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投稿日:2023年6月26日
更新日:2023年6月22日

家族の一員であるペットは、生活に癒しと生きがいをもたらしてくれる大切な存在です。
現時点で自分とペットが元気いっぱいでも、将来具合が悪くなったり面倒をみれなくなったりと問題が起こる可能性は否定できません。
こうした万が一の事態に備えて、終活の一環として、ペットの老後の準備をすることは大切です。
そこでこの記事では、生前整理でペットのために準備すべきことや、ペットへの遺産相続について紹介します。
「自分に何かあった時に、ワンちゃんやネコちゃんが心配・・」という方は、体力のある今のうちに、ペットが幸せに過ごせるような環境を整えましょう。

目次

故人のペットはどうなるの?遺品整理で浮き彫りになる問題

犬や猫を残して飼い主が亡くなった場合、遠方に住んでいる家族とペットに関する情報共有が不十分で、遺品整理の際に対応に困り果ててしまうことも少なくありません。
ここでは、生前整理でペットの老後の準備をすることの必要性を解説します。

飼い主の高齢化・単身世帯の増加

定年を迎えて子育てもひと段落すると、時間に余裕が生まれてペットを飼い始める人は多いです。
しかし、飼い主が高齢になるにつれて、認知症を発症したり病気で手術・入院となると飼い続けることが難しくなります。
特に単身世帯だと、家族や友人など預け先を探しても、猫・犬のアレルギーを持っていたりペット不可の賃貸に住んでいたりと、なかなか見つからないことも。
ペットの生前整理を早期に行うことは、飼い主としての責任であり周囲への配慮にも繋がります。

ペットの長寿化・多頭飼育崩壊に伴う飼育放棄

2021年の一般社団法人ペットフード協会の調査によると、犬の平均寿命は14.65歳、猫の平均寿命は15.66歳であることが分かりました。
室内飼いが一般的となり長生きできるようになったペットを、最期まで飼い続けるためには体力と経済的な余裕が必要です。
ペットは、人間と同じように介護が必要になることも少なくありません。
食事や排泄が自力でできなくなると、お世話の負担は想像以上に大きくなります。
こうした老犬・老猫の介護と重なり、飼い主が病気になり退院の目途が立たないことなどを理由に、保護されるペットも多いです。
また、適切なタイミングで避妊・去勢手術をしなかったことから、犬や猫が繁殖しすぎることも。
生前整理をすることで、ペットがゴミ屋敷のように荒れ果てた家に取り残されるといった無惨な事態を回避できます。

保健所に引き取られたペットは殺処分になることが多い

何らかの事情でペットを飼うことを諦めざるを得ない時、ペットの預かり先を前もって見つけなければなりません。
しかしそうした準備や知識が不十分で、保健所に持ち込む人は残念ながら存在します。
所有権を放棄したペットは、里親が見つからずに一定期間を過ぎると殺処分になることが多いのが現実です。
2013年に動物愛護管理法が改正され、ペットの終生飼養(寿命を迎えるまで適切に飼養すること)について明記されました。この法改正によって、自治体は自己都合(飼い主の老いや入院等)のペットの引き取りを拒否することが可能になります。
突然の病気や入院に関わらず、ペットの最期まで責任を持つことは飼い主の義務です。ペットが安心して過ごせるために、しっかりと生前整理を行いましょう。

生前整理でペットのために準備することは3つ

ペットに関する生前整理で行うことは主に下記の3点です。

  1. エンディングノートにペットの情報を記載する
  2. 新しい飼い主を探す
  3. ペットに遺産を残す手続きをする

それぞれについて、詳しく解説していきます。

生前整理①エンディングノートにペットの情報を記載する

エンディングノートは、身の周りの整理を行う時に家族や親戚に伝えておきたいことを記すものです。
残された人が困らないためにも、ペットに関する情報をきちんと記載しておきましょう。

ペットの基本情報について(飼育記録)

まずは、ペットのプロフィールをまとめます。

  • 名前
  • 誕生日
  • 種別、品種
  • 血統書、登録番号
  • 好きな食べ物
  • 苦手なこと
  • お気に入りのオモチャ、遊び

この他にも、ペットの写真や日々の思い出、飼育状況を記録すると良いでしょう。
ペットの性格がわかるようなエピソードがあると、次の飼い主に役立つ情報となります。

ペットの健康状態について(手術・予防接種)

エンディングノートには、ペットの健康管理について詳しくまとめておくことも必要です。

  • 身長、体重
  • 去勢・避妊手術の有無
  • ワクチン接種状況、証明書(狂犬病や混合ワクチン)
  • かかりつけの動物病院
  • 既往歴
  • ペット保険の加入の有無、契約書の場所

生前整理は、日々の運動(散歩)や食事内容について見直すきっかけになります。
ペットの健康寿命を伸ばすためには、定期健診を受けて病気を早期発見することも大切です。
また、ペット保険に未加入の方は、健康なうちに契約することも検討してください。
自分の死後、契約を解約または引き継ぎを希望するのかについても記載します。

ペットのケアについて(躾・衛生管理)

