更新日:2023年10月2日
「発泡スチロール」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
商品の梱包材・緩衝材、食品のトレイ、食品を入れる箱など…私たちの身近にはさまざまな形状の発泡スチロールが存在しています。
発泡スチロールは小さなものであれば簡単に捨てることができますが、梱包材や緩衝材などの大きなものや、大量にある場合、「ごみ袋に入れるとかさばる」「袋に入らず捨てずらい」「割るとごみが散らばる」などの理由から処分が面倒だという方もいらっしゃいます。
また、なかには発泡スチロールのごみ分類がわからない、という方もいるかもしれませんね。
今回は、そんな発泡スチロールの処分方法について、自分で処分する方法や、手軽に処分する方法をご紹介します。
目次
発泡スチロールって何?
発泡スチロールと言えば「白くて軽いもの」というイメージがあるものの、詳しい素材などについては知らない方もいるかもしれませんね。
まずは発泡スチロールについて簡単に解説していきます。
発泡スチロールとは
発泡スチロールとは、石油をもとに作られるプラスチックの一種である「ポリスチレン(PS)」に気泡を含ませて作られたもの。
98%が空気でできているため、とても軽く、断熱性があることから保冷・保温にもよく使われます。
発泡スチロールの種類は3つ
発泡スチロールは作り方などの違いによって以下の3つの種類に分けられます。
- EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)…魚や果物を入れたり、電気製品などを保護するための箱として使われる
- PSP(発泡スチレンシート)…食品容器などで使われる
- XPS(押出発泡ポリスチレン)…建築工事の断熱材として使われる
一般的に、発泡スチロールと言えばEPSのことを指すようです。
発泡スチロールは再利用できる地球に優しい資源
使用済みの発泡スチロールは再製品を作ったり、燃やした時のエネルギーを発電に変えたりして、約9割が有効活用されています。
自治体での回収についても「プラスチック製容器包装」として資源ごみで回収されることが多くなっています。
発泡スチロールは自治体やスーパーの回収BOXで処分可能
発泡スチロールは普通ごみとして、自治体で処分することができます。
しかし一口に発泡スチロールと言っても、形状や用途などはさまざま。
そしてその種類によって自治体での処分方法が異なることもあります。
ここでは、自治体での処分方法について詳しく説明していきます。
食品トレイはスーパーの店頭回収も利用できる
魚や肉などが入っていた食品トレイは、自治体での処分以外にスーパーの外に設置されている回収ボックスへ入れて処分する方法もあります。
臭いやカビな発生の予防のため、トレイをキレイに洗って乾かしてから捨てるようにしましょう。
ただし以下のものは受け付けていないことが多いため注意してください。
- 納豆のパック
- インスタント麺の容器
- P&Pと表示されたフィルムが剥がせるトレイ
- しめじの容器
「PS」プラマークのある発泡スチロールは「プラスチック製容器包装」
発泡スチロールを家庭で処分する場合、食品トレイ以外には主にEPS、つまり食品を入れる箱や緩衝材などが多いかと思います。
そのほとんどの袋や箱には「PS」マークの表記があります。
このPSマークが表記されていれば「プラスチック製容器包装」として処分するところがほとんどです。
(プラマークの表示がなくても商品を包装しているプラスチック製のものは対象であることがほとんど)
プラスチック製容器包装の捨て方は各自治体のルールに従って処分しましょう。
発泡スチロールの捨て方・自治体ごとの回収ルール
発泡スチロールは「プラスチック製容器包装」として自治体で捨てることができますが、細かなルールは地域によって異なります。
主な自治体の処分方法を以下にご紹介します。
自治体 | 分別区分 | 捨て方 |
足立区(東京都) | 発泡スチロール(緩衝材・PSマーク)…燃えるごみ | 透明または半透明の袋に入れて出す |
横浜市 | ・発泡スチロール(緩衝材・PSマーク)…プラスチック製容器包装 ・商品として購入したもの…燃えるごみ |
・一辺が50㎝以下のサイズにして透明または半透明の袋に入れて出す ・50㎝以上は粗大ごみ |
大阪市 | 発泡スチロール(緩衝材・PSマーク)…プラスチック製容器包装 | 中身の見える袋に入れて出す |
京都市 | 発泡スチロール(緩衝材・PSマーク)…資源ごみ | 指定ごみ袋に入れて出す |
名古屋市 | ・発泡スチロール(緩衝材・PSマーク)…プラスチック製容器包装 ・商品以外の梱包に使用されたものは可燃ごみ |
指定ごみ袋に入れて出す |
四日市市(三重県) | 発泡スチロール(緩衝材・PSマーク)…燃えるごみ | ・指定ごみ袋に入れて出す ・50cmを超えるものは破砕ごみ |
岐阜市 | 発泡スチロール(緩衝材・PSマーク)…プラスチック製容器包装 | ・中身が見える袋に入れて出す(45Lまで) |
静岡市 | 発泡スチロール(緩衝材・PSマーク)…燃えるごみ | 指定ごみ袋に入れて出す |
※「プラスチック製容器包装」として捨てる自治体は対象のもののみをまとめて袋に入れて出す
※「プラスチック製容器包装」など資源として出す場合、汚れを取り除いてから捨てる
※2023年7月時点
発泡スチロールが大きい場合は小さくカットする
自治体によっては、大きなサイズの発泡スチロールは袋に入る大きさまで小さくカットして捨てるよう決められています。
発泡スチロールはカッターなどで簡単に切ることができますが、他にも小さくする方法があるのでご紹介します。
●ごみ袋に入れて割る
発泡スチロールは割ると細かくなりますが、ごみが飛び散るので後片付けが大変だという方もいます。
その場合はあらかじめ少し濡らした発泡スチロールをごみ袋へ入れ、ごみ袋の上から体重をかけて割るのがおすすめです。
少し濡らすことで静電気による摩擦を防ぎ、ごみ袋に張り付くこともありません。
また、袋の中で砕くため、周囲に飛び散らずに小さくすることができます。
●電動カッターで切る
普通のカッターでも発泡スチロールはカットすることができますが、断面がボロボロになってカスが飛び散ることもあります。
大量にカットしたい方や、頻繁に発泡スチロールをカットするという方は、発泡スチロール専用の電動カッターを使用することをおすすめします。
電動カッターは、発泡スチロールを熱で溶かしながら切っていくので力もいらず、カスが飛び散ることもありません。
手軽なものだと100円均一で「発泡スチロールカッター」や「ヒート式カッター」などの名称で販売されています。
発泡スチロールを自分で燃やすのはNG!
