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投稿日:2023年8月21日
更新日:2023年8月21日

家庭菜園やガーデニングなど、自宅で土を使用する方も多いですが、使用済みの土の正しい処分方法をご存じでしょうか。
実は土は、「ごみ」として自治体などで捨てるということはほとんどできません
土は「自然物」であることや「可燃できない」などの理由で、ごみとして回収していないのです。

そのため、「不要になった土をどうやって処分しようか悩んでいる」「もう何も育てていないのにプランターや土がベランダに置きっぱなし」など、処分方法がわからず放置している方も少なくありません。
しかし、土を放置していると雑草が生えたり虫が湧いたりと、見栄え的にも衛生的にもよくないと言えます。

そこで今回は使用済みの土の正しい処分方法を、いくつかご紹介します。
園芸用の土だけでなく、「プランター」や「鉢底石」「砂場用」などの捨てにくいものの処分方法もお伝えしますので、参考にしてみてください。

家庭で処分する土の種類

家庭で使用する土にはどんなものがあるのでしょうか。
用途によって土の種類も異なるため詳しくご紹介します。

園芸用の土

家庭で出る土と言えばガーデニングや園芸用の土が思い浮かぶのではないでしょうか。
ホームセンターや園芸店で購入できる花や野菜を育てるための土のことですが、肥料が混ぜてあるのが特徴です。

家を建てた際に余った土

一軒家を建てると敷地内に余った土が置かれていることがあります。
主に庭作りの際に使用した土ですが、量が多ければ処分に困ってしまいますよね。
同じく庭作りのときに使用したレンガやブロック、防犯用の玉砂利などもピッタリ使い切ることが難しいため余りがちです。

土嚢の土

水害時に活躍する「土嚢」は布袋の中に土や砂を詰めている土木資材のこと。
ホームセンターや自治体が運営する「土嚢ステーション」などで入手することができます。
中に入っているのは土よりも砂であることが多いですが、砂も土と同じく自治体で処分することは困難です。
また、土嚢袋は使い捨てのものが多く、砂を入れた土嚢は1袋20㎏~30㎏とかなり重さがあります。

砂場用の土・砂

最近はDIYで自宅に砂場を作る方も多く、ホームセンターやインターネットでも手軽に「砂場用の砂」を購入することができます。
人気なのは抗菌処理がされた砂ですが、いろいろなメーカーで売られておりサラサラした粒子が細かいものや、ザクザクした粗いものなどさまざま。
しかし砂場にするには結構な量が必要なため、子どもが遊ばなくなったなど不要になったときの処分に悩む方もいます。

なぜ土はごみ扱いができないのか

最初にお伝えしたように、土は自治体で「ごみ」として回収・処分はしてもらえません。
その理由は以下の通りです。

  • 土は「自然物」であるため廃棄物処理法が定義する「廃棄物」に該当しない
  • 焼却処理が困難である

土は「自然物」であるため廃棄物処理法が定義する「廃棄物」に該当しない

廃棄物(ごみ)の処理については、廃棄物処理法(廃掃法)で詳細にルールが定められています。
この中で土に関しては「廃棄物」に分類されていません。
そのため市町村に処理する責務はないものとなっています。
同じように廃棄物として分類されないものとして「石」や「砂利」「砂」なども含まれます。

焼却処理が困難である

土は不燃性のものであり、「燃やして処分する」ということができません。
そのため自治体では処理できないものという扱いになり、回収していないことがほとんどです。
同様に石や砂も処理が困難であることから回収ができないということになります。

自治体によっては少量の回収がOK

土はほとんどの自治体では回収不可となっていますが、自治体によっては回収している地域もあります。
その場合、少量であることや草花や石は取り除くなどのルールに従って捨てることになります。

土を回収している自治体の一部をご紹介します。

  • 名古屋市・・・可燃ごみ(1度に出せる量は片手で持てる重さ(5キログラム程度)で、1袋まで)
  • 大阪市・・・普通ごみ(ごみに混ぜて少量ずつ出す)
  • 横浜市・・・燃えないごみ(少量ずつ透明または半透明の袋に入れて出す)

少量であれば回収してもらえる自治体もありますので、お住まいの自治体もチェックしてみましょう。

自治体で処分できないときの処分方法は?