ペットの身だしなみや癖といった飼い主しか分からない情報は、エンディングノートに記載すべき事項です。

  • 通っているトリミングサロン
  • シャンプーの頻度
  • 爪切りの方法、ペットの様子
  • 躾の状況(吠えや夜鳴き、粗相など)

慣れない人に吠えたり噛みついたりするようなら、しつけ教室やドックトレーナーを探してください。
問題行動を早めに改善すれば、ペットも新しい飼い主もストレスなく過ごせるでしょう。

ペットの死後について(葬儀・埋葬・供養)

ペットを最期まで看取ることができなかった時のために、飼い主としての希望や具体的な供養の方法について記しておくことをおすすめします。

  • 埋葬方法(合同火葬または個別火葬)
  • ペット霊園、葬儀場の候補先
  • 供養(手元供養・納骨・散骨)
  • 手続きに必要な書類
  • 棺に入れたいもの

ペットが亡くなったら、ペット霊園や納骨堂に納骨するか、骨壺を用意して自宅で保管することも可能です。
ペット霊園や葬儀場は、実際に見学して雰囲気を確かめたりスタッフに相談したりすると良いでしょう。

生前整理②新しい飼い主を探す

ペットを残して自分が先立つことを想定し、新しい飼い主を早めに探すことは最も重要な生前整理です。
まずは、家族や親戚、知人などに声をかけてみましょう。
すぐに見つかるとは限らないため、ペットの老後も考慮して様々な選択肢を持っておくと安心です。

里親募集│譲渡条件を明確にする

ペットの里親募集では、SNSに投稿して拡散を依頼したり、専用掲示板に書き込んだりとインターネットで発信して高範囲に探すことができます。
エンディングノートに記載するような基本情報を掲載して、可愛がって育ててくれる里親を見つけましょう。
信頼できる里親を見つけるためには、譲渡条件を記載することが必要です。

  • 室内で安全に飼える
  • 家族の同意を得ている
  • 定期的な近況報告ができる

譲渡後にペットが安心して過ごせるように、里親の年齢も考慮しなければなりません。
高齢の方の場合、再び飼育環境が変わる恐れがあるからです。
また、動物虐待など「里親詐欺」に遭わないためにも、引き渡し前に身分証明書を提示してもらい慎重に判断してください。

老猫・老犬ホーム│入院や災害に備える

老猫・老犬ホームは、要介護のペットの一時預かりから長期的な預かり・看取りまで依頼できる施設です。
ペットの介護が諸事情により難しくなった場合でも、専門スタッフが毎日の散歩や食事などのお世話をしてくれるので安心できます。
飼い主は変わらず自分のままなので、ペットとの面会も自由にできる施設も多く、なかには獣医師が在籍しているところも。
ペットが突然の環境変化に戸惑わないために、お試しとして数時間から利用してみると良いでしょう。

ペット入居可の介護施設│施設形態によりサービス内容が異なる

老後もペットと一緒に暮らせる方法として、ペットと同伴入居が可能な介護施設も一つの選択肢として挙げられます。
施設によっては、ドッグランやトリミングサロンが併設されている場合もあり、快適に過ごせる環境が整っているのがメリットです。
しかし、ペット入居OKのサービス付き高齢者向け住宅では、原則として自分でペットのお世話を行わなければなりません。
老人ホームなどの介護施設によっては、スタッフがペットのお世話をしてくれるところもあります。
ペット同伴可の施設を選ぶ際は、自分の体調が悪化した際にペットの預かりが可能なのか調べる必要があるでしょう。

民間のペット相談・譲渡会を利用する

ペットの健康状況やしつけなどで気がかりなことがある場合は、早めに専門家に相談しましょう。
咬み癖などの問題行動がなければ里親とのトラブルを回避して、スムーズに飼い主が見つかるかもしれません。
愛知県名古屋市にある「人とペットの共生サポートセンター」では、新しい飼い主を探している方と里親になりたい方の橋渡しを行っています。
ペットトレーナーやペットシッターなどの事業所も紹介してくれるので、ぜひ活用してください。

生前整理③ペットに遺産を残す手続きをする

飼い主が亡くなった後に、ペットが不自由なく生活できるよう遺産を残すためには、どのような準備をすれば良いのでしょうか。
日本では、ペットに直接遺産を残すことが法的に認められていません。
そのため、新しい飼い主や信頼できる機関に間接的に遺産を託すしかないのです。
ここでは生前整理でペットに遺産を渡すための方法を解説します。

負担付遺贈│遺産を渡す代わりにペットのお世話を依頼

負担付遺贈とは、遺産を相続する相手に特定の義務を課すことを指します。
ペットのお世話をすることを条件として新しい飼い主に遺産を相続することが可能です。
遺言に記載すべき事項は以下の4点となります。

  • 飼育費用となる相続する金額
  • 受遺者(新しい飼い主)
  • 具体的なお世話の内容(条件)
  • 遺言執行者

遺言執行者とは、ペットのお世話の状況を飼い主の代わりに確認する人のことで、弁護士や行政書士に依頼することもできます。
相続財産は、通常の飼育費用だけでなく、治療費や予防接種代・葬儀代についても含めて余裕を持った金額を明記してください。

