピアノ
アップライトピアノはグランドピアノを縦型にしてコンパクト化したもの。
生の音は楽しみたいけどスペースがない…という方にも人気のピアノです。
コンパクトとは言っても、重量は約200〜250kgと大変重い楽器で、マンションの重量物の規定に収まらないことや、戸建ての2階以上で床の補強が必要になることもあります。
アップライトピアノの価格は約50万円~で、70万円ほどの価格のものが人気。
しかし、グランドピアノと同じく年に数回のメンテナンス(調律)が必要で、その費用は1回1万5千円~2万円程度です。
不要なピアノはまずは査定を
ピアノを手放したいと考えたときに、まず考えてほしいのが「売却して手放す」ということです。
ピアノは高額なので、中古でも良いから購入したいと考える方はたくさんいます。
また、インドネシアやフィリピン、中国などへのリサイクルピアノとしての需要もあります。
業者によっては搬出作業や出張査定料が不要な業者もあり、処分するよりも費用の負担が軽減できるでしょう。
ただし、何でも買い取ってもらえるわけではなく、ピアノの状態によっては買取不可の場合も。
また、電化製品である「電子ピアノ」は買い取ってもらえてもかなり安い金額になることも考えられます。
とは言え、お金を支払って処分するよりは引き取ってもらえたほうがお得かもしれません。
ピアノの種類に限らず、以下のものは買取不可であることがほとんどですのでご注意ください。
【買取不可のピアノ】
- 水に濡れてしまったもの
- 損傷が激しいもの
- 製造から30年以上経過しているもの
まず、損傷や劣化が激しいものは買取不可となることが多いでしょう。
さらに製造から30年以上経ったものも同じく買取不可のことがほとんど。
ただし、記念・限定モデルなどの特別なピアノについては値段がつくこともあります。
ピアノを長年放置していると「きちんと音が出ない」ということを心配される方もいますが、調律などで修理可能なピアノであれば買い取ってもらえます。
また、複数の業者で見積もりを取ることで、他の店舗で買取不可であっても別の業者では買い取ってもらえた、ということもあるでしょう。
大切なピアノを売却する際には複数で見積もることをおすすめします。
電子ピアノは買取対象でないことも
電子ピアノは正常であっても買取対象でない店舗もあります。
そもそもアコースティックピアノと電子ピアノは別物であると考えられることもあり、楽器店では買い取っていないことも。
例として「ヤマハピアノサービス㈱」ではアップライトピアノ、グランドピアノ以外の電子ピアノやオルガンなどは買取対象外となっています。
また、買い取っている場合は家電と同じように「製造から7.8年以内のもの」までが多いようです。
電子ピアノを売却したい場合は、事前に買取対象かどうか確認しておく必要があります。
査定依頼の前にここを確認
ピアノの査定を依頼する前には以下の情報を確認しておきましょう。
- ピアノのメーカー
- 型番
- 製造番号
一般的に「カワイ」や「ヤマハ」のピアノは買取額が高くなるようです。
例えば「ヤマハ」の買取相場はC3=約10~約50万円、C5=約40~約80万円、U1=約10万円前後となっています。(Cなどアルファベットと数字はシリーズ名とサイズ)※年式や状態によって変動あり
また、問い合わせなどで「買取不可」となってしまった場合にも他店で問い合わせるほか、無料引き取りができるかを聞いてみましょう。
少しでも高く売るためには
高く売るためにはピアノの手入れも重要なポイントです。
電子ピアノの場合、特に手入れは必要ありませんがアコースティックピアノは保管状況や手入れによって査定額が変わることもあります。
高く売るポイントは以下のとおり
- ピアノをキレイに手入れしておく
- 付属品を揃えておく
ピアノをキレイに手入れしておく
ピアノは埃や手垢が付きやすいため、定期的にお手入れをする必要があります。
楽器用のハンディモップやクリーナーを使って、優しく拭き取るようにしましょう。
