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投稿日:2023年10月6日
更新日:2023年10月6日

ごみ屋敷』とは、「ごみが野積みの状態で放置された、ごみ集積所ではない建物もしくは土地」のことで、年々増加傾向にあることなどから深刻な社会問題となっています。
そんなごみ屋敷は「自分に関係ない」と思っていても、ある日突然、他人事ではなくなってしまうことも考えられます。

それは以下のような状況ではないでしょうか。

  1. 自分の家族の家がごみ屋敷になっている
  2. 近所の家がごみ屋敷になっている

このように、身の回りにごみ屋敷がある場合、どこに相談したらいいのかわからないという人も多いでしょう。
また、相談先がわからずに直接個人間でやりとりをしてしまうとトラブルが起きることも。

そこで今回は状況別にごみ屋敷の相談先をご紹介します。
相談後の対応についても載せていますので、是非参考にしてみてください。

ごみ屋敷の問題点とは?

ごみ屋敷が身近にあることによってどのような問題が発生するのでしょうか。
近隣に住む人たちへの影響は以下の通りです。

  1. 悪臭が発生する
  2. 害虫が発生する
  3. 火災が発生するリスクが上がる
  4. 孤独死が起きる可能性
  5. 家屋が倒壊する可能性

問題点1.悪臭が発生する

ごみ屋敷は「ごみ」と名前にあるように、さまざまな種類のごみが溢れ、掃除をしていないことによって汚れや菌なども付着しています。
考えただけでも悪臭がすることが想像できますが、その原因は主に以下のようなものです。

  • 生ごみ
  • 腐敗臭
  • カビ
  • 雑菌
  • 虫や動物の糞尿
  • 排水口

悪臭と言うと、食べ物の腐敗臭やカビや雑菌臭さをイメージする人も多いかと思いますが、ごみ屋敷には多くの悪臭の元が存在します。
特に強い悪臭となるのが虫や動物の糞尿。
生ごみや汚れを放置することで集まってくる虫や動物は、臭いのする糞尿を落としていきます。

例えば生ごみにハエやゴキブリが発生し、それらを餌とするネズミやヤモリがやってきて、さらにそれらを餌とする猫やハクビシンがやってくる…という具合です。
これらは生き物ですので繁殖し、さらに数が増えていけば悪臭も強くなります。

悪臭は風に乗って遠くまで臭うこともあり、夏場となればより激しくなるでしょう。

問題点2.害虫が発生する

生ごみを求めて害虫がやってきますが、ハエやゴキブリのように目に見えやすい害虫ばかりではありません。
カビを食べるチャタテムシや、ホコリや髪の毛を食べる紙魚(シミ)、繊維製品を好むヒメカツオブシムシなど、これらはごみ屋敷には必ずと言っていいほど現れる虫たちです。
また、当然ですがダニも大量に発生し、ごみ屋敷の場合は数百万匹〜数億匹ほどいるとも言われています。

害虫は人間の血を吸ったり、病原体を媒介したりして直接害があるため注意が必要です。

問題点3.火災が発生するリスクが上がる

ごみ屋敷は火災が起きやすいと言われています。
住宅火災の原因は、火の不始末・放火・漏電の3つが多く、これはごみ屋敷にも当てはまります。

例えば、住人がタバコや石油ストーブなどをうっかり消し忘れたことでボヤ騒ぎになるケースがありますが、燃えやすいものが多いごみ屋敷ではボヤ騒ぎではなく、大きな火災になってしまうでしょう。
また、ごみ屋敷は放火犯が火をつけたくなる条件(燃えやすいものが多い・物陰が多いなど)が揃っています。

さらに、コンセントにホコリが溜まって漏電し、引火する「トラッキング現象」もごみ屋敷では発生しやすくなります。
このように、少しの火種であっても物が多いことによって大きな火災になり、周囲の家に燃え移ることも考えられます。

問題点4.孤独死が起きる可能性

ごみ屋敷の住人は孤独死のリスクが高くなります。
そもそもごみ屋敷になってしまう原因には、体力の衰えや病気によって掃除や片付けができなくなる人も多く、不衛生な状況になることで他の病気や感染症を併発し、そのまま死に至るケースもあります。
ごみ屋敷の住人が一人暮らしであった場合、異変に気付く人がいないため、転倒やごみに埋もれて動けなくなっていても発見されることがありません。

孤独死の発見のきっかけの多くは死体の腐敗臭によるもので、発見者は近隣住人がほとんど。
遺体の多くは腐敗が進み、体液を出しているため部屋の中に虫が湧いているほか、染みや悪臭を取るために特殊清掃を依頼しないといけないことも多いでしょう。
また、孤独死のあった部屋は一般的に事故物件に含まれます。