 

ペットの負担付遺贈の注意点

  • 依頼した引き取り先に相続放棄される可能性がある
  • 遺留分を侵害すると相続トラブルに発展することがある

負担付遺贈は、生前に受遺者となる新しい飼い主に合意を得なければなりません。
飼い主が亡くなった後に、引き取り先の事情が変わって相続放棄した場合は、ペットの生活を確実に保証することが難しくなります。
また、法定相続人がいる場合は遺留分を考慮しないといけません。
遺留分とは兄弟や姉妹以外の法定相続人が最低限相続できる財産のことです。
もし遺留分を侵害されたときは、財産を請求される可能性もあります。
負担付遺贈を希望する方は、飼育費用となる贈与額の設定に十分に注意しましょう。

負担付死因贈与│新しい飼い主と契約を結ぶ

負担付死因贈与とは、自分の死後にペットの飼養を条件として遺産を渡す旨を、引き取り相手と契約することです。
負担付遺贈と異なり、ただ遺言に記すのではなく遺産を受け取る人と契約を締結するため、ペットのお世話を断ることができません。
また、負担付遺贈と同様に、ペットの状況を確認する「死因贈与執行者」を指定する必要があります。
万が一、契約内容にそぐわないことが判明した時は、裁判で贈与を取り消すことも可能です。

負担付生前贈与│入院や病気に備えて新しい飼い主と契約する

負担付生前贈与なら契約を締結した時点で、遺産を受け取る相手に、ペットの飼養の義務が発生します。
突然入院となった場合でも、新しい飼い主にペットを引き渡せるため安心です。
新しい飼い主にペットが慣れるためにも、元気なうちから定期的に交流を深めると良いでしょう。

ペット信託に加入する

ペット信託とは、相続と別に「信託財産」として信頼できる団体や人に、ペットのための遺産を管理してもらう方法のことです。
ペット信託に加入することで、確実に遺産を残すことができます。
信託監督人を指定すれば、自分の死後も定期的に飼育状況を確認してくれるため、信頼度が高いです。
飼育費用として契約した範囲で遺産を引き出すので、用途が明確になることもメリットといえるでしょう。
ペット信託は、契約書の作成代とペットの飼育費が主な費用となり、専門業者に依頼する方法が一般的です。
まずは自治体や地域のサポートセンターなどで弁護士や司法書士に相談してみてはいかがでしょうか。

ペットの生前整理の困りごとは「遺品整理業者」に相談できます

ペットや飼い主の生前整理は、さまざまな状況を想定して早めに準備するに越したことはありません。
生前整理に関する悩みや困りごとは、遺品整理業者に相談することも検討してください。
生前整理をプロに任せると、下記のようなメリットが得られます。

メリット①ペットと離れる気持ちを整理できる

ペットに関する生前整理は、お別れの悲しみを少しずつ受け入れる準備でもあります。
飼い始めた頃から今までの思い出を振り返ることで、突然のペットロスを防ぐことも可能です。
生前整理は気持ちの面でなかなか作業が進まない方も少なくありません。
業者の力を借りることで、これまで寄り添ってくれたペットへの感謝の気持ちと共に、現実と向き合えるようになるでしょう。

メリット②ペット関連の持ち物を仕分けできる

生前整理を扱う遺品整理業者なら、自分やペット用品の仕分けをして、不用品が減らせます。
持ち物が少なくなると精神的にすっきりし、体力に合わせて管理しやすくなります。
仕分け作業が不十分のままペットと離れ離れになると、「もっと早くに準備しておけばよかった」と後悔することになるかもしれません。
形見として残したいものやお焚き上げなどの要望をエンディングノートに記載しておくことで、家族に希望を伝えることが可能です。

メリット③残された家族が対応に困らない

ペットに残す遺産や、新しい飼い主・施設などの準備を滞りなく済ませておけば、残された家族が対応に困りません。
特に相続人がいる場合は、遺言書や契約書にペットに残す財産やお世話をする人を明記することでトラブルを回避できるはずです。
相続関係は専門家に相談して、適切な対応をとることをおすすめします。
また、事前に家族と話し合う機会を設けて、エンディングノートにまとめた考えを直接伝えられることが理想的です。

まとめ:ペットの幸せな生活のために生前整理を行いましょう

生前整理は、飼い主としての義務を果たすために必要な作業です。
自分の状況に影響されることなく、ペットが穏やかに過ごせるように今のうちから整理を始めましょう。

  • ペットを飼っている両親の家の片付けが心配
  • 生前整理について専門家に相談したい
  • ペットのお世話が大変で、部屋の片付けが進まない

このようなお悩みがある方は、愛知・名古屋に拠点を持つ片付け専門業者「ラクタス」におまかせください。
ラクタスでは不用品回収・買取やハウスクリーニングに12年以上の実績を持ち、依頼者様の御要望に合わせてお部屋を片付けることが可能です。
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