ピアノは水拭きはあまりおすすめできませんが、水気をしっかり切ったクロス(柔らかい布など)であれば大丈夫です。
しかし鍵盤部分は鍵盤専用クリーナーを使うようにしましょう。
※ただし象牙などの特殊素材でできた鍵盤はクリーナーが使用できません。
付属品を揃えておく
ピアノの購入した際の保証書やカバー、インシュレーターなどの付属品があるかどうか、チェックしてください。
特に電子ピアノは付属品も多いはずです。
付属品の有無によって査定額に大きな差が出ることもあるため、できるだけ揃えるようにしましょう。
査定前に調律はしなくても大丈夫
査定に出す前に調律をしておいたほうがよいのでは?と考える方もいるかもしれませんね。
しかし調律をしているかどうかは査定額に大した影響はありません。
買取後は業者がピアノのメンテナンスを行うため、特に不要だと考えてよいでしょう。
ピアノの種類と処分方法について
ここからは買取が不可だった場合のピアノの処分方法をお伝えしていきます。
種類ごとの大きさや重量、価格などの違いからもわかるように、適した処分方法が異なりますので、お持ちのピアノに最適な処分方法を選んでください。
処分方法一覧
電子ピアノ | グランドピアノ | アップライトピアノ | |
粗大ごみに出す | △ | ✕ | ✕ |
フリマやオークションサイトに出品する | 〇 | 〇 | 〇 |
不用品回収業者を利用 | 〇 | △ | △ |
友人や知り合いに譲渡 | 〇 | 〇 | 〇 |
施設などに寄付 | 〇 | 〇 | 〇 |
処分方法1.粗大ごみに出す
まず、ほとんどの自治体でアップライトピアノ、グランドピアノの処分は受け付けていません。
電子ピアノであれば回収してもらえることもありますが、事前にお住まいの回収ルールを確認してください。
また、自治体での回収は行っていなくても、問い合わせをすると「一般廃棄物収集運搬業者」の免許を持った回収業者を紹介してもらえることもあります。
電子ピアノを粗大ごみで回収してもらった場合の費用は1,000円~2,000円程度。
例えば名古屋市では1,500円、大阪市では1,000円で回収してもらえます。(2023年5月時点)
回収の手順は以下のとおりです。
- 粗大ごみ回収日を調べる
- 電話やインターネットで自治体へ申し込む
- 環境事業所や指定販売店で、手数料納付券を購入する
- 手数料納付券に必要事項を記入し、ピアノに貼り付ける
- 回収日に、指定の回収場所へピアノを運ぶ
処分方法2.フリマやオークションサイトに出品する
処分を急いでいない場合や、買取業者では満足のいく金額がつかなかったなど、自分で直接欲しい人に売りたいという人はフリマやオークションサイトを利用する方法もあります。
特に電子ピアノは業者で買い取っていないことも多く、フリマサイトでも出品されている品を見かけます。
ほかにもピアノ用の椅子、ピアノカバーなど、付属品のみの場合も出品できるため、捨てるのはもったいない…と考えている方は出品してみてはいかがでしょうか。
ただし、必ず買い主が見つかるとは限りませんので、処分までに時間がかかる場合や、結局自分で処分しなくてはならない場合もあります。
また、売れたときの送料を売り主か買い主のどちらの負担にするかや、どこに運送を頼むかなども考えておかなければなりません。
ピアノの運送を依頼できるのは「ピアノ専門運送業者」や「引っ越し業者」などになりますので、事前に費用などを確認しておくとよいでしょう。
ちなみに電子ピアノはほとんどの機種で鍵盤と脚部が解体できるため、一般の運送会社でも運ぶことができます。
出品方法は以下のとおりです。
- サイトの利用登録をする
- 商品の写真を撮り、値段や説明文を記載
- 取引開始・取引完了
- 購入者と連絡を取り商品を梱包・発送する
- 購入者を評価する
参考の取引サイト
- グランドピアノ…ヤフオク
- アップライトピアノ…メルカリ・ラクマ
- 電子ピアノ…メルカリ・ラクマ・ペイペイフリマ
処分方法3.不用品回収業者を利用する