問題点5.家屋が倒壊する可能性

ごみ屋敷が倒壊する原因となるのは以下の2つです。

  • ごみや物の重さに家が耐えられなくなっている
  • 柱や床などを害虫(シロアリなど)に浸食され、家を維持できなくなっている

いずれにしても、家は雨風にさらされ、日々劣化していくものです。
メンテナンスをおこなっていないと地震や大雨などの災害で、突然家が崩れてしまうことも考えられます。

【状況別】ごみ屋敷の相談先

ここからはごみ屋敷の相談先について詳しく解説していきます。
どこへ相談するかは、ごみ屋敷の住人との関係や家の状態によって最適な窓口が異なります。
ご自身の状況と照らし合わせて選択してください。

主な相談先は以下の6つです。

  1. 自治体
  2. 管理会社・大家
  3. 警察署
  4. 消防署
  5. 弁護士
  6. ごみ屋敷専門清掃業者

相談先1.自治体(同じ地域や近隣にごみ屋敷がある場合)

各自治体の市役所や役場などには、苦情やトラブルについての相談窓口を設けています。
まずはそちらへ通報し、相談してみるようにしましょう。
自治体によってはごみ屋敷に関する条例を制定し、対応をおこなっているところもあります。

【ごみ屋敷条例とは】

生活環境等の調査、サポートや指導、勧告をおこない、どうしても改善しない場合の最終手段として、強制的にゴミを処分する「代執行」の措置が取れる

※「ごみ屋敷条例」は通称であり、各自治体によって条例の名称は異なります。
ごみ屋敷に困っている周辺住民が自治体(役所)に相談した後の、基本的な流れは同じですが、自治体によって条例の内容が異なります。

・関連記事:「ごみ屋敷の『行政代執行』とは何か?実例や採用している自治体をご紹介」

ごみ屋敷の「行政代執行」とは何か?実例や採用している自治体をご紹介

相談先2.管理会社・大家(ごみ屋敷が賃貸物件の場合)

ごみ屋敷となっている家が賃貸であった場合、相談先となるのは物件を管理している管理会社や大家になります。
同じ物件に住む人たちに迷惑をかけているのであれば、それに対応するのが管理会社や大家の責任であり、義務になります。
まずは「〇〇号室から悪臭がする」「隣の部屋がごみ屋敷化している」などと相談してみましょう。

ただし、いくら管理会社や大家だからといっても、部屋の中の物を勝手に処分することはできませんので、対応策としては「内容証明郵便の送付」や「行政機関への相談」などが考えられます。
また、部屋があまりに酷い状況であれば退去を要求する場合もあります。

相談先3.警察署(ごみが道路にはみ出している場合)

警察は、刑法に違反する案件であれば取り締まってくれますが、そうでない場合は動けないのが実態です。
2023年現在はごみ屋敷に関して取り締まれる法律がなく、仮に「ごみ屋敷を何とかしてほしい」と警察へ相談したとしても動いてはもらえません。

警察が取り締まれるケースとして、このような状況があげられます。

  • ごみが道路へはみ出していて、交通を妨げている場合

「交通を妨げるようなものは道路に置いてはいけない」ことが、道路交通法で定められています。
これにより、家の前にごみがはみ出している、ごみが溢れているなどの状況であれば警察が動くことができます。
ただし、ごみの強制撤去はできません。
注意喚起をし、話を聞くだけで終わることもあります。

相談先4.消防署(火災発生の不安・危険性がある場合)

消防署も警察と同じく、ごみ屋敷のごみを撤去することはできません。
しかし、ごみ屋敷は火災のリスクが高いことから、「放火や家事のリスクが高い家が近隣にある」と相談をすると見回りを強化したり、危険性の説明や指導をしたりしてもらえます、

消防署は消防法(火災の予防や火災による被害を最小限に留めるための措置や対策を定めた法律)によって、人命や建物・財産を守ることが義務付けられています。
そのため「火災の危険がある」家についてはその住人に説明や指導、注意喚起などをおこなってくれるでしょう。

相談先5.弁護士(ごみ屋敷によって被害(損害)が出た場合)

弁護士へ相談するのは実際に被害が出ている場合です。
ごみ屋敷の存在によって被害(損害)が出ている場合、損害賠償の対象になる可能性があります。

例えば以下のようなケースです。

  • ごみ屋敷のごみが私有地を超えてきている
  • ごみ屋敷となっている家が腐食し、シロアリやゴキブリなどの害虫が侵入してくる
  • ごみ屋敷の住人とトラブルになり、嫌がらせを受けている
  • 悪臭のせいで窓を開けられない・洗濯物を干せない

弁護士はごみ屋敷の住人と直接交渉し、場合によっては民事的に圧力をかけることも可能です。
具体的な被害の証拠があれば話がスムーズに進むでしょう。

しかし、弁護士への相談は相談の時点から費用がかかることがほとんどです。
実際に動いてもらい、解決するまでには費用以外に時間もかかることを理解しておきましょう。

相談先6.ごみ屋敷専門清掃業者(ごみ屋敷の住人が家族や知り合いなどの場合)