少量であれば捨てることの自治体もありますが、ほとんどの自治体で土の回収は行っていません。
また、土はその用途から大量に使うことも多く、「少しずつ捨てていたらキリがないわ」という方もいるのではないでしょうか。

「自治体で回収してもらえない」
「大量の土を処分したい」
「石や植物も一緒に処分したい」

など、状況によって処分方法を選ぶようにしましょう。

自分の畑や庭に撒く

処分方法として一番手っ取り早いのが「自分の敷地内に撒いてしまう」ということです。
庭や畑などの土のある場所へ撒けば費用や運搬の手間もかからず、ラクに処分ができます。
ただし、マンションやアパートなどの共有部分には撒くことはできません。
「植え込みがあるから大丈夫でしょ」と勝手に撒いてしまうと、トラブルになることもあるため注意しましょう。

ホームセンターの回収サービスを利用する

ホームセンターで土を購入した場合、不要な土を持ち込むと引き取ってもらえることがあります。
「自分で袋に詰める」「車などで運搬する」などの手間はかかりますが、ホームセンターで引き取ってもらえるとなると気軽に処分することができます。

ただし、土の回収を行っているホームセンターはあまりありません。
例として、以下のような大手ホームセンターでは回収をしていないです。

  • コメリ
  • カインズホーム
  • コーナン
  • ビバホーム
  • DCMグループ

土を引き取ってもらえるホームセンターに「島忠ホームズ」がありますが、対象商品や購入した際のレシートが必要などの条件がありますので、事前に店舗に確認してから持ち込むようにしてください。

残土処理を行っている会社へ処分を依頼する

地域にもよりますが、残土処理を行っている建設会社などへ処分を依頼することもできます。
インターネットで「〇〇市(地域)残土 処分」などと検索すれば探すことができるため、一度探してみるのもよいでしょう。

中には土の処分を専門に行っている会社もあり、ガーデニングなどの庭作業で使用した土、石や砂利、土嚢などの回収・運搬・処理を行ってもらうことができます。
ただし、会社によっては少量の土は回収不可であることや、持ち込みであれば対応してもらえるなど、基本的には大量であることが条件となっています。

目安として2t車での回収が4,000円~10,000円程度になります。
土の状態(不純物が混ざっていないか)や、地域、自宅までの距離などによっても変動しますので事前に見積もってもらうとよいでしょう。

不用品回収業者を利用する

不用品回収業者と言えば家具や家電などを引き取ってもらうイメージが強い方も多いですが、土や石などの「廃棄が困難なもの」も引き取ってもらうことができます。
先ほどの残土処理を行う会社では、基本は植物の根や石などは取り除いて「土のみ」を出さなければなりませんが、不用品回収業者では「プランターに入れたまま」や「根や鉢底石も一緒に」回収・処分してもらうことができます。
自宅までトラックで回収に来てもらえるため、土の袋詰めや運搬なども必要ありません。

また、不用品回収業者では、土以外のガーデニング用品や家にある不用品など、なんでも引き取ってもらえるのもメリットの一つ。
少量の回収依頼よりもまとめての依頼の方がお得になるので、引っ越しや家の片付けなどのタイミングで依頼するのがおすすめです。

処分費用の目安は土1㎏で50円~200円程度
ここに基本料金や運搬費などがかかることもあるため、事前に見積もりを取るようにしましょう。

詳しい回収品目や費用が知りたい方は、「ラクタス」のグループ会社である「出張回収センター」へお気軽にお問い合わせください。

土の不法投棄には注意!