発泡スチロールを含め、特定の処理基準を満たさない廃棄物を焼却(野焼き)することは「廃棄物処理法」によって原則禁止されており、違反した場合は5年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金が科せられる場合があります。
また、知識や設備環境が不足している中で燃やしてしまうと、有害な一酸化炭素が発生したり、事故が起きたりする原因にもなります。
安全や環境のためにも自分で焼却する行為は絶対しないようにしましょう。
自治体以外での発泡スチロールの処分方法
発泡スチロールの量が多い場合や、小さく切って捨てるのが面倒…という方には自治体での処分以外の方法も検討してみてください。
購入した家電量販店で回収してもらう
家電を購入したときの緩衝材である発泡スチロールを処分したい場合は、購入店にて無料で引き取ってもらえる場合があります。
家電によっては緩衝材が大きく、大量に使用されていることもあるため捨てるのが面倒ですよね。
再度持ち込む必要はありますが、カットしたり袋に入れたりする必要がなく、手軽に処分できる方法です。
手軽に処分したいなら不用品回収業者へ依頼
不用品回収業者は家の不用品を回収し、処分してもらえる業者です。
発泡スチロールであっても、大きさや形状、量に関係なくすべてそのままで引き取ってもらうことができます。
もちろん、発泡スチロール以外の不用品も依頼できるため、大掃除や引っ越し、断捨離のついでに一緒に頼むのもおすすめ。
電話やインターネットから簡単に依頼ができ、回収日時を指定できるので自分の都合に合わせて処分することが可能です。
発泡スチロールに関しては1kgあたり80円〜110円ほどの回収料金が相場となっています。
しかしトラックで自宅まで回収に来てもらえることもあり、車両費や人件費などが別で必要となることもあり、見積もりを取るのがおすすめです。
最近ではLINEやメールから簡単に写真などで簡単に見積もりを取ることができます。
また、見積もりを依頼する前に「一般廃棄物処理業」の許可を保有しているか確認しましょう。
「ラクタス」のグループ会社である『出張回収センター』でも発泡スチロールの回収・処分をおこなっています。無料見積もりはこちらからお気軽にどうぞ。
事業用の発泡スチロールは「産業廃棄物」として処分
企業や店舗などで使用した発泡スチロールは産業廃棄物の一種である「廃プラスチック類」として分類されます。
主に生鮮食品の入れ物や、商品の緩衝材として使用されることが多いですが、オフィスや店舗の移転などでも発泡スチロールがごみとして出ることもあります。
事業所から出たごみは家庭ごみである「一般廃棄物」とは違い、「産業廃棄物」として処理しなくてはなりません。
発泡スチロールを産業廃棄物として処分する方法は以下の通りです。
産業廃棄物処理業許可を取得する業者へ回収を依頼する
事業所から出た発泡スチロールは家庭用と同じように、回収後リサイクルすることで再生プラスチックとして再資源化されます。
各地域では発泡スチロールを回収し、処理を請け負う中間業者もあるため、そのような業者を利用するのもよいでしょう。『発泡スチロール協会』のサイトでは中間業者の紹介があります。
また、正しく処理をするためにも廃棄する場合には「産業廃棄物処理業」の許可を持つ会社へ回収を依頼するようにしましょう。
許可を持つ業者については自治体で紹介してもらうこともできます。
不用品回収業者でも回収・処理が可能
不用品回収業者は一般家庭からの不用品のほかに、企業や店舗などの事業所から出た不用品も回収することができます。
不用品回収業者においても「産業廃棄物処理業」の許可を持つ業者へ依頼するようにしましょう。
一般家庭からの不用品の回収・処分と同様に、事前の登録や手続きなども不要で簡単に依頼できるのもメリットの一つ。
発泡スチロール以外にもオフィス家具や家電、什器なども回収してもらえるため、廃棄物の分類をしなくてもまとめて処分が可能です。
また、マニフェストの発行やリサイクルをおこなっていたり、機密情報の処理ができる業者もあるため必要に応じて利用しましょう。
※『出張回収センター』では再利用資源への加工、マニフェストの発行、買取、機密情報の溶解処理などをおこなっています。(オフィス・店舗回収はこちら)
まとめ
発泡スチロールはリサイクルが可能な資源ですが、自治体でごみとして処分する際は「プラスチック製容器包装」として処分する場合や、「燃えるごみ」として処分する場合などさまざまです。
必ず、各地域のごみルールに従って正しく出すようにしましょう。
また、発泡スチロールは緩衝材でも多く使用されていることからサイズが大きかったり、大量に使われていたりと処分に困ることもあります。
小さくカットする際にはケガに気を付けておこなうようにしてください。
自分での処理が困難な場合や、他の不用品もまとめて処分したい場合は不用品回収業者を選ぶのも一つの方法です。
状況に合わせて最適な方法を選んでくださいね。
2023-07-24