ごみ屋敷の清掃業者は、数多くのごみ屋敷の清掃をおこなってきたその道のプロです。
その経験から、どのように清掃を進めているのがよいかなど、わからないことや心配なことがあれば相談してみましょう。

また、遠方に住む家族の家がごみ屋敷になっている場合や、ずっと放置された空き家などの清掃についても相談・依頼することができます。

 

【ごみ屋敷の住人に片付ける意思があるなら】

ごみ屋敷の住人が家族や知り合いだった場合、説得によってごみ屋敷を片付ける意思が出ることもあります。
しかし、実際にごみ屋敷を片付けるとなるとかなりの根気や労力、時間がかかることが予想されます。
また、住人本人が片付けることに納得していない場合、片付けをおこなう中でトラブルになったり、途中で断念したりと思うように進まないことも。
そのような事態を避けるためにも、清掃業者へ依頼するのがおすすめです。

清掃業者へ依頼するメリットは以下の通りです。

  • 時間や手間をかけずに片付けができる
  • ケガや感染症などのリスクを避けることができる
  • 害虫駆除を依頼できる
  • ハウスクリーニングやリフォームも可能
  • 第三者であるスタッフが作業することで、家族間のトラブルを避けることができる

ごみ屋敷専門の清掃業者は、経験やノウハウによって最適な方法でスピーディに作業をしてもらえます。
どんなにたくさんのごみや物があっても、害虫や汚れが酷い状況であっても、あっという間にきれいな状態にしてくれるでしょう。

また、慣れない人がごみ屋敷の掃除や片付けをおこなうとケガや感染症の恐れもありますが、その点でもプロへの依頼が安心です。
害虫駆除についても専門の薬剤などで徹底的に駆除してもらえるため、自分でおこなうよりも確実に駆除できるでしょう。

ほかにも、業者によってはハウスクリーニングやリフォーム、特殊清掃や買取など、さまざまなサービスが充実しています。

・関連記事:「実家のごみ屋敷を解決!親の説得方法や片付け方法とは」

実家のごみ屋敷を解決!親の説得方法や片付け方法とは

注意!ごみ屋敷の住人への対処法

近隣や町内にごみ屋敷があった場合、直接苦情を言いたい、伝えに行きたいと思う方もいるかもしれません。
しかし、基本的には住人と直接話し合うのはおすすめできません。
特に住人がどのような人かわからない場合はトラブルに発展する可能性もあり、安易に苦情を伝えないほうがよいでしょう。

近くにごみ屋敷があった場合について、注意したほうが良い点をいくつかご紹介します。

1.住人本人には直接苦情を伝えない

お伝えしたように、住人に直接苦情を伝えるのはトラブルの原因になる可能性があるため、避けたほうがよいでしょう。
もし住人が一人暮らしの人であれば、同居していない家族や親戚などへ連絡するのも一つの方法です。

ごみ屋敷の住人は高齢者が多いことがわかっていますが、その理由として身体の不自由や病気によってごみ屋敷となってしまったケースが多くあります。
その場合、子どもなどの身内が気付いていないことも多く、住人本人も迷惑をかけたくないからと誰にも知らせていないこともあるのです。

町内会や民生委員などで家族の連絡先がわかる場合、ごみ屋敷化している現状を伝えることによって対策を考えてもらえるケースもあります。
住人の命に関わる場合もあるため、家族であれば積極的に動いてくれるでしょう。

2.勝手にごみを捨てたり動かしたりしない

ごみ屋敷となっている家から道路などにごみが溢れている場合、「このままだと邪魔」「危ないから動かそう」と考える方もいるかもしれません。
しかし、第三者にとってごみであったとしても、それは住人本人の「所有物」となります。
勝手に捨てたり動かしたりすると罪に問われてしまう可能性もあるため注意してください。

また、勝手に触れることによって住人とのトラブルに発展することも考えられます。
ごみや物が道路上へはみ出している場合は警察へ相談するようにしましょう。

まとめ

今回はごみ屋敷の相談先について、状況別に解説してきました。
しかし、どの状況においても一人で抱え込まず、お伝えしたような窓口へ相談してみましょう。

ごみ屋敷の問題は近隣に住む人にとって大きな問題ですが、直接的に適用できる法律がないのが現状です。
だからと言って何もせず放置しているとさまざまな被害が出ることも考えられます。
最適な窓口へ相談し、対処してもらうことで解決へと進むこともあるでしょう。

当社『ラクタス』はごみ屋敷清掃のプロであり、ハウスクリーニング業者や不用品回収業者にはない、ごみ屋敷に特化したサービスが充実しています。
ごみ屋敷の清掃についての不明点や相談は、お気軽にコチラからお問い合わせください。

2023-07-27

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