土や石は自然の中でよく見かけるものです。
山や公園など、土のある場所へ不要になった土を捨ててもよいのではないかと考える人もいるでしょう。
しかし、家庭で使用した土は自然界の土とは異なるものになってしまうため、捨ててはいけません

なぜなら、肥料や不純物が混ざった土を捨てることで環境が変わってしまうことや、自然破壊に繋がるおそれもあるから。
もちろん、土だけでなく石や砂を川などに捨てるのもNGです。
このことは廃棄物の処理及び清掃に関する法律で定められており、自分の家の敷地以外に土や砂、石を捨てると不法投棄になり、「五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金」となっています。

「捨てる」を楽にする方法を試してみよう

土の処分が面倒だと感じる方は多くいらっしゃいます。
そのような場合は捨てることのできる土を利用したり、捨てずに再利用したりしてみましょう。

「燃えるごみとして捨てられる土」を使用する

「土を捨てるのは面倒だけどガーデニングは楽しみたい…」という方のために「燃えるごみとして捨てられる土」というのが販売されています。
ごみとして処分できることで、マンションや庭のない家の方でも気軽に土いじりを楽しめます。

商品の一例をご紹介します。

  • 燃やせるごみとして捨てられる エココソイル14L…2,480円(税込)(価格はAmazonのもの)
  • プロトリーフ すてられる土5L…1,383円(税込)(価格はAmazonのもの)

インターネットで「ごみとして捨てられる 土」などと検索すれば探すことができます。
一般的な土よりも少し割高で、店頭での取り扱いが少ないのが難点です。

また、見た目は普通の土とあまり変わりがないため、自治体で捨てる際はビニール袋などに入れて「捨てられる土」などと明記しておくとよいでしょう。

土を再利用する

土は一度植物を育ててしまうと養分が無くなったり水はけが悪くなったりと、再利用することが難しくなります。
また、根が張ってしまうなど余分なものが混ざってしまい、新しく植えた植物が根を張ることができないことも。

しかし、適切に処理をすれば土の再利用は可能。
ひと手間加えることで、土を処分することも新しく土を購入することもなくなり、環境にもお財布にも優しいためおすすめです。

手順は以下の通りです。

  1. 不純物を取り除くためふるいにかける
    (根や害虫などを取り除く)
  2. 病原菌などを取り除くために消毒する
    (夏は黒のビニール袋に古い土とたっぷりの水を入れて口を閉じて、直射日光に当てる)
    (冬は古い土を容器に入れてから、全体に熱湯をかけ、2~3週間に1回の混ぜながら寒さにさらす)どちらも1カ月程度行う。
  3. 追加の土を足す
    (根などのごみを取り除いた土は量が減っているため新しい土を追加し、混ぜる)
    (量は古い土の半分程度)
  4. 肥料やミネラルを補給する
    (窒素やリン、ミネラル、カリウムなどが含まれた肥料を追加して混ぜ合わせる)

「混ぜるだけ」の簡単な再生材を利用する

ホームセンターなどでは「使用済みの古い土の再生剤」というものが販売されています。
メーカーや商品ごとに使用方法や特性が異なるため、説明書きをチェックしたりや店員さんに聞いたりして購入しましょう。

一例として以下の商品の利用方法をご紹介します。

  • GREEN MAIL「古い土の再生に!もどるんです」

【使い方】

  • 古い土をビニールシートの上などの上に出して広げて乾かす(2日程度)
  • 乾かした土に「もどるんです」を混ぜると再生する

土の処分方法まとめ

土の処分についてポイントは

  • 自治体では処分できないことが多い
  • 自治体で処分できる場合は少量のみ
  • 山や公園などに捨てるのは法律違反になる

ということです。

「ガーデニングや園芸を始めてみたい」と思う方は多いですが、意外に土の処分までは考えていない方も多いもの。
土以外にも枯れた植物や鉢底石、プランターや支柱などガーデニングでは捨てにくいものが多くあります。

土の処分方法をいくつかご紹介しましたが、簡単で楽なのは不純物ごと引き取ってもらえる「不用品回収業者」ではないでしょうか。
「プランターごと」「ガーデニング用品一式」など、とにかく手間をかけたくない方にはおすすめです。

また、長くガーデニングや園芸を楽しみたい方は「土の再利用方法」を知っておくとエコにもなり、余分な支出を抑えることもできます。

ご自身の状況に合わせて、土の処分方法を選択してくださいね。

2023-06-09

 

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