不用品回収業者では、どの種類のピアノであっても処分することが可能です。
また、ピアノ以外のさまざまな不用品を回収・処分してもらえるため、「引っ越しや家の片付けのついでにピアノを処分したい」という方は他のものも一度に処分するチャンスです。
自宅からの運び出しや作業費用、運搬費用や処分費用が含まれているため、見積もり後に追加料金がかかることもありません。
ピアノの大きさや、設置してある場所によって費用が異なるため、見積もりの際は実際に現地を見てもらうようにしましょう。
ただし、業者によってはピアノの運搬ができない業者もあります。
例えば状況によってはクレーン車の使用や手吊り作業など、特殊作業が必要になることもあり、そのような作業に対応していない業者や、そもそもピアノの運搬や処分に対応していないことも。
事前にピアノの回収・処分を行っているかどうか、確認しておきましょう。
不用品回収業者への依頼はネットや電話から簡単に行うことができます。
その際、「一般廃棄物処理業許可」など、必要な資格を持っているかどうかや、実績があるかなども確認しておきましょう。
不用品回収業者へ依頼した場合、かかる費用は以下のとおりです。
- グランドピアノ…40,000円~
- アップライトピアノ…20,000円~
- 電子ピアノ…10,000円~
※ただし特殊作業や階段の使用などによって変動します。
処分方法4.友人や知り合いに譲渡
ピアノを新しく購入するとなると結構な費用がかかります。
友人や知り合いなど、欲しいと思っている方へ譲渡すれば喜ばれることも多いでしょう。
また、「ジモティー」のような、不要になった物を有料で売ったり無料で譲ったりできる人の掲示板サイトもありますので、利用するのも一つの方法です。
ただし、ピアノは自分たちで運搬するのが難しく、運搬費用がかかります。
ピアノの重量や運搬距離などによって数万円の費用がかかるため、どちらが負担するのか決めておきましょう。
電子ピアノであれば解体し、自分たちで運ぶこともできますが、業者へ依頼すれば10,000円~15,000円程度で依頼することもできます。
処分方法5.施設などに寄付
ピアノを有効活用したいという方は施設や団体などに寄付してみてはいかがでしょうか。
地域によっては学校などで寄付を受け付けている場合もあります。
「ラクタス」のグループ会社である「ユースマイル」では電子ピアノの寄付を受け付けており、発展途上国へ寄付したり、リユースしてワクチンの購入費用にしたりと現地支援に役立てています。
ほかにもさまざまなものの寄付を受け付けているため、気になる方はこちらをチェックしてみてください。
注意点として、寄付の場合ピアノの運搬比費用は自己負担となることがほとんど。
事前に受付方法や運搬方法、費用などを確認しておくことをおすすめします。
ピアノの処分方法まとめ
今回はピアノの処分方法についてお伝えしてきました。
ピアノを手放す場合、まずは複数の業者へ査定依頼をしてみることをおすすめします。
また、複数の業者へ見積もり依頼を出し、買取料金やサービスなどを比較してみてください。
「買い取ってもらえない」「故障している」など、自分で処分しなくてはいけない場合は、ピアノの種類に合わせて最適な方法を選択しましょう。
例えば電子ピアノであれば自治体の粗大ごみで処分することもできますが、自治体での回収は月に1回程度しかなく、申し込みや自分で回収場所まで運搬するなどの手間がかかります。
なるべく手間をかけずに処分したいのであれば「不用品回収業者」への依頼がおすすめです。
また、不用品回収業者のなかには電子ピアノの買取を行っている業者もあります。
ピアノ以外にも処分したいものがある場合、買取があれば処分費用から買取額を差し引くためお得に処分することができます。
「ラクタス」の母体でもある不用品回収業者「出張回収センター」では買取にも力を入れておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
2023-05-18